染井吉野の花の色は

染井吉野はクローン
染井吉野は短命?いえいえ
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花の色は
花の色は うつりにけりな いたずらに わが身夜に降る ながめせしまに
はいっ、小野小町

クイズです。
染井吉野の花の色は何色でしょう。

薄いピンク

ピンポーン

クイズになっていません。
当たり前です。

ただ、どの程度白に近く、どの程度ピンクに近い色をイメージして答えたかは
住む地域によって違います。

地域によって花の色が違うってタンポポの花の色を思い出すなあ
たんぽぽの花の色(まさかそんな)

染井吉野は、西日本ではほぼ白に近いイメージで
北海道や東北では、そこそこピンクのイメージだと思います。
東京の人は、昔に比べると、色が薄くなっていると感じておられる方もおられるかも知れません。

そもそも花の色というのは、アントシアニンという色素によるものです。
アントシアニンは植物に広く見られる物質で、赤、青、紫などの色を表します。
サクラで言うと、花の色の他、紅葉の色や若芽の色にもなっており
赤色系の色を表します。

桜の種類によって違うだけでなく、環境によっても違ってきます。
紅葉と同じように、光と気温が大きく影響します。

桜を切り花として飾るとき
花の色が真っ白になってしまう事があります。
これは、アントシアニン合成に必要な低温と紫外線の刺激が不足していたからです。

気温が高いと白、低いとピンクです。
低い方がアントシアニンが頑張れるって意外

紅葉は、気温が低い方が赤くなる、ってのと同じと考えると納得です。

都会は、ヒートアイランド現象で暑くなってきているので
昔に比べると、色褪せて来たと感じる訳です。

花が咲いてから散るまでの間にも色は変化していきます。
つぼみの段階ではかなり濃いピンクです。
花が咲いた直後は一気に白くなります。
これは、アントシアニンが花びら全体に分散して、密度が薄くなったからです。

咲いたあと、もし寒い日が続けば、アントシアニンが作られていくので
ピンクが強くなっていきます。

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染井吉野は短命?いえいえ

散るまでの間、染井吉野の話題を集中的に

短命?
染井吉野は短命、という話が広まっていました。
私も聞いたことがあります。

全国の染井吉野は同じ遺伝子ということもあるので
戦後、全国に植えられた染井吉野が一斉に枯れちゃうんだ、と言われると
おお、えらいこっちゃ、と

最初、30歳説に始まって
その期限が到来しても一斉に枯れないため
50歳説に延長されたんですが
そこでも一斉に枯れることがなく
それ以降、具体的な数字は言われていないようですが
短命説が消えたわけではありません。

実際にはどの程度生きられるのでしょうか

小石川植物園や青森の弘前公園の木は
植栽記録があるので樹齢130年を超えていることが分かっています。

樹木の世界では最大樹齢が100年を超える種類は長命樹木
それ以下だと短命樹木と大雑把に考えられています。

すなわち、染井吉野は長命樹木なのです。

なぜ、そういう噂が立ったのでしょう

染井吉野は、成長が早いことで知られています。
環境によっても異なりますが、接ぎ木の苗はその年に高さ2mに達します。
10年も立てば、10mを超えることもあります。
ただ、そのまま伸び続ける訳ではありません。
20mを超えることはまれで、多くはその前に上に伸びる事をやめます。
古くなった枝は枯れても、新しい枝が伸びて入れ替わります。

ただ、染井吉野は、その入れ替わりの速度が遅いのです。
新しい枝が出てくるまでの間は、古く枯れた枝が目立つため
見た目的に黒い枝が目につき、全体的に黒い印象になります。
でも、そのまま枯れてしまうわけではなく、
新しい枝が出てくるまでの辛抱なのですが
染井吉野の満開のイメージが強すぎるので
このまま枯れてしまうんじゃないかと思うのでしょう。

染井吉野からすると
期待度が高すぎるんじゃないでしょうか
私は全然元気ですけど
って言うかも知れません。

最近は手入れの技術が高くなったので
そういった木についても、かなり多く咲かせられるようになってきています。

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染井吉野はクローン

桜の科学、という本を読みました。
せっかくの桜の時期なので、ちょっと集中して、桜の話題をいってみましょう。

クローン
染井吉野はクローンだからみんな一緒だと、聞かれたことがあるかも知れません。
クローンっておどろおどろしいイメージですね
羊のドリーのようです。
白衣を着たおじさんがフラスコの中で染井吉野を作っているんでしょうか

いえ
昔からある接ぎ木の事です。

染井吉野に限らず多くの桜は、同じ種類同士では実を結びません。
自家不和合性と言って、遺伝的な劣化を防ぐためです。

したがって、公園等で染井吉野だけしか桜が植えられていないところでは実は出来ません。
染井吉野はエドヒガンとオオシマザクラの交配でできた品種です。
染井吉野の誕生秘話は以前にも書いたので、そちらも読んでね
ソメイヨシノを作った男は伊藤伊兵衛?

花の咲く時期には葉の眼が出ないという、エドヒガンの性質を受け継いでいます。
見た目がとても綺麗になる訳です。

接ぎ木による増殖は果物の世界では一般的で
りんごで言うと「ふじ」や「紅玉」
梨で言うと「豊水」や「二十世紀」は接ぎ木による栽培品種です。

近くに染井吉野以外の桜があれば、染井吉野も実を作ります。

♪くーろいさくらんぼー

苦いですが、食べられない訳ではありません。
ただ、お腹が弱めの人は、こういう風に黒紫になるまでは食べない方が良いでしょう。
未成熟なうちは毒があります。

実の中の種を植えるとちゃんと発芽します。

でも、お父さんの血も受け継いでいるので、染井吉野とはちょっと違う性質になります。

染井吉野の正体がよく分からなかった時期は、種で増やそうとした記録も残っています。
ただ、そうそうに違っちゃう事が分かったのでしょう
すぐに、接ぎ木方式に統一されました。

第二次大戦後に植えられた染井吉野は全て同じクローンです。
気象庁が、全国の染井吉野の遺伝子を調べたところ
全て同じクローンだったようです。

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[植物] 勢い余ってぽったぽた

「植物のかしこい生き方」からのシリーズは今日で最終回
第五章「苦難に立ち向かう準備としくみ」から

暗闇の中でも 出来ることがある
暗闇の中だからこそ 出来ることがある


植物は光が大好き
光合成では光と水と二酸化炭素を元に、物質やエネルギーを出しますからね。

でも、本当だろうか

植物にとって、光はあればあるほど良いものだろうか。

二つ目の要素、「水」が問題なんです。

夏、カンカン照り
光は目一杯でも、温度があっつあつになっちゃいますので
せっかく吸い上げた水が蒸発しちゃうんです。

葉っぱって、何で平たく広がっているかというと、光を目一杯吸収するため
でも、痛し痒しで、光が当たりすぎると、表面からどんどん水分が蒸発しちゃう。
出身地にもよるんですが
熱帯出身の植物でなければ、お昼は苦手な植物も多いんです。

葉っぱがぐったりとたれさがって、できるだけ光が当たらないよう。
あるいは、葉っぱがくるんと丸まって光を拒絶。

そんな植物たちは夜になると、もしかすると大喜び

やったぁ。暗いぞ。まっ暗闇じゃあござんせんか
今この内に、目一杯張り巡らせた根っこから、吸うぞ吸うぞ。どんどん吸うぞ。

朝だっ
へへっ。もう準備万端だもんね。

たまに、勢い余って吸い上げすぎた水が葉っぱの先から滴り落ちたりします。
溢水(いっすい)と呼ぶようです。



そして朝方のちょうど良い光の中で
待ってました!と光合成

さらに、お昼になると葉っぱから、水分を蒸発させて、体温を下げ
自分の体を守るのです。

猛暑でも、森の中は涼しい。
こんな自然のクーラーがあるからなんですね。

暗闇
人生において何度かやって来る逆境
なかなか、その中で、ラッキーなんて思えないでしょうけど
植物たちの頑張りを思い出して
要は「考え方」だぜってケセラセラ

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