[平将門]7 俺はそんな事がしたかったのか

[平将門]1 父の死。頼んだぞ。
[平将門]2 桔梗どのにございましょう。
[平将門]3 合戦が始まる
[平将門]4 京の都で裁判。その結果は
[平将門]5 桔梗、無事でいてくれ
[平将門]6 めでたしめでたし、になるはずが。
の続きです。

常陸(ひたち)へ
貞盛が京都で盛んに動き回り、平将門を極悪人だという評価にしていった。
機は熟したと、関東に戻り、兵をあげる準備を進めていく。
まずは常陸国の国司、藤原惟成を味方につける

そして、下野(しもつけ)藤原秀郷にも味方になってもらう約束を取り付ける。

そんな情報が、平将門のもとにも、どんどん送られるようになる

ここは、先手を打つ必要がありますぞ

平将門の取り巻きたちは浮き足だってくる

せっつかれて、将門もいよいよ腹を決めた。

将兵1000人を従え、常陸へ向かう。

思えばこの時が大きく一線を越えてしまった時だと言える。

それまでは、あくまで、一族内部での争いに過ぎなかった。
ところが、常陸の国の国司である、藤原惟成に向けて兵をあげた事になる
朝廷が派遣した国司を敵とした時点で
国への反逆者ということになってしまう。

しかも、間の悪いことに
藤原惟成の元へ、弾正忠(だんじょうのちゅう)藤原定遠(さだとお)がお客様として来ていた。
中央政府のお偉いさんが招かれて接待を受ける、まさしくその日だった。
接待する方には、もちろん貞盛もいる

一通りの宴が終わり
歓談しているところだった

大変です。
下総の将門が兵を連れて、常陸の国に、国境を越えてきました。

何っ
あの、あの将門か!
討て
向かい討てぇ

そして、朝廷からのお客様、弾正忠藤原定遠を京へ
守りながら送り届けなければならない。

万全の囲いをもって、進んでいった筈だった。

大変です。
定遠様が、捕虜として敵の手に奪われました。

ここで、決定的に「謀反」になる

貞盛ももともと戦の準備をしていたので迎え討ち
半日以上激戦が続くのだけど
まずいのは、その戦場が国庁だということ
朝廷の機関への謀反行動以外の何物でもない。

国庁に火の手が上がり焼け落ちる。

肝心の貞盛は、国庁の火の中から抜け出し
山を越えて、下野の藤原秀郷の元へ向かった。

藤原秀郷
おいでなさいましたな。

待ってました、との内心は隠し、じらし作戦。

ほお、将門がそのような
して、私に兵を貸せと?
こんな明確な謀反ならば
あなたは中央に顔がきくので、追討軍を出してもらえればよろしかろう
私のようなものの出番はなかろうに

散々もったいをつけた上でどっこいしょ、と動き出した。

ただ、老練な秀郷はすぐには動かない
将門の動きをまずは情報収集
どのタイミングでどう動くか

常陸制圧
将門は勝った
部下たちは、狂喜乱舞して勝ちどきをあげる

しかし、本当の敵だったはずの貞盛はそこにはいない
常陸という国を制圧したという事実がそこにあった。

将門自身、謀反人になったという認識と恐怖が
体を駆け巡った。

今までのように、誤解から謀反人と扱われた訳ではない
明らかに自分の意思で動いた
常陸という国を欲しかった訳ではないが
結果として常陸という国を奪ってしまった。

本拠地の下総にしても、将門が国司という訳ではない。
中央から送られた国司は別にいて、実質支配している将門とは
持ちつ持たれつでうまくやっていた。

まさか隣の常陸で、朝廷から国を奪ってしまうような
そんなつもりじゃなかったなんて
今更遅いし、途中このまま行けばどうなるか明白だった

自分でもこのあとどうすれば良いか分からない
ただ、周りは異常な興奮状態にある

このあと、「破れかぶれ」的な行動に出てしまう。

続きは、シリーズの次回ね

[歴史]シリーズはこちら(少し下げてね)

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