[植物] 勢い余ってぽったぽた

「植物のかしこい生き方」からのシリーズは今日で最終回
第五章「苦難に立ち向かう準備としくみ」から

暗闇の中でも 出来ることがある
暗闇の中だからこそ 出来ることがある


植物は光が大好き
光合成では光と水と二酸化炭素を元に、物質やエネルギーを出しますからね。

でも、本当だろうか

植物にとって、光はあればあるほど良いものだろうか。

二つ目の要素、「水」が問題なんです。

夏、カンカン照り
光は目一杯でも、温度があっつあつになっちゃいますので
せっかく吸い上げた水が蒸発しちゃうんです。

葉っぱって、何で平たく広がっているかというと、光を目一杯吸収するため
でも、痛し痒しで、光が当たりすぎると、表面からどんどん水分が蒸発しちゃう。
出身地にもよるんですが
熱帯出身の植物でなければ、お昼は苦手な植物も多いんです。

葉っぱがぐったりとたれさがって、できるだけ光が当たらないよう。
あるいは、葉っぱがくるんと丸まって光を拒絶。

そんな植物たちは夜になると、もしかすると大喜び

やったぁ。暗いぞ。まっ暗闇じゃあござんせんか
今この内に、目一杯張り巡らせた根っこから、吸うぞ吸うぞ。どんどん吸うぞ。

朝だっ
へへっ。もう準備万端だもんね。

たまに、勢い余って吸い上げすぎた水が葉っぱの先から滴り落ちたりします。
溢水(いっすい)と呼ぶようです。



そして朝方のちょうど良い光の中で
待ってました!と光合成

さらに、お昼になると葉っぱから、水分を蒸発させて、体温を下げ
自分の体を守るのです。

猛暑でも、森の中は涼しい。
こんな自然のクーラーがあるからなんですね。

暗闇
人生において何度かやって来る逆境
なかなか、その中で、ラッキーなんて思えないでしょうけど
植物たちの頑張りを思い出して
要は「考え方」だぜってケセラセラ

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[植物]彼岸花。何年もかけてじっくりと

植物のかしこい生き方。第4章「逆境をしたたかに生きる」から

大きく咲きたいなら あせってはいけない
密やかにじっくりと 時間をかけて力をためる

彼岸花ってとても不思議な植物
過去、2回話題にしました。

お彼岸ですから、ちょっとだけ追加情報

彼岸花

[植物] 彼岸花。どんな葉っぱかなあ
で、
花が咲いている時には、葉っぱがなく
葉っぱがあるときには、花がない
というお話をしました。

そしてその媒介をするのが、球根
正確に言うと、彼岸花は根ではなくて茎なので、鱗茎(りんけい)というのが正しいようです。

どうして増える?
日本にある彼岸花は全て、遺伝子的に同一なんですって。
元は中国からやって来たのですが、たったひとつの彼岸花が
どんどん増えて、日本中に広まっていった。

そして、日本にある彼岸花は遺伝子の特徴として三倍体という特徴を持っています。
通常の生き物は、お父さんとお母さんの遺伝子から、ひとつずつをもらって両方を持っている
これが二倍体
ところが三倍体は三つ持っている

はい
こんなこと言っておりますが
実は、何の事か全く分からず書いております。
あとのひとつは一体どこから来たんだか
これ以上の理解は、理系の人に任せるとします。お手上げです。

中国の彼岸花は二倍体と三倍体の両方があるそうです。
日本の彼岸花は三倍体しかない
二倍体だと種を作ることもできる事もでき、種がどこかに飛んでいって増えることも可能
三倍体は、増える方法は、分球しかありません。
ニンニクみたいなイメージでしょうか

大きな疑問が湧きます

分球したとしましょう。
横にぽこっと別れるだけです。
自ら歩いて別の場所に行けません。
「どんどん増えて日本中に」なんて無理です。
残念でした。お手上げです。
理系の人だって解決できません。

ひとつ考えられるのは、鳥や動物が加えてどこかに運んだ
考えられない訳じゃないでしょうが。

おそらく一番有力なシチュエーションは人間が運んだ。

1.ひとつは土を運ぶときに紛れて、鱗茎も持っていっちゃった

そんなのさすがに気づくでしょうと思いますが
実は、全てがさっきの写真のような大きさではないんです。
ほとんどがもっともっと小さい
数年かかるんです。

小さい間は、冬の間に地上に伸びて葉っぱをつけて養分をつくる
作った養分は鱗茎に貯めてちょっと大きくなる
この年は養分を消費するだけの花は咲かせない。
数年かけて少しずつ大きくなり
よし今年だ!
となってようやく花をつける

彼岸花は毒があると話しました。
[秋分] 9/23 彼岸でお墓参り

なぜかというと、こうやって苦労して何年もかけて大きくなっていっているのに
食べられたくないからです。

2.わざわざ、人が彼岸花を増やすために別のところに植えた。

いくつか目的があると思いますが、ひとつめはその毒です。
多いのは、墓場や田んぼの畦道ですが
そういう場合は人が植えたと思われます。
昔の土葬の時に、モグラに食べられることを阻止しようとした。
モグラは肉食なので直接鱗茎を食べることは無いんですが
彼岸花の咲いているところには、餌のミミズがいないという間接的理由です。

田んぼの畦道については、確かにモグラは大敵ですが
ミミズはいてほしい筈なんですが、畦道なら良いって事なんでしょうか

二つ目の理由は意外にも食用です。
鱗茎の毒は水に溶けるので、水にさらせば、毒は消えます。
人間が食べられるんです。

ここまでは調べれば書いてあるんですが
私はもうひとつ理由がある気がします。
観賞用です。
とてもきれいな花ですからね
昔の人も観賞用に増やそうと思ったんじゃないでしょうか。

自分で
今まで、人が増やしたという事を言って来ましたが
彼岸花の気持ちになって考えて
最初からそれだけを狙ってた訳じゃないでしょう、と思う。

人が増やしたかも知れないけどあくまでも結果論

どうも分球の仕方に技を持っている

たまたま、土が運ばれて、小さな分球が他の場所に埋まったとします。
翌年地表近くに茎が伸び、地表近くに鱗茎を作ることができる
上下であれば、自由自在に動けるということです。

大きくなってきました。
そうすると分球します。
それを地表すれすれでやる
すると、地面より上に盛り上がり
小さいのはコロコロ
風で移動することだって出来るでしょう
おむすびコロリン状態

ある人の観察記録によると
ひとつが900個にまで分かれた例があるようです。

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[植物]美しいのは、実は毒消し

植物のかしこい生き方、第四章「逆境をしたたかに生きる」から

強く生き抜くしたたかさは
ときに妖しい美しさも生む

マリーゴールド

マリーゴールドは、花を美しくきれいな色で装います。
花粉を運んでくれるハチやチョウチョウを誘惑する作戦。

色の正体は、カロテノイドという色素

カロテノイドは、黄色や少しピンクがかった赤色
鮮やかさが特徴です。
タンポポにも使われている色素です。

色素にはアントシアニンというのもあります。
ポリフェノールという物質の一種で、赤い色や青い色の花に含まれます。

アサガオ、ペチュニア、シクラメンなどの赤色や


キキョウ、リンドウ、パンジーなどの青色にはこの色素が使われます。


色素
色素の役割は?
さっき言いましたね
ハチやチョウチョウを誘い込んで花粉を運んでもらう

もうひとつあります。
紫外線対策です。

紫外線は、体に当たると、活性酸素という毒物を発生させます。
これは、植物に限らず、人間でも同じ

色んな病気を引き起こしたり、老化の原因となる

花って生殖器官だから、ここで自分達の子供、種を作る
子供を活性酸素から守らねば

大丈夫。活性酸素を無毒化する抗酸化物質というのがあるもんね
人間でいうと、代表的なのはビタミンCとビタミンE

植物が作る抗酸化物質は?
はい
カロテノイドとアントシアニン

植物に当たる光が強ければ強いほど
抗酸化物質が必要
より、花は色鮮やかになるのです。

高山植物に、色鮮やかな花が多いのは、そういった理由なのです。

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[植物]イヌビエ。時代おくれの男になりたい

植物のかしこい生き方、第四章「逆境をしたたかに」から

主役でないと生きられない訳じゃない
脇役には脇役の生き方がある

イヌビエ
人間が勝手に決めた「雑草」という範疇があります。
イヌビエはその中のひとつです。
アマビエみたいですね。

イネ科の植物で、主に田んぼで育ちます。

イネ科で田んぼなら、当然イネがあります。

分かっていながら、敢えて田んぼで育ち、
主役のイネに隠れて、脇役として生きる道を選びました。

ひとつには、イネより遅く発芽する事
イネより早ければ田植えの時に掘り起こされちゃいますから。

ふたつには、イネより目立たないこと
♪目立たーぬよーうに
 はしゃがーぬよーうに
河島英五です

イネ科の真骨頂です
イネそっくり

あら、イネかと思ったわ、作戦
背丈も、イネよりちょっと低め

みっつには、イネより早く種を作り、撒き散らしてしまうこと。
そうしないとイネ刈りで刈られちゃうからです。

普通、植物って、種を作ると、どうやって撒き散らすかが勝負です
色んな進化を遂げつつ、効率よく撒き散らす

ところが、進化の過程で、わざわざ、撒き散らすことをやめ
そのままくっついているようになった植物がいます。
イネです。
人間様の都合です。
途中でボロボロっと落っこっちゃうと、イネ刈りがやりにくい。
人間の都合の良いように品種改良された。

イヌビエは、生きる時間も、姿形も、イネより控えめと言うことです。

イヌビエはイネの事をどう思っているのでしょう。

お前は良いよな、って思っているでしょうか

華やかな生涯
でも、生きて、子孫を残すための営みを人間にコントロールされ
種を落とすという基本的な事さえ許されなくなった。
その運命に従ってさえいれば、蝶よ花よで育ててくれる。
可哀想なあやつり人形
そう思っているのかも知れません。

イネはイヌビエの事をどう思っているのでしょう。

お前は良いよな、って思っているでしょうか

同じイネ科で親戚のイヌビエに、自分が果たせなかった夢を託しているのかも知れません。
長いものに巻かれた人生。
人間に食べられるための人生。
イヌビエは、植物が本来持っている欲望を普通に実現している
うらやましい。
せめてなら、私が君を守ってやる
私の後ろに隠れなさい。

この辺でイヌビエを見なかったかい?

ああ、これはこれは人間様
いつもお世話になっております。
イヌビエですか?
最近見てませんなあ
見かけたら、すぐにご連絡させていただきます。

♪時代おくれの男ーになりーたい

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