[迷信]ハーメルンの笛吹き男

「科学で読み解く迷信・言い伝え」から

ハーメルンの笛吹き男
13世紀末のドイツの片田舎の町で、謎めいた事件が起きた。
130人近い子供たちがこつぜんと姿を消した。

ハーメルンの笛吹き男伝説として語り継がれてきた有名な逸話ではあるが、
じつはこの事件の詳細はまったくわかっていない。
後世の学者たちがさまざまな説を唱えてはいるが、
子供たちが姿を消したという事実以外は謎のまま残されている。

それでも科学的にこの事件を解き明かそうとするときに核になるのが、
伝説の中に埋め込まれているネズミの存在だ。
伝説の中身はこう。
ドイツのハーメルンという町に、カラフルなつぎはぎ衣装の「まだら男」がやってきた。
町全体が悩まされていたネズミの群れを退治する仕事を引き受けたそのまだら男は、
笛を吹いてネズミを集め、そのまま川に誘導しておぼれさせた。

ところが、町の人々は契約を破って報酬を出し渋り、
まだら男を町から追い出してしまった。
後日、別の服を着て現れた男が再び笛を吹くと、
今度は町中の子供たちが男の後について歩き出した。
そしてそのまま町の門を出て、山の方に向かって行き、二度と町には戻らなかった。

なぜネズミ退治の男だったのか

当時の社会において、ネズミは多くの災いの原因になる害獣だった。
なかでも伝染病を媒介するという性質からネズミの駆除は重要な問題で、
それをなりわい生業にする専門業者も現れたまだら男は
ネズミの駆除を請け負う専門業者だった可能性が高い。

伝説に含まれるモチーフが意味を持つと考えれば、
まだら男がネズミ駆除業者として描かれていることも、
そもそもの発端がネズミであることも意味があると考えられる。

中世の伝染病で恐れられていたもののひとつが、ペストだろう。

黒死病とも呼ばれたペストは、ネズミを通してノミやシラミに感染し、
そこから人に伝播していくとされている。

ヨーロッパでのパンデミックでは、ヨーロッパの人口の3分の1が亡くなった。

ハーメルンで子供が消えた事件が発生した当時、
ペスト菌の存在はわかっていなかった。
ペスト菌は1894年に北里柴三郎博士らによって発見され、
ネズミなどのげっ歯類に寄生するノミによって媒介されることが判明している。
しかし、伝説や絵の中にネズミがいるという事実からは、
当時の人々の間で「人間が大量に姿を消す出来事にネズミがかかわっている」というコンセンサスが成り立っていたのだろう。

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[迷信] 満月の夜にはオオカミ男が出る

「科学で読み解く迷信・言い伝え」からのシリーズ、外国の迷信編

オオカミ男
体中を毛が覆い、月を見ると牙が生え、鋭い爪が伸びて、オオカミのような遠吠えが響く。
オオカミ男と聞いて多くの人が思い浮かべるのがこのイメージだろう。

一見ふつうの人間が満月の夜にオオカミに姿を変えるオオカミ男伝説は、ヨーロッパを中心に世界各地に残っている。
各地に同じような話が残っている以上は、その原因となる事象が存在すると考えるのが自然だが、そのひとつとして有力なのが先天性の多毛症という遺伝子の異常だ。

多毛症
多毛症は、体中の体毛が過剰に成長する症状を引き起こす。
遺伝子の異常によって起こる先天性の場合は治療法がいっさい存在しないが、発症はきわめてまれで、中世から現在まで50例ほどしか報告されていないという。
重度のものは腕や脚などに限らず、顔面すら体毛に覆われてしまうため、
遺伝子異常という概念がなかった時代には不吉なものとして虐げられたり、
サーカスなどで見世物とされていた。

多毛症のことを「オオカミ男症候群」と呼ぶこともあり、
オオカミ男伝説との関連は明らかだ。
わけもわからないままに多毛症の人を見た人々が、
そのイメージからオオカミ男伝説を生み出したことは想像に難くない。

狂犬病
さらに、オオカミ男伝説を生み出したもうひとつの原因と考えられるのが、狂犬病だ。

狂犬病は現在でも致死的な感染症で、
感染した犬は凶暴性を増し、人間などを襲う。
襲われたときはケガですんでも、傷口からウイルス感染することで、
救命は不可能という最悪の感染症のひとつだ。

犬のほかにもネコやアライグマ、コウモリ、キツネなどの動物が媒介するが、
人から人への感染のリスクはない。
2017年の時点でも、狂犬病は日本、オーストラリア、イギリス、ニュージーランドなど一部の国を除いた世界中で報告されている。
狂犬病を発症した人間は、光や音の刺激に過敏になって異常行動を示す。
興奮状態におちいって攻撃的になり、舌を出し、よだれを垂らして、
最後には歩行不能、昏睡状態になる。
その様子を目の当たりにした人々が、オオカミ男のイメージを作り上げたのだろう。

きわめてまれな先天性の多毛症に対して、狂犬病はけっして珍しい病気ではなかった。
1500年から1700年までに3万件もの目撃情報があるというオオカミ男の正体としては、
狂犬病にかかった人間のほうがしっくりくる。

オオカミ男伝説は、特異な遺伝子異常と身近な感染症の両方が合わさって作り上げられた伝説だと考えられるのだろう。

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[迷信] 人気のない山奥に雪男が生息している

「科学で読み解く迷信・言い伝え」からのシリーズ

雪男
世界各地の雪山には雪男伝説が残されている。

もっとも有名なのは、1967年10月20日にアメリカのカリフォルニア州北部ブラフ・クリークという場所で撮影されたとされる16ミリ動画「パターソン・ギムリン・フィルム」にとらえられたビッグフットだろう。

カラーで捉えられたビッグフットは、全身が赤茶色あるいは黒色の毛で覆われている、身長2~3メートルの巨大な生物とみられる。全部で954フレーム、1分足らずの時間の中で、
ビッグフットはしっかりとした足取りで2足歩行し、深い藪の中に消えていった。
のちの調査の結果、捏造の証言が出てきたため、このフィルムは撮影者であるロジャー・パターソンとボブ・ギムリン2人によるイタズラであったという結論に落ち着いている。

しかし、それでも「このフィルムは本物だ」「これはニセモノだったとしても、巨大生物の存在までが否定されたわけではない」と考える人は一定数いる。

ビッグフットの他にも、イエティ、雪男など、呼び名はさまざまだが、人が立ち入ることがない山深い雪原に残された大きな足跡、木に絡まった体毛、目撃証言などから、その存在はミステリー愛好家たちの興味を惹き続けている。

そんな中で、巨大生物の存在を科学的に検証した人物がいる。
2012年、オックスフォード大学のブライアン・サイクス博士によって
イエティの体毛とされる標本の遺伝子解析が行われた

ホッキョクグマ
イエティの体毛とされるいくつかの標本から抽出されたDNAは、
2004年にノルウェーの北極圏で発見された12万年前のホッキョクグマの骨の遺伝子と
特徴が一致した。
比較に用いられた標本はインドやブータンで発見されており、
それぞれの地で少なくとも12万年前のホッキョクグマの子孫が生きていることを示唆している。

ホッキョクグマはそのほとんどが北極圏沿岸に生息する世界最大の陸生肉食獣。
流氷の海にもぐってアザラシやペンギンなどを捕食する

ところが、イエティの体毛としての標本が採取されたのはインドやブータンなどの高地
当然海はない
となると、氷河期に他のクマから隔離され
独自の進歩を遂げつつ、子孫を今に繋げているということになる

「雪男」という人間に似た生物の謎というより
別の観点の生物学的進化の謎に一気に取り変わった感がある
極めて興味深い研究結果である

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東京農工大学、科学博物館。ええっ動くの?

昨日は練塀と増上寺のウォーキングイベント
今日、土曜日は自動車の法定点検、13:00からです。

カミさんがお休み
ってことで、掃除はとても丁寧にやる必要があります

来年から始まる、カミさんが休みの「恐るべき週末」の予行演習となります

朝から掃除をして、終わったのが9:40頃
カミさんは、第2の仕事、第三者評価っていうのを家でやっています

さあ、じゃあ、法定点検行ってくるわ

ええっ、もう行くの

うん、早めに行かないとね

車屋さん行くのに、帽子被っていくんだ

それは寒いからよ

晩御飯の準備までには帰ってきて、ちゃんとやってよ

はーい

東京農工大学、科学博物館
車屋さんに直行する訳ありませんね
法定点検という事実があるので、カミさんに気づかれず(?)お出かけできました

13:00までの3時間。
車で行けて短時間
GoogleMap に「行ってみたい」マークがついているここだ

短時間で、との条件から割り出した場所なので
正直、それほど期待はしておりませんでした。
東京農工大学さんごめんなさい
散々色んな博物館に行きましたが、結論から言いますと
今まで行った博物館の中でベスト1
ビックリ仰天、驚天動地でございました。

途中から無茶苦茶紙面を取ることになると思いますので
前半は飛ばし気味に行きます

ロボット小太郎君

学生さんたちが織物をおっている機械

遠藤章教授の各種大発明


東京農工大学は元々養蚕からのスタートらしく、
このあと、繊維がらみの展示が多くを占める



和田英の富岡日記をシリーズでやったので
製糸にはとても親近感がある
和田英の富岡日記、やっぱり有名なのか
[富岡日記]2 神様お願い
[富岡日記]3 盆踊りが思わぬ方向に。
[富岡日記]4 やはり七粒も八粒もお付けになりましたか
[富岡日記]5 郵便とやらで手紙を出したら
[富岡日記]6 二日目からダウン
[富岡日記]7 頑張る理由。横田家の無念
[富岡日記]8 後ろ指さされないため

おおっビックリした
後ろに女の人が座っていた

「めくって探そう、繊維のチカラ」って書いてある

ええっ、良いんですか
いや、あかんと思うんだけど
絶対あかんと思うわ
大分悩んだあげく、ブラウスの裾をちょっとだけめくってみた
何かがあるように思えない

ええっ、スカートの方にも同じように書いてある
えっ、それは、いくらなんでも、あかんのと違う?
逡巡したあげく、
ちょっとだけ、ほんとにちょっとだけ、スカートの裾をめくる
うーん、特に何もないなあ

椅子に貼ったシートにも同じ札
ここでようやく意味が分かった
なんだ、このカード自体をめくって説明を見て、ってことね

おじさんをからかわないで~

ガ、ガラ紡?
おおおっ
が、臥雲辰致(がうんたっち)やん
俄然テンション爆上がり



どういう事かというと
歴史検定2級の勉強をしているときに出てきた
日本初の紡績機械「ガラ紡」という機械を発明したのは、臥雲辰致(がうんたっち)
機械の名前も発明者の名前もユニークだったので覚えやすかった
まさか、その歴史的な機械にこの場で会えるなんて感激

製糸の機械
かなり大がかりになってきた

これって何だろう。
糸を組み合わせるんだろうけど

そうこうしているとき、初老のおじさんが現れた
さっきの色んな色の糸の機械の横にあるハンドルを回し出した

あれ? ひょっとしてここの博物館の人かな

これ、動くんですか?

そうですね。ここを回してもらえれば

来ました、ハッピータイム
私は博物館ではそのテーマについて楽しそうに話してくれるスタッフの人と話すのが大好き
ハッピータイムと呼んでいます。

ここから、至上最高のハッピータイムが始まることになります

これがね
こう来たあと、Uターンするんだよ

ええっ、どういう意味ですか?

回しますよ。良く見ていて下さいね

うわっ。となりに移りました
舞踏会みたい

回させてもらっていいですか
ほんとだほんとだ

だから、出来上がった紐が平らになるんですよ

こっちの方は同じところでグルグル回るだけなので
出来た紐が丸くなる

ちょっとすみません。動画録りたいんで回していただいてもよろしいでしょうか

同じ色の糸巻きが横に横に移動していっています
※後でガラ紡と一緒に動画にしていますので見てね

いくつかの種類の機械を動かせていただいて感激
せっかくなので、さっきの製糸の機械についても質問してみた

どこに繭を置き、どういう風に糸になっていくか
どうなったときにどこから次の繭が送り込まれて、とかを細かく教えていただいた

すごく分かりやすい説明

こっちのガラ紡すごいですよね
歴史の勉強しているときに出てきましたよ、臥雲辰致(がうんたっち)
その機械が見れるなんて

これは、さっきのと違って綿ですので

木になる綿花の綿ですね。あっほんとだ。
繭じゃない。良く分かっていませんでした

綿をこの丸いところに入れましてね
端をこう引き上げてこれだけの量を一気に糸にしていく画期的なものです
それまでは糸巻き機で一つ一つでしたので。
この丸いところも回るので、糸がよれて上がっていきます

ええっ、ちょっと待ってください。ここも回るんですか

はい、動かしてみますとね

えええっ、動いた
動くんですか、歴史的なこの機械が

大感激

いやあ、ほんとにビックリしました
感激です。本当にありがとうございました

ほかも色々見て帰ります

ええっと、あと何があるのかな
一階か

一階に降りてみると、さらに大きな機械が色々置いてある
うわあああっ
こりゃすごいぞ

と、奥のドアからさっきのおじさん

あら、先ほどは

先ほどの感動はほんの序章に過ぎなかった
続きは次回

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