日本庭園、借景

庭園シリーズ、一旦最終回とします。

借景
四方が美しい山々に囲圭れた京都
庭園だけではなくその背後の風景をも取り込んでともに愛でてきました。

このように背景を庭園の要素として取り込むことを
「借景」といいます。

夢窓疎石
借景の庭を、庭園の一手法として確立したのは、
室町時代の夢窓疎石(むそうそせき)。
出ました。庭園界の神様。

世界文化遺産に登録されている天龍寺庭園や西芳寺庭園では、
それぞれ背後の亀山、東山を借景しています。

天龍寺庭園

でも残念ながら、この手法は、次第に使われなくなり
忘れ去られようとしていました。

小堀遠州
忘れさせて、なるものか

江戸時代に入ると、将軍茶道指南で幕府作事奉行
小塀遠州が、疎石以降長らく途絶えていた借景の手法を復活させます。

やったぁ、お師匠さん。

南禅寺方丈庭園では、
羊角嶺大日山を借景しており、

大徳寺本坊東庭では、比叡山を借景しています。

遠州の復活させた借景は、初期の後期式枯山水庭園に普及します。

その代表作というべき庭が、円通寺庭園(京都府)。
比叡山を見事に借景しています。

また石組はありませんが、正伝寺庭園(京都府)の比叡山の借景は有名です

円通寺,正伝寺に共通するのは、
春·秋分すなわちお盆の中日の日の出が望めることです。
比叡山山頂と円通寺や正伝寺が東西に直線に並んでいるんですね。

昔の人は考え方が贅沢ですね

山だけじゃなく、建物の借景というのもあります。

彦根城天守を借景とする玄宮園

東大寺南大門と若草山を借景とする依水園

東京
東京は厳しいですね
京都のようにはいきません。

どちらかというとマイナス排除
この前の、都立庭園の企画展で書いてありましたが
有名庭園の背景に派手な看板が出ないようお願いして回るのが重要な仕事のようです。
例えば、旧芝離宮恩賜庭園では、UCCさんに看板を小さくしてもらった

極めて限定的な建物には、写真をある場所から写すとき、後ろにビルが写らないよう
高層ビルを建てちゃいけないという条例があります。
迎賓館と明治天皇の絵画館
このマークのあるところからの撮影で

写っちゃうビルは建てちゃダメ

小石川後楽園は、東京ドームが借景

あっ、良いこと思い付いた。
白いドームに、山の絵を書けば良いんだ。

これはこれで良いかも、と思ったのが
新宿御苑の借景

索引はこちら
[庭園]シリーズはこちら(少し下げてね)


マサキ

花カレンダー始めました

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