日本庭園の、垣(人工の垣)

庭園シリーズ、垣(かき)にまいります


庭の境界を決めるための囲い
垣の語源は「かぎり」
人工の庭園と自然を区別し
庭を見たいと言う気持ちを焦らせて高める演出効果もあります。

生垣(いけがき)と人工の垣に大きく分けられます。

人工の垣
色んな素材はありますが、一番一般的なのは、竹垣

この竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけた

生まれてこのかた、一度たりとも言えたことはありません。

竹垣に竹立てかける行為だけは、絶対にしては行けませんね
舌を噛みきって死んでしまいます。

この早口言葉、あるアンケートで、二番目に難しいとランクイン。

映えある一番は

かえるぴょこぴょこ3ぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこ6ぴょこぴょこ

竹垣はさらに、向こうが見える透かし垣と
見えない遮蔽垣に分かれます

透かし垣
■四つ目垣(よつめがき)
色々デザインがあって
一番簡単でメジャーなのは、四つ目垣
丸太を立て、その間に竹を縦横に渡し、すきまを四角にしたものです。
最も一般的です。
見た目は簡単な竹垣ですが、いろいろな崩し方があり、味わい深い垣根です。


昨日行った、庭園美術館の庭園もこの四つ目垣がありました。

■龍安寺垣(りょうあんじがき)
菱形です。
高さを押さえているのがとてもかっこいい

遮蔽垣
今度は、遮蔽垣の代表的なもの
■建仁寺垣(けんにんじがき)

竹を割ってびっしり重ねる
向こうは見させんぞ

■銀閣寺垣
縦に短めの建仁寺垣を石垣の上にセットすると、銀閣寺垣

これもまた、趣がありますね

■沼津垣

沼津恐るべし
なんてかっこいいんでしょう

袖垣
建物にくっついて、ちょこっと出ている垣
用途というよりは、デザインなんでしょうね
これぞ日本庭園!って感じがします。

■角袖垣(つのそでがき)

龍安寺垣のような菱形があったり
竹穂と呼ばれる細い竹の枝がいっぱいほうきのようになっていたりと
かっこよさ満載です。

■玉袖垣(たまそでがき)

さらにひとつの角を丸めて、装飾性アップ
あるある。見たことある!って思いますね

作ってみたい!
と思われたあなたに
角の曲げ方をご説明いたしましょう
曲がる側に切れ込みを入れて、ぐぐぐっ

面白そうっ
今度の週末、挑戦だっ

でも、油断大敵
ここから、さらにその上にカバーをします。

うおおっ、難しそうっ

今度の週末、ちょっと用事が・・・

以上、竹虎さんのホームページから
https://www.taketora.co.jp

■片袖垣枝屋根付(かたそでがきえだやねつき)
これでもかっ、て感じですね。高そうです。

■光悦寺垣(こうえつじがき)
これも曲線の美ですね

索引はこちら
[庭園]シリーズはこちら(少し下げてね)


シュウメイギク

花カレンダー始めました

庭園の植木あれこれ

庭園の植木で、松の話はしましたね。
庭園の植木。特に重要な松

松以外の植物は?
あまりにも種類が多くてなかなか一言では難しい。
手入れが難しいのは敬遠されるので、巨木になってしまうものは避けられるが
それ以外では、「ありとあらゆる植物」としか言えない

時代による変化
そんな中で、時代による変化というのがある
日本の植物が時代によって変化するから。

感覚的には面白いなあ、と思うんだけど
我々は、日本庭園を見て感じるのはノルタルジーで
ビルばかりを見飽きた日常から解放されて
ああ、癒されるぅ

どうも、昔の庭園はそういう事ばかりじゃなく
日頃見慣れている植物じゃなく
目新しい植物を見て
何あれ
見たことないわ
エキサイティング!

すなわち、外国から入ってきた植物をいち早く取り入れ
話題を作り、流行になっていく牽引役

前回お話しした松はスーパーヒーローなので、
古代から現代まで継続して愛好されていますが

平安,鎌倉時代にはサクラ,ウメ,カエデ、シダレヤナギといった落葉広葉樹、
室町時代にはマキ、ビャクシン、カラマツなどの針葉樹
安土桃山時代にはカシ、カナメモチ、ヒサカキのような常緑広葉樹が好まれ、
江戸時代にはこれらすべてが使用されるという具合になっています。

梅と桜
個人的に一番興味あるのが、梅と桜

百人一首みたいな、和歌の世界を見ていくと
花、とだけいうと、昔は梅の事
それがいつの間にか、桜の事に変わっている。

同じ歌でも、読む資料によって
ここでいう「花」とは梅の事です、と書いてあるのもあるし
桜を前提に解説してあるのもある
正直に、「解釈が分かれます。分かりません」と書いてあるものも

いつ頃から、花が桜になったのか、気になって気になって。

「日本庭園と風景」の本によると
神泉苑という庭園で、平安前期
「日本後記」弘仁3(812)年2月12日に
桜の花を見ながらの酒宴が催された記述がある
その時は「花」とだけ表現されており
花と言えば桜に決まってます、となっていた可能性が強い。

結構、思っていたよりは早いかも知れません。

芝生
一番意外だったのは、芝生

芝生って、明治維新のあと、西洋庭園が入ってきて
それから広がったと確信していました。

それまでは、緑を敷き詰めるには、苔しかなかったと。

先ほどの「日本庭園と風景」の本に、こんなふうに書いてある

平安時代から使われていた芝生は、
江戸時代の回遊式庭園でも、岡山の後楽園に見られるように
別荘の御殿の前面などの広い場所に張られてきたが
明治時代の洋風庭園に導入されてから
公園の広場にも用いられるようになった。

えええっ、平安時代?
イメージが全く沸きません。
ショック!
立ち直れそうにありません。

索引はこちら
[庭園]シリーズはこちら(少し下げてね)


ホトトギス

花カレンダー始めました

庭園の植木。特に重要な松

庭園シリーズ

庭園には欠かせない、重要な要素、植物を見ていきましょう

植木
まずは植木から

常緑広葉樹、落葉樹、針葉樹、竹笹類、をどう組み合わせていくか

大自然を切り取ってコンパクトに象徴化する日本庭園では
コンパクトに扱いやすい木が好まれます。
公園だと、大きく成長する木でも良いんですけどね

演出効果の高いものが選ばれることになります。
四季おりおり、って事が特に重要

春は、梅と桜
夏は涼しげな竹林
秋はイロハモミジを中心とした紅葉
冬は純白の雪がはえる松


中でも、最も重要視されるのが松
日本庭園と言ったら松
松竹梅で最も位が高い訳ですから。






あの枝ぶりは、他の木にはなかなか出せません。
盆栽でも松が中心ですね

意味的にも重要で
不老不死の象徴
寿命が長く、色が変わらない。

月との相性が良いのも松
月も何度も永遠に満ち欠けを繰り返すから、不老不死の象徴
松越しに月を見て観月を庭園で楽しむ。
月を見るのに都合の良い、東南に松が多く植えられます。

また、池が海をイメージするということになると
やはり海岸での松ということになる

索引はこちら
[庭園]シリーズはこちら(少し下げてね)


ノゲシ

花カレンダー始めました

日本庭園での一番の大物。築山

日本庭園での色々な要素を見て参りました。

石がらみを一通り終えたので、いよいよ一番の大物に行きましょう。

築山
山です。
池は海を表していたので、次は山が必要です。
庭園にある山は基本的には「築山」(つきやま)と言います。
徳川家康の正室は築山殿でしたね

全部築山でも悪くはないと思うんですが
傾斜が緩やかなものは野筋(のすじ)と言って区別する場合があります。
傾斜が急であれば、荒々しいイメージになり、水の流れも激しくなる
野筋だと、落ち着いた感じになり、水の流れも緩やか
それぞれで、石組みも変えて、築山ではゴツい感じ、野筋では落ち着いた感じにします。

なぜ庭園に山を作るかは、そりゃ山は必要でしょ、と説明するまでもないですが
実用的な意味もあったりします。
残土処理です
池を掘って出来た土を一ヶ所に盛り上げる。

信仰的にも意味がありますね
元々日本では山自体が神様。

仏教が興ったインドでも、
仏教のみならず、ヒンズー教等々のインドの全ての宗教に統一的な世界観として
世界は「須弥山」(しゅみせん)という山。

神仙思想においても蓬莱山は不老不死の象徴
ただ、これは池の中にある島でなければ意味ないかも

色々
都立9庭園でも色んな築山があります。
一番大きいのは六義園の築山で、藤代峠という名前がついています。

庭園はなくなっちゃったけど築山だけ残っているのがこの前行った、戸山荘の箱根山

おそらくその次に大きいのが、小石川後楽園の小廬山

この三つがいずれも富士山でないところが面白いなあと思う。

都立9庭園の築山で富士山となると3つ
浜離宮恩賜庭園

旧芝離宮恩賜庭園

清澄庭園

富士山と言うことになると、この前お話しした富士塚になりそうだけど
富士塚は主に、神社の中にあって、庭園の中にあるのとは位置付けが違う。
おそらく、東京の庭園は元武家屋敷だったところが多いので、一般庶民は入れない。
富士塚は、一般庶民が組織した富士講の象徴ですからね

池泉回遊式庭園は、池の周りを巡って色んな場所から池を見て、違った景色を楽しむ。
その中で、一番圧巻なのは、高いところから池全体を俯瞰で見渡すってところ
先程あげた都立9庭園もやっぱりそうです。

六義園の藤代峠からの眺めは何物にも変えがたい

馬鹿と煙は高いところに登りたがるって?
はい
だーいすき

索引はこちら
[庭園]シリーズはこちら(少し下げてね)


クリナム

花カレンダー始めました