TenQは.9じゃなく10割

宇宙ミュージアムTenQに行ってきました。

1800円と高めではありますが
それだけの値打ちは十分ありました。

最初は、はじまりの部屋
ここと、次のシアター宙は映像なので撮影NG
仕方ないので公式ホームページから画像を引用します。

このあとの紹介動画を見ていただくとある程度イメージが分かるかとも思います。
四角いブロックが組み合わされたような壁と天井に
映像が展開されていきます。

シアター宙
これもネットから画像を引用


どでかい円形スクリーンを周りから覗き込むスタイルなんですが
その映像の美しさたるや、この世のものとは思えません。
3つのパターンがあるようなのですが
今月は、ラッキー。太陽系の惑星です。
宇宙シリーズの宇宙の歩き方やってて良かった。
ある程度分かります。
ハイハイ、土星の輪っかはこうだよね。
ここに、オーロラ出るよね

でも知識と映像は大きく異なっていて美しさにうっとりしました。

一番感動したのが、土星の探査機、カッシーニが
全ての役割を終え、土星の大気圏内に突入して燃え尽きるところのナレーション

カッシーニの最期は、土星とのお別れのキス

紹介の動画がこれ

余りに美しさに、全部終わったあとのショップで聞いてみました。

あのシアターの映像ってDVDかなんかで販売していないんでしょうか

済みません。
あの大スクリーンで見る前提での映像なものですから

ですよね
もう一回金払って見に来てくださいって事ですよね

はい
またお越しいただけるのを楽しみにしています。

サイエンスの部屋
ここからは撮影OKです。

いろんな情報てんこ盛り


出たっ。イトカワ

一番ホットな火星探査機パーサヴィアランスからの情報も続々
つい先程、パーサヴィアランスから届いた映像です。みたいなのもどんどん流れています。

パーサヴィアランスについては、こっちも読んでね
[宇宙]火星探査機はとても可愛い頑張り屋さん

その火星がここだ

面白かったのがこれ

お兄さんに色々聞いてみました。
平日しかやってないらしいんですが、ガラスから向こうの部屋が東京大学
そこで、東京大学の人たちが火星の研究をしている。

火星って、地球と比べて現在、火山活動がほとんど行われていない。
とするともう変化することのない活動を終了した惑星だろう、というのが定説
でも、そこに東京大学さんが疑問を投げ掛けている
ホント?まだ活動しているんじゃないの?

なぜそう思ったかと言うと、2年前の画像と違うところがあるのを
東京大学宮本研究室が発見したから

もっと調べるともっと違うところが見つかるかもしれない。
探すのを手伝ってちょうだい、と、そういうこと
すごいですよね
このお手伝いで、火星研究がどーんと進むかも知れません。

次の部屋はゲームとかもできる子供も大喜びの部屋

アストロボールというのに挑戦してみました。
手元のタブレットに表示されているカーソルをグリグリやるとボールが自由に動かせる。

下からボールを坂道を登らせ
道をうまく通らせて向こうの穴に入ればゴール

えいっ
あら落っこっちゃった。

制限時間ないなら何度でも大丈夫です。

いけっ

いけっ

タイムオーバー
残念

イエスノー選択で、自分にあった探査機を探す

私に合うのはこれでした。

さきがけだって。こりゃうれしい。

楽しい小ネタが色々あるコーナーが面白かった


いっぱい写真撮ってきましたので
今度、宇宙シリーズちょっと復活させて、
小ネタ紹介していきますね

コトバリウム
宇宙飛行士の言葉とか、宇宙に関わる言葉がいっぱい映像で流れるコーナー
有名どころではこういうのがありますね

こんなのも

一番気に入ったのがこれ

TenQ は.9だから、9割方って事だけど
いえいえ、私の満足度は10割でございました。

[天体]シリーズはこちら(少し下げてね)

[人類]11 なぜ3万年前の祖先はそうまでして海を渡ったのか

[人類]1 日本人はどこから来たのか
[人類]2 ホモサピエンスの世界大拡散
[人類]3 なぜ海を渡る?考えても分からん。
[人類]4 草の舟が完成
[人類]5 草の舟はどうだ
[人類]6 竹いかだはどうだ
[人類]7 竹いかだ出発ーっ
[人類]8 最後の選択肢、丸木船は可能か
[人類]9 暗黒のシケた海の上へのメッセージ
[人類]10 もう漕げない
の続きです。
このシリーズでは最終回になります。

海を渡った
分かった事があります。
我々の祖先、ホモサピエンスたちは、地繋ぎではなく、海を渡って日本列島にやって来ていた。

その中で、どうにもこうにも不思議なのが沖縄ルート
3つのルートの中で最も困難
3万5000年前に海を渡って来たのは分かっている
事実は判明しているので、出来るかどうかの検証は不要

どうやって来たのか、と
なぜ来ようと思ったのか

黒潮があるので、単に漂流しては与那国島まで着かないし
男女数人が同時期に来ないと、その後の子孫繁栄は無かった筈
意図して渡ったとしか思えない

海部陽介さんは実験して感じようと思った
結果から言って、極めて困難な挑戦で、その奮闘ぶりは、今までの10回で紹介した通り

丸木舟で何とか成功した中で、海部さんは何を感じたのか
でーこんとしての解釈も加味しつつ見ていきたいと思います。

どうやって
どうやって、に関して、船は丸木舟
いくつか課題は残った。
命がけという意気込みではあっても、本当に死んじゃってはまずいので
伴走船は監視していた。
現代科学でデータは出ているから
黒潮を渡ってしまえば、潮の流れは与那国島に向いているのを知ってしまっていたから
最後に1人以外全員眠るという選択肢を取り得たのかもしれない

黒潮がかなり強い事が分かっていたのでかなり南側からスタートしたが
海部さんは、あとで考えて、出発地点は違っていたかも、と考えている。

島が見えるか見えないかということ
今回のスタート地点だと近くの山に上っても与那国島は見えない
太魯閣だと、山に登ると与那国島が見えるから
あそこに行きたいと思う可能性がある
黒潮に流されても黒潮を渡りきれたあとに、島さえ見えれば、そちらに向かうことが出来る

なぜ
一番知りたかったのが、なぜ渡ろうと思ったのか
それを「感じる」事こそが今回の最大の目的

山の上からは、遠くにうっすらと与那国島の影が見えるだけで
海部さんはその時、あそこに行きたいという感情が生まれなかったという
降りてしまえば島は見えない訳で、そんなところに行きたいと思うのかと。

結局は本人たちに聞いてみなければ正解は分からないが
同じ事をやってみた人間には感じる事が出来る

ひとつ考えられるのは、台湾の方から追われて、仕方なく新天地を目指したという考え
海部さんや漕ぎ手5人は、それは違うと感じている
そんな消極的な理由で行けるほど甘い海路ではなかった
ポジティブな思考を持ち続けられなければ到底達成できないと。

山の上からやっとうっすらと見えるところに
あっちの方が安全だと考えられないだろうし
今の場所にいくらかの問題点があったとしても
比較して今の場所の方が数段安全だろう。

旧石器人の事を間違ってイメージしているのかも知れない
低い生活技術で厳しい自然環境をなんとか生き抜いてきた原始人
単なる先入観ではなかろうか

調べていくと色んな事が分かってきている。
手間のかかる石蒸し焼き料理を楽しみ、釣りをし、ビーズをつけ
旬になるとカニを捕まえに洞窟を訪れる彼ら

海部さんは、山に上って向こうにうっすらと与那国島が見えたとき
特に行きたいとは思わなかったが
ひとつだけ不思議な感覚を持ったらしい
日の出だ
季節によっては、ちょうど与那国島から日が登る

何年も何年もかかった挑戦の中で関係する者に共通して芽生えてきたのが
「面白い」「やってみたい」という感情

ここからは、でーこん的解釈も加味していくが
毎日、セキセイインコを見ていて思うことがある
仕事もなくて、ただ、食事をして糞をして寝るだけで何が面白いんだろうと思うけど
毎日毎日とても楽しそうに見える
壁紙をかじってはがしてみたり、棚の上のぬいぐるみを落としてみたり
彼らにとっての「課題」に一心不乱に取り組んでいる
それ、何の意味があるの?ってことに、そこまで頑張らなくても、ってぐらい頑張る

海部さんは感じた
海を渡ることは、必要がない
台湾の自然は豊富で、何も困らない
いらぬことをやった挑戦者だと

そこに山があるから登る、というような
理屈では説明できない何か

それがいくら困難なことで、命の危険を伴うことであっても
島の向こうの日の出を見たときにビビッと来るものがあったのかも知れない。
ひょっとしたら「遊び」なのかも知れない

貨幣なる極めて便利なものを開発し、生活の山谷を平準化することに成功したけど
その引き換えに金を稼ぐ事が必要になった。
それを「仕事」と呼ぶとすると、ホモサピエンスたちは「仕事」をする必要がない
食料さえ確保してしまえば、あとは全て「遊び」の世界

海岸からは見えなくても、向こうにあるはずの島は、
噂が噂を呼んで尾ひれが付き
女神がいるだの、永遠の命が手に入るだの
ほらを言い合うこと自体が楽しくて
何世代も語り継がれる中で、「真実」になったろう

夢の島へ行くための船は、競い合うように作られ
同じ船に乗る事こそが男女の愛の誓いになったのではないか

[科学]シリーズはこちら(少し下げてね)

[人類]10 もう漕げない

[人類]1 日本人はどこから来たのか
[人類]2 ホモサピエンスの世界大拡散
[人類]3 なぜ海を渡る?考えても分からん。
[人類]4 草の舟が完成
[人類]5 草の舟はどうだ
[人類]6 竹いかだはどうだ
[人類]7 竹いかだ出発ーっ
[人類]8 最後の選択肢、丸木船は可能か
[人類]9 暗黒のシケた海の上へのメッセージ
の続きです。

2日目
黒潮を越えた
今までどうしても越えられなかった黒潮を越えた

でも、漕ぎ手たちはその事が分かっていない
どう進路を取ろうとしているのか

この頃から、5人は交替で休憩するようになっていた。
丸木舟の中に仰向けに寝て目をつぶった
体がほてるのを防ぐため、水をかぶることもした。
休憩というにはあまりにも短く、だましだましという感じだったが
それでも一定の効果はあった

あの荒れた海と、ほとんど星が見えなかった夜を越えてきたあと
本来なら2日目のために温存しておくべき体力を使い果たしていた。

徹夜だったので恐ろしく眠い

9:45 一人が海に飛び込む
トイレ

水と食料はどうしたかなのだけど、
3万年前の状態にしたかったのを断念した。
まず、水
水の容器をあれこれ試作
結局どれもうまく行かず断念
ペットボトルで妥協

食料も、色々試したが
漕ぎ手が慣れていない食料は過酷な環境だけに採用しきれなかった。
おにぎりや、ゼリー食品などそれぞれ思い思いの食品とした。

水が足りなくなったため
仕方なく、伴走船から差し入れした。
今後の課題として残る

11:43 漕ぎ手全員が手を休めて休憩に入った

お昼過ぎ、船が迷走を始める
東へ行ったかと思うと引き返し、
南へ行ったかと思うと引き返す
40分も続いた。

何をしていたかというと、島影を探していた。
そろそろ見えるかも

結局はまだ見えないと言うことに落ち着いて、元の進路に戻る

15:00頃、船はこの位置にあった

方角はバッチリ、黒潮は渡りきり、距離的にも半分は越えた。
ただ、丸一日以上、ずっと漕ぎ続けているので、いつまで持つか

休憩の頻度が増えてきた。

全員が突発的な睡魔と、様々な体調変化に見舞われる
胃けいれん、尻の擦れ、幻覚、腹痛

1日目とは違い、海は穏やかだが、照りつける日光に熱中症寸前

禁を破って伴走船に対して無線が入った
氷をもらえませんか

それでも何としても続けたいという気持ち

当初の予定では、うまく行けば24時間後くらいを過ぎると島が見えてきてもおかしくない。

島が見えなかったあのとき、一人だったら気がおかしくなっていたと思います。
みんなが一緒だから頑張れた。

一人が海に飛び込む
続いて二人三人四人
体を冷やし、笑い声
無理にでも笑って、気持ちを鼓舞する

日没前にまた無線
おにぎりを差し入れしてもらえませんか

おにぎりが腐ってしまっていた。

それならばと、おにぎりに加え、暖かいうどんを袋に入れて差し入れ
でも、うどんを完食できたのは二人だけだった。

2日目の夜の英断
2日目の夜が来た
1日目の夜より、天気は良い筈なのに、雲が空を覆ってしまった。
星が見えない。

一瞬だけ木星が見えたがすぐに隠れた。

どうすれば

この時、一人が、光が見えたと行った。
いや、見えたような見えなかったような
そちらの方角へ少し漕いでみようと

ただ、別の二人が
もう限界だ、漕げない、と言う

原キャプテンは思った。
みんな疲れの限界を超えている
方角を知る術はない
ここであれこれするよりも
今は全員で休もう。寝よう。

自分もその光は見えなかった
根拠はないけど、その方角が島だと思う。
今、潮の流れはその方角へ向いている
漂流しても大きな問題にはならない。

まず自分が監視役をやるので他の4人は寝る
そのあと監視役を交替してもらう。

かくして、原キャプテンの判断で漂流が始まった。

漕がない船は、じわじわと与那国島方面へ流れていた。
空も満天の星空に変わった。

見張り役が鈴木さんに交替
それからどれくらいたったろう
鈴木さんが、3万年前にはなかった見えて欲しくないものを見てしまった。

灯台の灯

あっ、見えちゃった。

一人ずつ静かに起こす。
でも、確認しても、やっぱりみんなそのまま寝てしまった。

午前5時頃、8時間ほど眠れたみんなが起き出した。
再開
目指すは見えちゃった光

少しずつ周りが明るくなってきた。

5:25 雲が見えた
島の上に現れる特有の雲

6:45
うっすらと見えてきた

島だ

漕いで漕いで、漕ぎ続け、漂流したあとも漕いで
やっと見つけた島影だ

島は見つけてからが遠い
島の周りは特別な流れがある
それも、みんなで克服した。

7月7日 14:38出発
ほぼ丸2日後、7月9日 11:48 到着

シリーズの次回、振り返りながら、
なぜ、3万年前の我々の祖先ホモサピエンスは、海を渡ったのかに迫りたいと思います。

[科学]シリーズはこちら(少し下げてね)

[人類]9 暗黒のシケた海の上へのメッセージ

[人類]1 日本人はどこから来たのか
[人類]2 ホモサピエンスの世界大拡散
[人類]3 なぜ海を渡る?考えても分からん。
[人類]4 草の舟が完成
[人類]5 草の舟はどうだ
[人類]6 竹いかだはどうだ
[人類]7 竹いかだ出発ーっ
[人類]8 最後の選択肢、丸木船は可能か
の続きです。

出発
7月7日、丸木舟に、5人が乗り込み出発
台湾を出発し、目指すは与那国島

伴走船は黙って付いていく
3万年前の祖先がそうしたように、方向は乗組員が自分達で決める

海は落ち着いていた。
風速は3mほどとあまり気にならない

丸木舟は3万年前として考えられる最高の舟
3万年前、われわれの祖先は、これかそれ以下の舟で現実に海を渡っている
われわれに出来ない筈がない

3万年前に方位磁石はないから頼れない。
目的の島も見えないし、
出発後ある程度進むと元の陸地すら見えない
どうやって進む方向を決めれば良いのか

太陽の位置
夜の場合は月や星の位置
潮の流れ
風向き

鳥の種類や飛ぶ方向
ひとつとして確実なものは無いから
全てを総合して決めていく。

伝統的ナビゲーションと呼ばれ、
身に付けるまでにメンバーは長い期間を費やした。

草舟や竹いかだに比べ
丸木舟は直進性が大きく劣る
最後尾の田中道子さんは最も重要な舵取り役

目指す方向は北東だが
強烈な黒潮に流される前提で、まずは東へ東へと向かう。

最初の数時間は方向を理解するのは難しくない
元の陸地が見えるので、山の形の変わりようから理解する

出航後、1時間20後の16時頃状況が変わった

海が暖かくなってきました。

暖流である黒潮のサイン
いよいよ、過去何度も阻まれた黒潮に突入することになる

16:16、丸木舟(スギメ)の先をイルカが横切っていった
心がなごむひととき

そのあと風が強くなってきた。
シケになるサイン
波が大きくなり、丸木舟の周りは荒れ模様

まずいっ

これまでの練習であれば伴走船に乗り込んで引き上げる程度の荒れ具合
丸木舟は、荒れた海に弱い。
草舟や竹いかだに対する大きな弱点だとも言える
判断は原キャプテンに委ねられた。

続行

行きたい、という気持ちは5人の乗組員に共通していた。

転覆はしなかったが、浸水が激しかった
2番手3番手の鈴木さんと村松さんが、懸命に水をかい出す

後ろを振り返ると、鳥石鼻の岩が真後ろに見えた。
かなり流されている
黒潮の本流に入ったのだ

練習では、櫂(かい)に受ける圧力で、本流に入ったことを感じとることが出来たのだけれど
シケの中ではそれどころではなかった。

5人は休まず漕ぎ続けた
喉が乾いてもゆっくり水を飲む暇さえなく
水を含んではすぐに戻った

方向を知るための最も重要な手がかり、太陽は西に沈もうとしていた。

最初の夜
19時45分、日没を迎える
それから30分後、あたりは一気に暗くなり、シケたまま
暗黒の夜の海の世界に入っていった。

上弦の月は出ているものの、星は全く見えない

夜の20時半
雲間に、アルクツゥスが光った。
一瞬ではあったが木星も姿を見せた。

そしてわずかな時間ではあったが、ベガとアルタイルも姿を見せた

おりしも、この日は7月7日
織姫と彦星からのメッセージ

頑張ってね
風の方は私たちがなんとかするわ

お陰で風が多少穏やかになってきた。
この頃から交替で休めるようになってきた。

21時半頃、初めて北斗七星が姿を現せた
ここまで、多少の迷走はあったものの、
シケの中でも概ね予定通りの方向に進んでいたのは奇跡に近い。

午前5時頃になって、ようやく雲が晴れ、全面に星が広がった
風も凪ぎ、波は穏やかになった。

午前5時15分
東の空が僅かに明るくなってきた。
少しずつ明るさが増していく。

すると、ある意外なものが見えた。
陸だ

与那国島にしては、大きい

そうか。花連の谷か

ただ、そこまでの距離がうまく測れない
黒潮に流されてしまったかと思った。

ところが逆だった。
この時点で、実は黒潮本流を越えていた。

続きはシリーズの次回ね。

[科学]シリーズはこちら(少し下げてね)