小金井公園の桜まつり

この1週間風邪が全く治らなくて、ぐずぐずしっぱなし

せっかくの週末ですがウォーキングに行くのは無理かもしれません。

素直にカミさんの監視の元の、
はい、そっちもやってね
の丁寧バージョンの掃除

頑張ってやりおえたら
午後4時まで出かけて来て良いよ

何て事でしょう
そう言われると、出かけざるを得ませんね

小金井公園
体調を考えると無理しないよう
近場にいたしましょう
この前、梅を見てきた
小金井公園です

小金井公園と言えば桜の名所
梅と桜、両方見ませんと、
小金井公園に対して失礼に当たりますね

おにぎりとサンドイッチをコンビニで買って
花見へ出発だ

咲いてるぅ
満開っ


お昼を越えてお腹空いてましたので
桜の下でのお弁当タイム
常に持ち歩いている風呂敷はこういうときに役にたちますね

団体さんだらけの大宴会の中
私一人だけ、一人花見

大丈夫
私だって友達いっぱいいますから
今日は、満開の桜が友達さっ

桜吹雪がものすごい
これは吹雪と言うにふさわしい
吹雪の感じが写真でうまく撮れなかったから
ブルーシートに積もった桜ね

さあ、お弁当も食べ終わったので、散策だ




小金井公園の良さは、ソメイヨシノだけではなく
いろんな種類の桜が楽しめること
ピンクの強いのは、まだつぼみだったけど、ソメイヨシノよりちょっとピンクが強いのとか
真っ白なのも綺麗かった。
花びらの大きさや量や形も様々
昨日お話しした、ソメイヨシノのお父さんお母さんのエドヒガンやオオシマザクラもありました
どれがどれだったか。分からなくなっちゃったけど。
改めて桜は奥が深いですね




そして、桜以外の花も綺麗でしたよ


メイン会場のあたりに行くと、もっと人が増えてきて大盛況
桜まつりと称して、出し物や屋台もいっぱい出て
屋台とかも行列しちゃってました。

どこ行こう、そうだ!おでかけマップ

ソメイヨシノを作った男は伊藤伊兵衛?

江戸の理系力シリーズ
田中久重で割り込みしましたが
もう一人割り込みさせてください

タイムリーな話題は追いかけたくなりましてね

伊藤伊兵衛
いとういへえ 遺伝学者 1676~1757

桜といえばソメイヨシノ
それ以外には、ええっとえっと
ダントツですね

でも、ソメイヨシノの歴史って以外に新しい。
江戸の中期になります
染井村の植木屋
染井村は現在の駒込です。

江戸の人は大名から庶民まで、園芸が大好き
それぞれの時期ごとに
朝顔だ、ツツジだ、菊だとその種類を変えながら一大ブームを巻き起こします。

その元々の火付け役が、この伊藤伊兵衛
正確に言うと、代々の伊藤伊兵衛です。

染井には津藩(三重県津市)藤堂家の下屋敷がありました。
初代の伊藤伊兵衛はそのお屋敷の露地掃除人
出ましたっ、露地
茶室に向かう庭園の事でしたね

そこで不要となった庭木とかがあったら

これ、捨てるんですよね
持って帰って良いですか

ええよ

自分の庭に植えて、増やしていく。
元手要らずで、植木屋の開業です。

江戸は参勤交代のおかげで、諸藩の大名屋敷だらけ
他藩に遅れをとってはならずと、庭園を競い合って作りますので
庭園だらけ
でも、明暦の大火をはじめとした、大火が何度も起きるので
すぐに焼けちゃいます。

その度、植木屋さんは引っ張りだこの大繁盛

三代目
三代目は、三之丞と言います
あれっ、伊兵衛じゃないの?
不思議ですよね、伊藤伊兵衛で三之丞

韮山反射炉とか、お台場とかを作った、江川太郎左衛門英龍と一緒ですね
江川太郎左衛門は代々、江川太郎左衛門だから韮山反射炉を作ったのは江川太郎左衛門英龍

三之丞はツツジで大ブームを巻き起こします。
交配して新たな品種を作る
本もいっぱい出して、後の園芸界に多大なる影響を及ぼします。

地下に倉庫を作ってそこで苗を育てることで、咲く時期をずらしたりという技も開発
染井村は他にもどんどん植木屋が増えてきます。
染井村の植木屋は全て、買わなくっても自由に庭を鑑賞して良いってことにするので
園芸の一大聖地となります

政武
四代目は、政武
今度は楓で大ブーム
こちらも本を出して、伊藤伊兵衛の名を確固たるものにします。

とうとう将軍吉宗からお声がかかるまでに

飛鳥山に桜をいっぱい植えてくださいね

はーい

それでは、今日のところはこの辺で。

こ、こらー、でーこん
やっと桜が出てきたと思ったのに、ふざけるな
これから、桜の品種改良の苦労話が始まるんじゃないの?

ソメイヨシノ

お怒り、ごもっともです。
実は分かっていないんです。

ソメイヨシノは、オオシマザクラとエドヒガンの雑種
お母さんの方がオオシマザクラね

一番古くにソメイヨシノが発見されたのは、小石川植物園入口近く
1700と何十年かくらい
吉野桜という名前で染井村から売られていた事も分かっている
桜の名所、吉野にあやかっての商品名。
オオシマザクラとエドヒガンの雑種が、人の手による交配だとすると
この時期に、人工交配が出来る技術を持っているのは、伊藤伊兵衛をおいていないだろう。
飛鳥山に植えられたソメイヨシノも
この時期、桜といえば、山桜の時期に敢えて新参者を採用出来るのは
余程、吉宗から信望の厚かった政武なら可能

どんどん状況証拠が積み上がっていきます

ソメイヨシノは育つのが早いこと、花の量が多いことから
急に人気が高まり、不動の桜のチャンピオンとなります。

明治
時代はドーンと飛んで明治33年
その道の専門家の学者さんたちが集まって
桜について考えよう

このチャンピオンの事だけど
発祥の地は染井村だと思うんだけどどう?

異議なし。 異議なし。

名前だけど「吉野桜」はちょっとまずい気がしますが
そうですね。
本家の吉野山から文句が来そうです。
染井村で異議なしであれば
染井吉野というのではどうでしょう。

異議なし。 異議なし。

学名も「ソメイヨシノ」で登録しちゃいましょう。

開発者は?

そこなんですよ
私としては「分からない」に一票

そうですよね
分かりませんね

一番のポイントは
確かに状況証拠的には、政武をおいて他になかろう
なんですが
あれだけ本を書いておきながら
吉野桜の開発について、全く触れていないということ。

自分が開発したのなら
本で触れないなんて、あり得ます?

万が一、事実が自然交配だったとしても
販売は積極的にやっているから
私です
って言っても、みんなが信じるほどの名声は得ている筈。

不思議です。

やっぱり違うんでしょうか

本当は政武だったと仮定したら、
何故本に書かなかったか、の理由を考えてみました。

1.実は、桜だけの話題を集めた一番分厚い本を書いたんだけど
 出版直前で死んじゃった。あるいは、火事で焼けた。

2.書こうと思ったけど、急に仏様が乗り移り
 自慢話は美しくないと心変わりした。

3.初恋の美代ちゃんとの共同開発だったんだけど
 美代ちゃんが病気で急逝してしまい
 二人の思い出を、自分の中だけにとどめておきたくなった

4.実は、あちこちに書いて、出版もしたんだけど
 誰かが、ことごとくその部分を改ざんした。

恐ろしいですね
証人喚問で、事実を明らかにして欲しいものです。

何年か前にちょうど桜の時期に仕事で駒込に行き
染井吉野記念公園の桜を見ました。
その時の写真は残っていないので
以下は、ネットから

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[江戸の理系力]シリーズはこちら(少し下げてね)

[百人一首]88 難波江の

難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ
みをつくしてや 恋ひわたるべき

難波江の刈られた芦の根の一節のような
短い一夜の仮寝のために
この身をつくしてあなたを愛し続けなければならないのでしょうか

皇嘉門院別当
皇嘉門院別当は、皇嘉門院に使えた「別当」という役職の人という意味
皇嘉門院とは藤原聖子、せをはやみ、のあの鬼になった崇徳天皇の奥さんです。
本名は分かっていません。
かなり活躍した女流歌人なんですが
それでも名前が分からないんですね

今、「課長」とか呼ぶとしても名前分からんて有り得ないけど
当時はおそらく記録に残っていないというだけじゃなく、
自分達も皇嘉門院別当とか呼びあっていたのかな
寂しい

源俊高の娘というのは分かっています。

鑑賞
難波江とは、今は埋め立てられちゃって、オフィス街の真ん中(大阪市中央区)あたりの湿地帯
澪標(みおつくし)とは船が入り江を航行する上での目印となる杭のことで
現在、大阪市の市章にもなっています。

大阪市のみなさん
この札をおはこにしましょうね
なんなら、下の句の札の右上にこのマークを書いておいても良い

この歌は、九条兼実の開催した歌合わせで、「旅宿に逢ふ恋」というお題で詠んだもの
行きずりの旅の、一夜限りの契り

良いとこのお嬢様ですのに、よろしいんでしょうか
そんな破廉恥な

おっしゃっている意味が分かりませんわ
とか良いつつ
ばんばん技巧を駆使します。

難波江に生えている芦の「刈根」と「仮寝」
その根っこの一節(よ)は短いんだけれども
その短さからたった一夜にかける
澪標は「身を尽くし」

愛し続けなければならないのかしら
って、もちろん忘れたって全然良いわけですけど
それじゃ歌になりませんね

ああつらい
つらいけどちょっと嬉しい

女心、分かってらっしゃいます。

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雲のでき方

前回は、ごく導入の部分でしたね
雲を愛する技術

今日は、雲の出来方の話に入っていきましょう。

パーセルくん
できるだけイメージしやすいよう
空気の中で、この辺からこのあたりぐらいまで、同じ温度というところを
空気のかたまりだと考えてみましょう。

専門的にはパーセルと言うらしいんですが
雲を愛する技術、の本では、親愛を込めて
パーセルくんと呼んでいます。

かわいいです。
愛しやすくなりました。

これから、いっぱい出てくるので、ぜひ覚えてくださいね
同じ温度の空気のかたまりがパーセルくんです。

パーセルくんは喉が渇いて、
水分取りたいよう

パーセルくんの中の湿度がどんどん上がっていきます。
この段階ではまだ湿度が上がっているだけで
無色透明です。

湿度が100%に達しました。
でもまだ無色透明
この時点を飽和(ほうわ)と言います。
学校で習いましたね

パーセルくんは欲張りです。
それでも水分を取り続けます
湿度が100%を超えていきます。

嘘つけこのペテン師が。
いえいえ、ちゃんと名前も付いています
過飽和と言います。
あるきっかけがあるまでは、
パーセルくん、耐えます、耐えます。

雲の誕生
あるきっかけとは、種です。
梅干しの種とか、おにぎりの具みたいなもん
目に見えないくらいの小さなチリです。
エアロゾルと言います。

カミさんは見えないよと言いますが
私は花粉症なので、実感実感大実感
おります、エアロゾルさん
無茶苦茶いっぱいいます。

簡単な実験が紹介されていました。
熱々の味噌汁と、火がついて煙が上がっている線香を用意します。
味噌汁の上に線香を近づけるとあら不思議
どっと湯気が増えます。

ここで、私は気づきましたよ
ひょっとして私は頭良いかも知れません。

雲は湯気です。

どうだっ、この理解の仕方
文系はこういう理解の仕方の方が早いです。
雲が白い理由も
雲が浮いている理由も、一発解決です。

飛行機雲って、雲を吐き出している訳じゃなく
エアロゾルを吐き出しながら進んでいる訳ですね

雨へ
この湯気さん、ふらふら動いているうちに、
周辺の過飽和のところから水分を取り込んで大きくなっていきます。

大きさは、半径0.001mmから0.01mm
人間の髪の毛の1/5位の大きさです。

重いよぉ
と落ち始めます
すると、他の湯気さんとぶつかって
加速度的に大きくなってきます。

1mm位になってくると、雨粒(雨滴)と名前を変えましょう
0.5mmのシャーペンの芯の4倍の直径

この頃になるとかなりのスピードで落ちてきますので
空気抵抗をガンガン受けます。
スカイダイビングの時、ほっぺたペチャッ、って感じ
おまんじゅうの形になります。

絵本とかに描いてあるしずくの形は、嘘なんだけど
ロマンを壊すといけないので、子供たちには内緒ね

時には、空気抵抗の力が強いために
体がちぎれちゃったりします。
いかん、ロマンが!

そうなるとまた体が小さくなるので
スピードが急に遅くなります。

上から来た雨は大変
コラー!
急ブレーキかけるなー
キューーーッ ドーン

くっつく場合も、衝撃でさらに細かく別れる場合もあります。

そうやって雨たちは出会いと別れを繰り返しながら、地上まで達するんです。
ロマンだなあ。
詳しく書くと、こんな出会いと別れです。


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[雲]シリーズはこちら(少し下げてね)