[平将門]9 あまりにもあっけなく

[平将門]1 父の死。頼んだぞ。
[平将門]2 桔梗どのにございましょう。
[平将門]3 合戦が始まる
[平将門]4 京の都で裁判。その結果は
[平将門]5 桔梗、無事でいてくれ
[平将門]6 めでたしめでたし、になるはずが。
[平将門]7 俺はそんな事がしたかったのか
[平将門]8 新皇万歳ーっ
の続き
平将門シリーズの最終回です。

豊田の館に帰ってきました。
幹部たちは色んな事を言い合っておりましたが
将門本人は、ただぼおっと寝て暮らす日々

城を作るわけでもなく、
兵を増強するでもない
何らかの仕組みを作ったり
部下に指示をするわけでもない。

ふと桔梗の事を思っては気持ちが沈む

この人が「新皇」なのかと疑いたくなる
それもその筈、本人の中では夢の中の出来事、何かの間違い、に過ぎない。

朝廷に長々と言い訳文を書いて提出
どう扱われるのかが気になる。

朝廷
かたやその朝廷では、この話で持ちきり
どんどん尾ひれが付いて
恐怖の大魔王が、明日にでもやって来て、根こそぎ焼き尽くされるだろう。

そのままにはしておけないのだが
制圧軍をどうしたものか

我こそは、という人がいるわけもなく
散々嫌がられた末
藤原忠文が征夷大将軍になった

本人、怖くて仕方がない。

天皇自身に、万歳をもって送り出されたが

行軍の中で「将門」は禁句だった。

平貞盛
一方、平国香の息子で、将門の敵の中心人物が平貞盛
長い間をかけて周到な準備をしている。

一番頼りにしているのが、押領使の藤原秀郷
押領使とは、今で言う警察みたいなもので
言うことを聞かないやつをやっつけるのが役割

予め、協力の約束を取り付けてある

秀郷殿。時期が来ましたぞ。

確かに約束はしたが、別に征夷大将軍が立てられた訳だし

それはそうですが、私が一番お願いしたいのは、秀郷殿にございます。

秀郷軍と貞盛軍が別方向から同時に事を起こす作戦

報せ
秀郷軍が立ったとの報せが届いた

全くの予想外
なぜにそのような。

半信半疑ながらも、大急ぎで準備した。
将門にとってみれば、ただ寝て暮らすより
馬上の人となった方が気が紛れる。

対峙したが、やはり準備不足は否めず
後退を余儀なくされる

攻防が続いて、2月14日を迎える
盛り返せとばかり、将門自身が先頭に立ち扇動する

いけっいけいけーっ

風は将門に有利な追い風
列風が吹き荒れる

ならばと、申の刻(午後3時)
敵に近づき、全員でもって一斉に矢を放つという作戦に出た。

ところが急に風が変わった
その時だった。

・・・
将門の顔に矢が立った
・・・
何の声も無かった。

首が後ろに倒れ
どさっ

馬から落ちた将門に向かって
雑兵をたちが飛びかかる。

あまりにもあっけない最後だった

忠文たちが到着した時、もう既に終わっていた。

あまりにも歴史的に大きな意味を持ち
初めて尽くしの大事件だったのに

結局は、政治的野心などかけらも無かった男が
関東八州、今の関東地方全てを制覇
あれよあれよという間に「新皇」になったのだけど

終わりは、一瞬
だった

[歴史]シリーズはこちら(少し下げてね)

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