山田さん、吉田さんは努力のたまもの

名字シリーズ、以前、田中さんは紹介しましたが
今回はそれ以外の田がつく名字です。

漢字
名字に多く用いられる漢字ベストテンをご紹介しましょう

1.田
2.藤
3.山
4.野
5.川
6.木
7.井
8.村
9.本
10.中

だいたい、成る程なと想像の範囲内ですね
藤を押さえて田が堂々の一位

元々、名字が出来た理由が、田んぼに付けた名前な訳です
日本のは稲の国
田が一位に来るのは当たり前。

でも、当たり前とだけ言うには
失礼かと思うんです。

名字ベスト
名字のベスト50
色んな統計が出ていて、微妙に順位が違います。

村山忠重さんの「苗字館」からの引用によりますと
田がつく名字の中でのトップは田中さん。
全体で4位

田中は、田の中心、本家本元の田であり
その地域その地域で、ここから始まったんですよ、という場所。

となると、新たに開発していった田、
例えば、新田さんだの、方角から命名した西田さんだのが続いていく筈

見てみましょう。
田がつく苗字で次なのは全体11位の吉田さん、
さらに次は、全体12位の山田さん

山田さん
先に山田さんから行きましょう。

ここに日本人の田んぼ開発への努力が見えると思います。

作りやすいところから田は作りますよね
田中さんの周辺に出来た筈

何で山?
そんなとこにまで、って。
日本は山国だから、
結果として、山の田んぼも多くはなるだろうけど
山田さんの苦労はどれほどのものだったか。

吉田さん
それに比べて吉田さんは、作りやすいところに作られた
こりゃ良い田んぼ、で、よし田さん?

いえいえ、そうじゃないんです。

全く無いかと言われると
良い田んぼという吉田さんもいないではないんですが
どちらかというと違う意味合いの吉田さん

葦(あし)の生えているような田んぼ。
沼地の田んぼなんです。

そのままの読み方で、芦田さんもおられますが
あし、は悪しに繋がるとして嫌われた。
文字だけでも逆にしようということで、よし、と言った

ほんとのことでいうと、
あんまりよくない田、なんです。

そんな、田にも誇りを持ち、努力の末に
本当の吉田に変えていった。

日本人の努力
田中さんの次に吉田さんと山田さんが続いていくというこの事実。

努力家ですね
吉田さんと山田さん
日本人。
ご先祖様

お陰さまで、今私たちはここにいます。

名字で色は黒白赤青だけ

「少しかしこくなれる名字の本」を読みました。

前、コンビニで3冊本を買ったといったうちのひとつです。

今後、名字の話をするときは
こちらの本での話も組み合わせていきます。

その中で、とてもビックリしたことが書かれていましたので
今日はその話。

名字の色
なんとなんと
名字に使われている色は
黒と白と赤と青しかない

えええっ。
大興奮です。

そんな馬鹿な!

ちなみに、茶のつく名字は色ではなく、お茶に由来しているそうです。

で、その理由がまたすごい。

平安時代までは、色はその4つしかなかったから。

黄も緑も紫も茶色も無かったと。

黒と白はまあ分かるとして
それ以外の色は
赤に近いと全部赤
青に近いと全部青
で、4つだけと

そんな無茶苦茶な事が書いてあります。

ほんまかぃ

ここで、大きな疑問。
聖徳太子の冠位十二階ってありますよね

あれ、位に12個の色が割り当たっていて、と習った
少なくとも12個は色があったはず
確か、紫が一番偉い人だったような

調べてみました。
またまた、衝撃。

ネットで調べただけですけど
なんと、色については資料が残っていない。
推測です。
と書いてある。

教科書は適当に考えた説を採用していたということです。
金返せー

例え、12色で分けられていたとしても、確かに
色の名前がついていたとは直接は繋がらないかもしれない。

一番位が高い筈の、濃紫は
赤と青の真ん中の濃いやつ
と呼ばれていた可能性だってある

現に、名字には4つの色しかないと言われると
本当にそうかもしれない

日本語は色の名前が世界一多いんだと思っていたのに、
それは、後々の話で
最初は4つだけだったのか。

ショック。
今日は寝れるだろうか

村上春樹
もうひとつ、泣きそうな位になったのが、
村上春樹大先生のこと。

全作品を読んだわけではないので
ファンと言うには、本当のファンに怒られそうですが
とても好きです。

早くノーベル賞ちょうだいよ
しびれきれました。
今年こそ。

最近、ニュースでも大きく取り上げられた
村上春樹の新作。
っていっても結構前か。

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
発売当日、本屋で大行列でしたね。

私は、そこそこ本は読む方ですが、
小説ってほとんど読まない。

長女は、小説家になりかけた位ですから
速読もでき、膨大な量の小説を読んでます。
長女に小説の論評なんてさせた分には
えらい専門的すぎて何言っとるか分かりません

この時も、話題だねと言うと、当然読んでいて。

どうだった?
と聞くと大変なので
面白かったよ
とだけきいた

長女が言うことは間違いがない。

貸して

読んだら、ビックリした。
予想以上だった。
余韻がいつまでも残る作品。
はっきり言って、いまだに余韻がある。

若いとき、5人の仲良しグループだった。
主人公多崎つくる以外の4人はみんな名字に色の名前がついていた

赤松、青海、白根、黒埜
自分だけ色がついていなくて、というところから小説が始まる

うおーーっ

4色だ。

実は、緑川というのと灰田というのも、出てくるには出てくるんですが
まあ、良いじゃないですか。

先生さすがです。
おそらく、この事が分かっていて、
この小説をそもそも思い付いたのかもしれない。

何かが繋がる瞬間って、ビビビって電気が走る。
名字には4色だけ、って見た瞬間に
走りました。走りました。
そしてまぶたの裏が熱くなりました。

名字はほとんど大和言葉

君は覚えているかしら
あの白いブランコ
風に吹かれて二人で揺れた
あの白いブランコ
日暮れはいつも淋しいと
小さな肩を震わせてた
君に口づけした時に
優しく揺れた
白い白いブランコ

大和言葉
この白いブランコの歌詞。
全て大和言葉で出来ています。

大和言葉って何って定義は
色々あるんでしょうけど
一番ざっくりと分かりやすいのは
漢字の訓読みは大和言葉。

中国から文字が入ってきて、
何、この文字っての
むくちゃくちゃ便利!
ってなったけど

それまでだって、日本には文字はなくても言葉は存在していたから
例えば
白(はく)
って何よ。
ああ、しろの事ね

じゃあ、白を
はく、とも、しろ、とも読んで良いことにしようよって
その時してくれなければ
大和言葉は完全に死滅しいたはずですよね

逆に言うと、白をしろだけにしなかったのもえらい
音読みでも訓読みでも良いってなって
一気に日本語は二倍豊かになった。

外国語をそのまま受け入れつつ、
常にそれを翻訳しながら使っちゃう
何てすごいんだ
昔の日本人。

白(はく)がなければ
私が子供の頃に開発した
あの、友達の中でだけ超有名な白痴ジャンケンも
存在していなかった訳です。

話を戻して、白いブランコ
あの優しい世界観を実現するには
全て訓読みにする必要があった。

何だか、漢字って
音読みが主導権取っているイメージがあったから
本でこの事を知って
何だか嬉しくなった。

訓読みだけで歌詞って作れちゃうんだ。

実は、そう珍しい話でもないらしい。

訓読みだけの歌詞って他にもいくつでもある
探してみたら面白いかも

上を向いて歩こう
涙が溢れないように
泣きながら歩く一人ぼっちの夜

見上げてごらん夜の星を
小さな星の小さな光が
ささやかな幸せを祈ってる

名字
で、今日の本題
名字ってほとんどが
訓読みなんです。

佐々木に始まって
(そんなとこから勝手に始めるな~)
鈴木さん、田中さん、高橋さん・・・

残念ながら
藤原さんが増えすぎて
仕方なく加賀の藤原さんを加藤さん、
近江の藤原さんを近藤さんという風に分けた
藤さんファミリーは
結果として音読みになっちゃったけど
元が藤原の訓読みなので、許していただきましょう。

えっ
と思って、全国名字ベスト50を調べてみました。

何と
藤さんファミリー以外は
実に100%訓読みでした。

やったぜ
(何がよ)

ちなみに
漢字の音読みについては、
過去に研究の成果についてアップしたことがあるので
よろしければ、それも読んでね

漢字の音読み


https://smcb.jp/diaries/6360434

小林さんは小さな林?いえいえ

今回は林のつく名字

小林さん
小林さんって小さな林があったんでしょう?

普通、そう思いますよね。
そういう、小林さんも絶対いないかと言われると多少いるんだけど
あくまでも少数派。

多数派は「おはやし」に由来する小林さん
漢字で言うと「お囃子」もしくは「小囃子」

神楽などで、楽器を担当する人を「囃し方」という。

お祭りとかでの盛り上げ役。

いよっ、あっぱれあっぱれ

楽器で神様と人とを結び付ける

御林
次に多い由来が、御林。
これも神様がらみ

神は木に宿るとされていたから
聖なる植え込みを御林と呼んだ。

そのまま、御林とすれば良かったんでしょうけど
自分の名前に御を付けるのもなあ
と、小林に字を変えた。

まあ、控えめな。

鎮守の森
林を開墾して、農地にした場合
全てをまっ平らにしちゃうんじゃなく
多少、木を残す。
神様が木に宿るからですね。

そういった残した木は、鎮守の森と言ったりもするけど
古林とも言う。
そのままの古林さんもいるけど
そこから転じての小林さんというケースもある

林さん
じゃあ、林さんは?

林さんも小林さんと似た感じ。

古くは、拝師、と書かれた林さん。

やっぱり盛り上げ役です。

何にも無いところを盛り上げるためには
木を植えるのが一番ってことで
植えたんだけど、
その木がだんだん増えていった。

それを林と呼ぶようになったわけで

囃子、の方が実は早く
その音が林に転じていった。

人をたてる
盛り上げるってことは、人を持ち上げるってことなので
自分は目立っちゃいけなくて
あくまでも謙虚。

林のつく名字の中で
大林さん、中林さんを押さえて
圧倒的に小林さんが多いのは
謙虚さのあらわれなんだという。