[植物]美しいのは、実は毒消し

植物のかしこい生き方、第四章「逆境をしたたかに生きる」から

強く生き抜くしたたかさは
ときに妖しい美しさも生む

マリーゴールド

マリーゴールドは、花を美しくきれいな色で装います。
花粉を運んでくれるハチやチョウチョウを誘惑する作戦。

色の正体は、カロテノイドという色素

カロテノイドは、黄色や少しピンクがかった赤色
鮮やかさが特徴です。
タンポポにも使われている色素です。

色素にはアントシアニンというのもあります。
ポリフェノールという物質の一種で、赤い色や青い色の花に含まれます。

アサガオ、ペチュニア、シクラメンなどの赤色や


キキョウ、リンドウ、パンジーなどの青色にはこの色素が使われます。


色素
色素の役割は?
さっき言いましたね
ハチやチョウチョウを誘い込んで花粉を運んでもらう

もうひとつあります。
紫外線対策です。

紫外線は、体に当たると、活性酸素という毒物を発生させます。
これは、植物に限らず、人間でも同じ

色んな病気を引き起こしたり、老化の原因となる

花って生殖器官だから、ここで自分達の子供、種を作る
子供を活性酸素から守らねば

大丈夫。活性酸素を無毒化する抗酸化物質というのがあるもんね
人間でいうと、代表的なのはビタミンCとビタミンE

植物が作る抗酸化物質は?
はい
カロテノイドとアントシアニン

植物に当たる光が強ければ強いほど
抗酸化物質が必要
より、花は色鮮やかになるのです。

高山植物に、色鮮やかな花が多いのは、そういった理由なのです。

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[植物]イヌビエ。時代おくれの男になりたい

植物のかしこい生き方、第四章「逆境をしたたかに」から

主役でないと生きられない訳じゃない
脇役には脇役の生き方がある

イヌビエ
人間が勝手に決めた「雑草」という範疇があります。
イヌビエはその中のひとつです。
アマビエみたいですね。

イネ科の植物で、主に田んぼで育ちます。

イネ科で田んぼなら、当然イネがあります。

分かっていながら、敢えて田んぼで育ち、
主役のイネに隠れて、脇役として生きる道を選びました。

ひとつには、イネより遅く発芽する事
イネより早ければ田植えの時に掘り起こされちゃいますから。

ふたつには、イネより目立たないこと
♪目立たーぬよーうに
 はしゃがーぬよーうに
河島英五です

イネ科の真骨頂です
イネそっくり

あら、イネかと思ったわ、作戦
背丈も、イネよりちょっと低め

みっつには、イネより早く種を作り、撒き散らしてしまうこと。
そうしないとイネ刈りで刈られちゃうからです。

普通、植物って、種を作ると、どうやって撒き散らすかが勝負です
色んな進化を遂げつつ、効率よく撒き散らす

ところが、進化の過程で、わざわざ、撒き散らすことをやめ
そのままくっついているようになった植物がいます。
イネです。
人間様の都合です。
途中でボロボロっと落っこっちゃうと、イネ刈りがやりにくい。
人間の都合の良いように品種改良された。

イヌビエは、生きる時間も、姿形も、イネより控えめと言うことです。

イヌビエはイネの事をどう思っているのでしょう。

お前は良いよな、って思っているでしょうか

華やかな生涯
でも、生きて、子孫を残すための営みを人間にコントロールされ
種を落とすという基本的な事さえ許されなくなった。
その運命に従ってさえいれば、蝶よ花よで育ててくれる。
可哀想なあやつり人形
そう思っているのかも知れません。

イネはイヌビエの事をどう思っているのでしょう。

お前は良いよな、って思っているでしょうか

同じイネ科で親戚のイヌビエに、自分が果たせなかった夢を託しているのかも知れません。
長いものに巻かれた人生。
人間に食べられるための人生。
イヌビエは、植物が本来持っている欲望を普通に実現している
うらやましい。
せめてなら、私が君を守ってやる
私の後ろに隠れなさい。

この辺でイヌビエを見なかったかい?

ああ、これはこれは人間様
いつもお世話になっております。
イヌビエですか?
最近見てませんなあ
見かけたら、すぐにご連絡させていただきます。

♪時代おくれの男ーになりーたい

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[植物]自給自足の生き方。私は満足よ。

植物のかしこい生き方、第三章「完璧を求めない」から

もっともっと、と欲しがらなくても
十分生きていける

自給自足
植物の生き方は
「他をかまわない」「自分の責任で生きている」と表現されることがあります。

他をかまう必要がないからです。

自給自足で生きているからです。
生きていくのに必要なものは、光合成とかで自分で作り出せる。

そうかなあ
水も肥料もあげているけど。

そう思われるかも知れませんが
よりきれいな花を咲かせるため
より豊かで美味しい実をつかせるために、
人間たちがやっていること

カポック

普通はこの写真のような感じですが
植物のかしこい生き方の著者は
鉢植えにされている状態で12メートルを超える高さまで伸びたカポックを見たことがあるそうです。
置かれているビルは、5階までの吹き抜けがあって
その上が明るかった
ズンズン伸びて5階まで
途中で添え木とかもしてあげた。

おばけトマト、ハイポニカのときにもお話ししましたが
植物は本来、大化けできる能力は持っている

でも、たまたまそういう環境になければ
潜在能力のほんの何割かの力で生きている。

それぞれの環境の、自給自足の範囲内で生きている

もし、巨大カポックの話を他のカポックが聞いたとしても
良いなあ、羨ましいなあ
とも思わないし
僕だって頑張るぞ
とも思わない

思ったところで、頑張りようがないから

でも本当は、頑張る必要がないから

動き回れる
動き回れる動物
動き回れない植物

人間は動物だから
動物目線で考えて、そう対比する
植物は可哀想

でも自給自足できる植物から、植物目線でいうならば

動き回らなくても生きていける植物
動き回らないと生きていけない動物

動物は可哀想

なんでそんなに、もっともっと、と考えるの
なんで他人と比較して、自分はまだまだ、って考えるの

何が不満なの?
私は満足よ

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[植物]ヒイラギ。どうせ食べるんなら、私をどうぞ。

植物のかしこい生き方、第三章完璧を求めない、から

他人はどうなっても自分は、と考えると
苦しくなるときがありませんか

ヒイラギ

木に冬と書いて柊(ヒイラギ)
冬に花を咲かせます。

一番の特徴は、葉っぱのトゲ

いてててて

疼木とも書くのですが「疼」の字はひいらぐ、で
ヒリヒリ痛む、という意味です。

節分の日に、柊の枝にイワシの頭を刺して玄関に飾ると魔除けの効果があります。
確かにそうした年に、鬼がやって来たのを見ませんでした。

ところが、
柊だからといって、全ての葉がトゲトゲって訳ではありません。

普通に丸い葉も付けます

トゲトゲの葉の理由は、動物に食べられないようにするため

背が高くなると、上の方の葉っぱは食べられにくくなるので
丸い葉が多い。

もうひとつに
若い葉はトゲトゲだけど
老いた葉は丸くなっていくというのがあります。

ヒイラギ人生、みたいな言い方をし
歳を取ると角が取れて丸くなるという例えに使われる

正直、自分が歳をとって思うのは
決して角が取れたり、感情の起伏が小さくなる訳ではなく
コントロールが出来るようになるんだと思う。

ここは押さえた方が良いという時に感情をコントロール出来る

柊は不思議ですね
全部トゲトゲでも良さそうなもんですが
トゲトゲにするにはエネルギーが必要ってことかも知れません。

全部トゲトゲにするには、ああ疲れたって

だとすると、老いた葉は、
もう食べられても良いですよ
動物さん、どうせ食べるんなら、私をどうぞ
そのかわり、若いもんは食べないであげてね

仕事をしてるとそれはすごく感じます
私はIT業界なんですが
60歳ともなると、私の周りに同年代の人はいません。
当然上司は、自分より若い人
へえこらする必要があります。

歳とって、過去の栄光を捨てられない人がいるのがとても困る
そういう人がいるから、年寄りは使いづらい、と思われちゃう。

仕事はどんな雑用でも絶対断らない
若い人に可愛がってもらう
どの時点で、その割り切りの境地に行けるかでしょうね

どうせ食べるんなら、私をどうぞ。

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