「ありがとうございました」の前倒し

子供の頃の思い出とか、恋愛の思い出とかは書いてきましたけど、
仕事の事は書いて来ませんでした。

少しずつ、お話していこうと思います。

社会に出て初めての会社で
社会に出て最初に入った会社は大手電機メーカーの子会社でした。
今で言うIT業界です。

当時はパソコンってなかった。
オフィスコンピュータ、オフコンって言ってた。

お客さんのところでこんな業務でこんな管理をしたいということになれば、打ち合わせに出掛ける。
ああしたい、こうしたいを、コンピュータがわかる言葉に直してシステムとしてプログラミングをし、作り上げていく。
コンピュータが分かる言葉は、言語っていってます。
最初に習ったのは、コボルという名の言語でした。
それほど効率よく、プログラミングできるものではありませんでした。

私が社会に出て一年目です。
日本に初めてのUNIXとC言語というものが入ってきた。

かなりの大きな変化です。
うちの会社ではいち早く取り組むことになりました。

全員が取り組むのではなく、プロジェクトとして先行して学習する部隊を作ろうと言うことになりました。
ラッキーなことに一年目の社員としては一人だけ私がそのプロジェクトに入れてもらえることになりました。

C言語を習っていくと、どんどん工夫次第で効率のよい組み方が出来るようになっていきます。
ここでの経験で「効率のよい組み方」というのに目覚め、私のライフワークとなる「ノンプログラミング」の基礎になります。

「ありがとうございました」の前倒し
スイミングスクールのシステムを組んだことがあります。
その時、お客様の社長にある機能をつけてくれと言われた。
とても難しく、見積もりからすると不可能だと思われた。

できません。
とお断りした。

すると、社長は突然怒り出した。
すったもんだがあったあと、会社に帰ると会社にクレームが入っていた。

部長から呼び出された。

無理です。できません。
そんなことは私が判断する。やれ。
今から謝りにいくから一緒に来い。

とても納得いかなかったが、一緒に行って頭を下げた。

申し訳ありませんでした。

悔しくて悔しくてその後もずっと頭から離れない。
ようし何とかしてやろう。

最初にお話しした、「効率のよい組み方」をどんどんレベルアップしていった。
スイミングのシステムの納品が終わった後、2年ぐらい経過しただろうか。

「効率のよい組み方」はかなりのレベルに達し、同じ期間、同じ人数でも、できることが飛躍的に上がった。

あのとき、見積と比較して「できない」と思ったような機能も、なんなく取り込めるようになったのだ。

できません。
ではなかったのだ。
社長の言っていることの方が正しかった。

たまたま、その時、自分の組み方が未成熟だっただけ。
あの社長のおかげで、必死でレベルアップしたから。
そう、社長のおかげ。

心底、社長にありがとうと言いたくなった。
2年もたっている。
行けばいいだけの話だけど躊躇して行けなかった。

その時思った。
あの時、嫌々でも頭を下げていて本当に良かった。
お詫びと感謝で違うかもしれないけど、
せめてあのときの、頭を下げると言う行為を「ありがとう」と考えよう。

申し訳ございませんと頭を下げるとき、
全く納得できなくて、悔しくて仕方がなくても、何がなんでも頭を下げよう。
悔しければ悔しいほど、後々絶対に意味を持ってくる。
その時の「申し訳ございませんでした」は後々「ありがとうございました」に変わる。
その時、会いに行けるかどうかも分からない。
であれば、「ありがとうございました」と心の中で唱えつつ、頭を下げよう。

「ありがとうございました」の前倒し。

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