[仏像の見分け方]不空羂索観音と准胝観音

仏像の見分け方シリーズです。

今日は、不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)と准胝観音(じゅんていかんのん)

は?
そりゃまたマイナーな

正直、マイナーなので2つまとめていっちゃいましょう。

六観音の話をしました。
観音様は六道という六つの世界のそれぞれを
色んな観音様が担当している。

読んでいただているみなさんは、人間です。
私もそうです。
人道担当の観音様だけ拝んでおけば良いはず

その人道担当が不空羂索観音と准胝観音

何でふたつかというと
宗派によって違うから。
天台宗系だと不空羂索観音
真言宗系だと准胝観音になります。

不空羂索観音
以外に、この不空羂索観音、歴史が古く
日本に登場したのが
十一面観音に続いて二番目
数もかなり多く作られています。

「不空」とは「むなしからず」、「羂索」は鳥獣等を捕らえる縄のこと。
「心念不空の索をもってあらゆる衆生をもれなく救済する観音」

良いですね
もれなく捕まえて!

見分け方
・羂索を持つ
・三つ目八臂
・鹿皮をまとう

腕は8本です
手には当然、羂索を持っています

目が3個
第三の眼は眉間に縦向きについています。

豪華ですね。

シカの毛皮を身に纏っています。
羂索で鹿捕まえたんでしょうか。
おそらくその時寒かったんでしょう。
子供を思う気持ちの強い鹿のように、人々を思ってくれます。

ご利益
不空羂索観音には20のご利益があるとされています。ただし、これらの利益を得るための正式な拝み方があります。

毎月8日に行動や飲食を慎んで心身を正常にした上で、不空羂索観音の真言を唱え続け無ければなりません。

・病気をしなくなる
・病気にかかってもすぐ治る
・体がつややかになり、肌がきめが細かく柔らかくなる
・多くの人から敬愛され身を守られる
・財宝を得る
・財宝を盗まれない
・水や火の災難に遭わない
・国王により身を害されることがない
・事業で失敗しない
・植えた農作物に天候や害虫の被害が無い
・真言を唱えればすべての災難が消える
・悪鬼などに精気を奪われない
・恨みに畏れなくなる
・恨みが解消する
・他人や鬼神に畏れなくなり、呪いや邪気による害も無い
・すべての煩悩が消える
・火・刀・薬の災難では死なない
・諸天善神の加護を受ける
・どこに輪廻転生しても慈悲喜捨を忘れない

准胝観音
准胝観音は不空羂索観音以上にマイナーです

准胝とは清浄を意味します。
元々は水の浄化の働きにより清浄をもたらしてくれる女神でした

実は准胝観音は観音様ではなかったんです
准胝観音は七倶胝仏母(しちぐていぶつぼ)という別名を持っています。
観音様ではなく、全ての菩薩の母という仏様でした。

真言宗はこのお母さんを観音様として加えた
おっかさん
たのんます

見分け方
・手が18本
・目が3つある
・頭上に仏面は無い
・蓮の花や水瓶(すいびょう)を持つ

目は、不空羂索観音と同じです。
手はグッと増えましたね
ここまで増えると、千手観音と紛らわしくなります。
目が3つというところで千手観音と見分けましょう

不空羂索観音もそうですが
多くのの観音様の頭上には阿弥陀如来が刻まれていることが多くあります。
目標とする仏様、化仏(けぶつ)と言います。

ところが
准胝観音は元は観音様ではなかったため、
化仏はありません
これも見分けるポイントですね

持っているのは蓮の花や水瓶
泥の中から花を開かせる蓮の花は清浄な世界を象徴し、
阿弥陀如来や観音菩薩のいる極楽で咲き乱れているとされています。
水瓶には功徳水と言われる有難い水が入っています。

ご利益
全ての菩薩のお母さんだったので
安産・子宝がご利益になります。

醍醐天皇は跡取りとして子供を授かりたいと祈願したところ、
2人の男の子を授かることができたそうです。

あと、准胝観音の真言を毎日108回唱えると
寿命を最高で21年伸ばすことができます。
地獄の閻魔大王に命令するそうです
何とかせいっ

仏像の見分け方。十一面観音。あっちゃもこっちゃも顔だらけ

前回は変化観音(へんげかんのん)全般の話をしました。

今回から、具体的な観音様に入っていきましょう。

一番バッターは十一面観音
修羅道担当でした。

十一面観音
分かりやすいよ、見分け方
頭の上に11個顔が乗っかってたら十一面観音。
きっぱりそれだけ。
分かりやすぅ

重たそう。首こるでしょうね。

顔が多くて派手な分
手はあっさり2本というのが圧倒的に多い

数が多い
変化観音の中では、最初に出来たのがこの十一面観音。
その当時は大ブーム
やっぱり派手ですもんね
その甲斐あって、変化観音の中で日本で一番仏像の数が多い

そう言われると、正月に行った雑司ヶ谷七福神巡りで毘沙門天担当の清立院
先日行った根津神社。
結構あります。

どんな顔?
11個の顔は全部同じという訳ではありません。

1-頭のてっぺんに仏の顔
2 3 4-頭上の前っ側に3つ 菩薩の顔。慈悲に満ちた顔。
5 6 7-頭上の左側(向かって右)に3つ 瞋怒面(しんぬめん)怒っている顔。
8 9 10-頭上の右側(向かって左)に3つ 狗牙上出面(くげじょうしゅつめん)
 牙を剥いているんだけど、怒っている訳ではなく励ましているらしい。
11-後ろに1つ 大笑面(だいしょうめん)
 ええっ。一番いいやつ、後ろなの?
 回り込んで見れるってなかなかないと思うんだけど。
 ああ、見てみたい。
 webで探しました。

仏像の見分け方。変化観音。生まれ変わりってつらいこと?

前回は聖観音でした。
今回から変化観音(へんげかんのん)に入っていきましょう。

まずは変化観音にはどんなのがあるか
代表的なのを6つ集めて、六観音ということがありますのでそこから

と思ったんですが
六観音の話をするには、輪廻転生(りんねてんしょう)の話から始めないといけません。

輪廻転生
輪廻転生。生まれ変わりですね。

例えばで言うと
うちの長女は
乳牛です。

次女は
うどん。

生まれ変わりって
ワクワクドキドキ。
エキサイティングで楽しい事かと思っていた。
少なくとも死んで無くなっちゃうんじゃなくて
また、復活して生きられる。

違うんですね。
仏教では、輪廻転生こそが最も苦難。
輪廻転生すると、次にどんなにひどい世界に生まれ変わるかも分からない。
輪廻転生を避けるためにはひとつしか方法がない。

仏になること。
成仏(じょうぶつ)、解脱(げだつ)、悟りを拓く
全て同じことだけど
仏になれば、輪廻転生はしない涅槃(ねはん)という別の世界へ行ける

6つの世界
涅槃じゃない方の世界は6つに分かれている。

六道っていうんですね
1,天道(てんどう)
元々のインドの神々の住む世界
例えば七福神の大黒天、弁財天、毘沙門天と
天のつく神様

ビックリです。
仏は、4種類に分かれて、如来、菩薩、明王、天
という話はしました。

そのうちの、天はここ?
ここなの?
確かに仏として悟りを拓ききっているのは如来だけ
天は涅槃の世界じゃありません。
理屈的には合っていますね。

とはいえ、神様たち、大黒天とかも死んじゃっていなくなり
生まれ変わるってことですよね

私はひょっとして、弁財天の生まれ変わりかも知れないわけですね
琵琶の練習してみようかな

菩薩と明王って涅槃でもなく、天道でもない
どこに住んでるの?
まあ、堅いこと言いっこなしなんでしょうか。

2.人道(じんどう)
人間の住む世界。
要は、ここですね。
唯一自力で仏教と出会うことが出来、解脱出来る
天道にすら、仏教はないらしいので
人道の方がラッキーなのかも

3.修羅道(しゅらどう)
修羅って具体的なイメージが湧きづらいですね
人間と動物の間?
争いの耐えない世界なんですって

4.畜生道(ちくしょうどう)
動物ですね
これは分かりやすい
弱肉強食の苦しみの世界。

でも、どうなんでしょう
うちの、セキセイインコの空(くう)ちゃんシャケちゃんを見る限り
とても楽しそう。
悩みもなさそう。
空だって飛べる。
くうちゃんに至っては、空(くう)ってぐらいだから、悟りを拓いちゃってます。

まあ、例外もあるよってことにいたしましょう。

5.餓鬼道(がきどう)
餓鬼は腹が膨れた姿の鬼で、食べ物を口に入れようとすると火となってしまい
餓えと渇きに悩まされる。

6.地獄道(じごくどう)
さあ、地獄です。
これはきつい。
避けたいですね

六観音
観音様は七変化ならぬ六変化
とても働き者で、六道全部を回って迷える衆生(しゅじょう=人間を含むあらゆる生き物)を見つけては救ってくれる。
その時、自分でも違う姿になった方が分かりやすいと思ったんでしょうか
それぞれ違う姿になって訪れる。

■天道
・如意輪観音(にょいりんかんのん)

一番良いところ取りましたね
こんなパラダイスなところに迷える衆生なんているんでしょうか
おそらくずっと寝てても大丈夫。

■人道
・准胝観音(じゅんていかんのん)
・不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)

宗派によって違うんです。
真言宗では准胝観音、天台宗では不空羂索観音

それにしても不思議です。
どう考えても、私もみなさんも人間。
迷える衆生は人間なんじゃないかなあ。
この観音さんだけ拝んでおけばいい気がするんだけどなあ

■修羅道
・十一面観音

変化観音の中では有名どころです
有名どころをこんなところに配置しているんですね。
まあ、人間より、救うべき衆生は多いでしょうから
十一個も顔がないと頑張りが効かないのかも知れません。

■畜生道
・馬頭観音

この担当だけは分かりやすいですね
回りは動物ばかりなので
親しみわくわぁ

■餓鬼道
・千手観音

餓鬼を救うのは確かにパワーが要りそうです。
千手観音のようなスーパーマンにお願いすれば
救えるのかも知れませんね

■地獄道
・聖観音

偉いわ、聖観音
一番大変なところの担当を自らかって出たんでしょうか

それでは、シリーズの次回から
各変化観音の話をしていくことにいたします。

仏像の見分け方。聖観世音菩薩(かんのんさま)

仏像の見分け方シリーズ
いよいよ来ました。
泣く子も黙る一番人気。

観音様でございます。

人気の秘密
なぜこんなにも観音様が人気があるんでしょう。

先週行った浅草寺でも観音様

ひとつには、親しみやすさでしょうね。
如来じゃなくて菩薩なので
超お偉いさんじゃない。
そのくせ、ちゃんとみんなを救ってくれる。
頑張っている感がとてもいいですね。

お供
阿弥陀如来のお供をしている、助さん角さんは
勢至菩薩(せいしぼさつ)と観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)です。
親分が人気なので子分も、ってとこですね。

とは言え、あれれ?
勢至菩薩の方はあんまり聞かないなあ。

実は仏様には性別はないんだけど
勢至菩薩は男性的
観音菩薩は女性的
あくまでも「的」の話ね。

阿弥陀如来の手の形(印)と関係します。
施無畏印(せむいいん)と与願印(よがんいん)の基本ポーズをとっている阿弥陀如来がいたとします。

右手の施無畏印は手のひらからパワーを出して、救ってあげるからね
左手の与願印は何でも願いを叶えるからね
右手が父親的で左手が母親的。

チェリッシュだって、カーペンターズだって、ドリカムだって
女性の方が人気ですね
さくらと一郎はよく分かんないけど。

母の日と父の日だって人気はかなり差をつけられています。

観世音菩薩
観音菩薩、観世音菩薩、観自在菩薩
色々あるけど、どれが誰?
結論から言うと全部一緒。

観自在菩薩ってあまり聞かないけど
私の好きな般若心経は
観自在菩薩で始まります。

インドから中国に訳した人が誰かによって
変わります。
般若心経を訳した中で一番有名なのが
孫悟空がお供した三蔵法師なんだけど
その時は観自在菩薩と訳した。
自由自在に何でも観てくれて聞いてくれるぐらいの意味かな

親しみやすさがウリの観音様
短縮バージョンで浸透している観音、でよろしいんじゃないでしょうか

古くから
観音信仰はかなり古い。
日本での仏教の始まりとほぼ同じと言ってもよい。
何と言っても江戸で最も古い浅草寺が祀っている位ですから。

そしてまた、数がやたらに多い。
あっちでもこっちでも観音様。

やがて、観音様巡りが流行する
源氏物語にも書かれているくらい。
それがコースとなり
西国三十三所霊場に発展し
さらに、坂東三十三所、秩父三十四所
合わせて日本百所巡礼となります。
ここまで広がると、完全に民衆に定着しますね。

七変化
観音様が広く浸透していったのは
半分反則みたいなもんだけど
七変化するから。
あるときは紳士、あるときは警官、またあるときは大富豪
の怪人二十面相みたいですね

十一面観音、千手観音、如意輪観音、馬頭観音等々
姿を変え、全て観音様
合計して観音様としてカウントするとすごい人気です。

斎藤さん、斉藤さん、齊藤さん、齋藤さん一緒にするのと同じです。

今回は、聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)といたします。
聖観世音菩薩とは、七変化する前のベーシックな観音様。
一面ニ臂(いちめんにひ)です。
一面ニ臂とは顔が一つで手が二本。
普通です。

それ以外の観音様は大体、多面多臂
聖観音が変化していくところをみたいですね。
顔や手がニョキニョキっと生えてくるんでしょうね。

見分け方
観音様の見分け方の前に菩薩の見分け方でした。
前回、次回回しにしていました。
おさらいです。

菩薩は悟りを拓ききっていない。
ということで、釈迦がまだ釈迦族の王子だった頃がモデル。
従って色んな装飾品を身に付けています。

豪華ですね
これも人気の秘密かも。
如来の地味さが良いのよ
となるか
仏像の中の美術品的要素を大きく見て
多少は綺麗な方がね
となるか
ひとそれぞれの捉え方ですから。

その中でさらに観音様だけの見分け方で言うと
持っているものとしては蓮の華(れんげ)か、水瓶(すいびょう)水の入った瓶が多い
蓮華は聖観音はつぼみが多く、変化観音は咲きかけだったり満開だったり。

聖観音以外は多面多臂なので
菩薩パターンで顔や手が多かったら、まず観音様と思って良いでしょう。

あと、冠のところに化仏といって仏様が書いてあったら観音様
これは目標になる仏様という事で、阿弥陀如来が書かれている。

シリーズの次回は変化の観音様に入っていきます。