ボノボは、ほんわか

ボノボは類人猿です
の続きです。

チンパンジーとの違い
見た目はほとんど変わらないのに、ボノボとチンパンジーは性格や生活の仕方がまるで違う。

最も違うのが、オスとメス
チンパンジーはオスが圧倒的に強い。
オスの中では、順位争いがし烈。
順位の高い低いが、食事やメスとの関係等、全ての面で左右する

ところが、ボノボにおいてはオスメスの優劣は余りない。
メスはある程度の年齢になると、自分の集団を離れ
他の集団を探す。

他の集団にもだいたいすぐに溶け込み
集団の真ん中へんにメスたちが集まってぺちゃくちゃ
そこで子供を産み、そのままその集団で定着する
メスが生まれた集団以外に移るのは
おそらく近親相関で血が濃くなっていくのを避けようとしているんだと思います。

一方オスは一生生まれた集団で暮らしていく

オス内、メス内で、順位的なものはあるにはある
チンパンジーほど重要な意味を持っていないけど
メスの順位がオスにスライドする
お母さんの順位が高いと、子供のオスの順位も高い
だいたいお母さんの方が先に死んじゃうでしょうから
そのあとの順位はどうなるんだろうと思うけど
要するに、だいたいで良いんでしょうね。

集団同士がかち合ったときなんかは、
チンパンジーだと大変
オス同士が徹底的にやりあう
それは、チンパンジーに限らず、集団を作る動物はだいたいそうなんだけど
チンパンジー以外だと、一方が、参った!と逃げたらそのまま
チンパンジーは、追いかけて行ってまでやっつけようとする。

ボノボも集団同士がかち合うと緊張が走る
戦うのは、一応オスの役目
オス同士がにらみ合い、
いつでも来い、受けてたとう

お互いに威嚇しあっているその最中
メスがちょこちょこっと出ていったと思うと
あろうことか、相手集団のオスと交尾を始めてしまう。

一堂唖然
お、お前なあ

そうなると白けてしまい
まあいっか

性行為
動物にとって子孫繁栄は最重要課題
当然その為に性行為は行われる
発情期以外は、目的を達せられないから、無駄なことはしない
もちろんチンパンジーもそう

でも、ボノボは発情期以外でも、性行為を行う
もちろん、それで子供は生まれない
楽しむためと言ったら良いのでしょうか
大人と子供、オスとオス、メスとメスでも事に至る。

繁殖以外に性行為が意味を持つのは、ヒト以外にはボノボだけでしょう

ボノボの一日
ボノボの穏やかな生活は、多分に環境によるものだという気がする
コンゴの鬱蒼と茂る森の奥に住み
木の上で木の枝や葉っぱを巧みに使ってベッドを作り、そこで寝る
赤道に近いにも関わらず、余りにも木が高く生い茂っているために、光が地表にほとんど届かない
若い木はほとんど育たないし、夜はとても寒い。

木の実とかが豊富で、たまにしか肉食しない
木の上の生活が多いので、そこには自分達より大きな動物はいない
天敵がいないのだ
戦う必要もないし、狩りをしようとも思わない。

どちらかというと、チンパンジーよりボノボの進化しているんでしょうか
いや、進化の仕方が違ったと言えるでしょう。

よく、動物関係のテレビ番組で
チンパンジーが道具を使って色んな事をする実験があったりする
ボノボはほとんど道具は使えない。
無理する必要がない環境であれば、必要が無かったんでしょう。

コミュニケーション能力的なものは俄然ボノボに軍配があがる
チンパンジーを繰り返ししつけて、合図したら何を持ってこい、的な事は良く有るけど
ボノボはそもそも、しつけ的なことをあまり必要としない
隣の部屋にある何かを持ってきてという、
見てもいない始めての事でもやれることがある
人間の言葉を理解できているとしか思えないらしい。

技術的な進化はチンパンジーで
情的な進化はボノボって事でしょうか

食物の調達とか、食べる行為とか、
大きな意味でしなければならないことを「仕事」と呼ぶとすると
チンパンジーはいっぱい仕事をする働き者だけど
ボノボはほとんど仕事をしない

ぼうっとして、昼寝もしほうだい
それでも時間が余るから、意識が「遊び」に向いていく。

ボノボは集団でいるのが大好き
チンパンジーのように必要があってのことではなく
みんなでいた方が楽しいから。
具合の悪いボノボがいると、のぞきこんで気遣ったりする。

木に登る時も普通に登れば良いものを
仲間たちが登り始めるのを待っていたりする。

ヒトはどう進化してきたんでしょう
おそらくどちらの方向にも進化してきている

ボノボとチンパンジー
何だか考えさせられますね

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ボノボは類人猿です

TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」を聞いていました

マニアックな人を呼んで話を聞くというのが行われる事があって
安住さんがそもそもマニアックな人なので、とても面白く盛り上がります。

ボノボを研究している、江口絵理さん
途中から聞き始めたので、
ボノボってなんやろ
新種の洗剤か?

どうも猿らしい
それも、チンパンジーと比べられるほどに高い知能を持っている

しかもことごとく、性格・生活がチンパンジーと対比的であるらしい。

チンパンジーは戦闘社会だけど
ボノボは平和社会

チンパンジーは戦いで問題解決するけど
ボノボは抱擁で問題解決する

ちょっとちょっと
そんな面白い話、早く言ってよ
50年以上生きているけど、全く存在を知りませんでした。

急いでAmazonを検索したんだけど
残念!
江口絵理さんのボノボ本は紙の本しかない
紙の本買っちゃうと、そのあと電子書籍にするために
どえらいお金と手間を必要とするので
グッと我慢して紙の本は買わないようにしている。

仕方ないので
「あなたはボノボ、それともチンパンジー」という本を買いました。

ボノボ

見た目はチンパンジーそっくりです。
専門家でもない限り、チンパンジーと見分けることは不可能です。

コンゴの森の奥に住みます。
チンパンジーと比べるととても少ないので、存在を知られていませんでした。

小さな動物であれば、まだまだ未確認の種類は多いのですが
これほどの大きな動物はずいぶん前から全て発見しつくされていた
動物学会に衝撃が走りました。
まさか、20世紀に入ってから、まだ、知らない動物がいたなんて

今までは、ヒトに一番近いのはチンパンジーでした
だから、ヒトがどう進化してきたかを考えるときは
ヒトとチンパンジーの違いから推察していった。

ところが、ヒトに一番近いのはチンパンジーとボノボだということが分かった。
ヒトへの距離は、チンパンジーとボノボ同じくらい
しかも、チンパンジーとボノボ、見た目は同じながら、生活の仕方、行動の仕方が実に違う
面白くなってきました。
ヒトとチンパンジーとボノボが分かれたその時点での類人猿はいったいどんな風だったのか

例えば、とってもザクッとした分け方で言うと、
チンパンジーは戦闘社会で、ボノボは平和社会
ヒトは?

チンパンジーは、オスが圧倒的に優位に立つんだけど
ボノボは、特に優劣ということはない
ヒトは?

分かれた時点での類人猿が両方の要素を持っていて、分かれていったのか
分かれた後にそれぞれの要素が培われていったのか
謎が謎を呼びますね
ミステリーです。
いずれにしても、とても研究のしがいがありそうです。

ボノボは大フィーバー
知りませんでしたね
動物学会と人類学界だけの大フィーバーです。

調べると、その時点で何と日本にもボノボがいた!
戦後まもなくです
娯楽が少ないので、移動動物園と言って、
動物を車の檻に入れてあちこちで見せていた。
ベルギーから2頭のチンパンジーを輸入して見せていたんだけど
メスの方はすぐ死んじゃった
そうこうしているうちに常設の動物園も作られるようになったので
残りのオスが別府の動物園に引き取られた。
でも、どうも変。
調べてみると、あの大フィーバーのボノボじゃありませんか
に、日本にっ

ピースケと名付けられて大人気

野生以外のボノボは80頭しか飼われていない。
ほとんどがアメリカ
これ以上の繁殖は近親相関になってしまって無理
日本に若い元気なオスがいるんですか
本当ですか!

日本で大人気ですが、世界の人類学のためには仕方ありません

ピースケ アメリカへ渡って頑張ってくれるか

うん

頑張りました。
4頭の子供を残すことになります。

さあ、具体的にチンパンジーとどういうふうに違うかは
次回、お話しすることにいたしましょう。

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