[仏像の見分け方]馬頭観音。最後の観音様

仏像の見分け方シリーズ

観音様としては、今回が最後

聖観音、十一面観音、不空羂索観音、准胝観音、千手観音、如意輪観音、
そして、馬頭観音
六観音揃いました

めでたしめでたし。

馬頭観音
ウォーキングで色んなところに行って
一番出会う観音様はこれかも知れません。

やたらめったら多い。

とはいえ、馬頭観音の仏像がある訳ではない
正直、馬頭観音の仏像はまだ拝見したことがない。

馬頭観音と石に書かれた、石碑っていうのかなあ
あっちゃこっちゃにある
庚申塚(こうしんづか)と同じくらい多い。

見分け方
仏像としての馬頭観音の見分け方

馬頭っていうくらいだから
人の顔じゃなくて、馬の顔なの?

いえいえ、顔は人間の顔。
それがですね
怒ってるんです。

びっくり

どうしたの
何があったの

それでなんでまた
観音様なの?

なかなか懐疑的な人に対して
一回怒ったふりしてみるか
そのあと優しくして、ツンデレ効果

観音様と分かってれば
こんな分かりやすいことはない
怒っているのは一人だけですから

でも、仏像全体として考えると
明王はほぼ皆さん怒っておられるので
見分けつきません

そんなときは次なる特徴
馬頭観音の馬頭たるゆえん
頭の上に馬の頭を乗っけています。
これが確認できれば完璧です。

顔と手
顔は3つで、手は8本というのが一番多いパターン

一番前の手は
馬口印という特殊な格好をしている
手を合わせるんだけど
人差し指中指薬指のどこかの指を折り畳む

これでもほぼ分かります。


六観音
六観音の一員としては、畜生道担当。
覚えやすい。

なるほど、動物はなかなか仏教を信じようとしないから
一回怒ってみるのは手かもね。

あらかじめ馬頭観音に拝んであれば
もし、動物に生まれ変わっちゃっても
すぐ、人間に生まれ変われるでしょう。

もし、蚊だとしたら
パチン
はい、人間。

民間信仰
馬頭観音ってさらに質が変わっていくんですね

もともと来るものは拒まずのゆるい宗教である仏教
馬頭っていう言葉から
馬に関わることは関連付けて庶民にとらえられます。
それが、最初にお話しした石碑石仏

馬って昔から、庶民にとても身近な動物

ちなみに、時代劇だと
馬に乗って駆け抜けるシーンがかっこいいけど
実はああいうことはほとんどない
馬って乗るもんじゃなく
連れて荷物を持ってもらうものだったり
引っ張ってもらうためのもの

府中競馬場の敷地内の馬の博物館に行ってきたけど
昔の日本の馬って小さいのね
乗るにはあまり都合良くない

道だって狭いから
混雑してくると
こらこら迷惑でしょ、降りなさいって言われる。

私は生麦事件って、
そういう事情を知らない外国人が堂々と馬に乗っていたから
こらこら、ってことじゃないかと思ってます。

話を戻して
昔から馬は相棒。

仕事や旅で遠出するときも
一緒に行こうね

そんな馬が旅先で死んじゃったとする
トラックなんてないから
死体を持って帰るなんて無理
その場で供養しましょう

要するに、馬のお墓が馬頭観音
畜生道を担当してくれているのが馬頭観音だから
あまねく救ってくれて、次は天国

そんな馬頭観音の簡易版が出来てくると
墓に限らず
馬が好きな人は、近くに馬頭観音の石碑を立てて
馬の健康を祈ったり
街道沿いには、旅の安全を願ってだったり

仏教ってほんとに良いなあと思います。
お釈迦様がどうとか、難しいお経がどうとか関係無く
生活からにじみ出た、ぼわっとした願いも
全部引っくるめてウェルカム


この際
馬をもうちょっと拡大解釈して
人間と動物の仲良しの証が
全国津々浦々に点在していると考えると
ちょっと楽しい。

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