掃除道入門
の続きです。
掃除は修行って話でしたね
キリはないけど、それだから修行
なるほど、自分を磨くって事だな
ようし今度から目一杯頑張るぞ!
そうなりませんか?
実は、この本には逆の事が書いてあったんです。
横田南嶺老師
著者の松本さんは、光明寺のお坊さんですが
色んな寺に出張で出掛けたとき、行った先のお寺でも、掃除をさせてもらうらしいです。
そんなときに知り合ったのが横田南嶺老師
老師のお話を私なりに解釈し、私の言葉でご紹介します。
修行という言葉のニュアンスから辛いことって思いがちだけど
やってみるとそんなこと全くないことが分かる
ああ、掃除って楽しい。
こんな幸せ感をみんなにも分けてあげたい
それが布教ってことになる
ほどほど感
老師は若いとき、みんなより早く行って、掃除をピカピカ
そういう人だった。
先代の管長から
そんなことしてたら誰も付いてこなくなるぞ
誉められこそすれ、まさかそんなふうに言われるとは思っていなかったので愕然
それから、周りに、
変わったねえ、と言ってもらえるようになった。
ほどほど感を理解することが掃除道の修行の目的です
お釈迦様は、山岳修行で徹底的に自分を追い込み
その先に悟りがあるんじゃないかと頑張った
頑張って頑張って死にそうになって
もう、この先には何もないと思い、山を降りた。
菩提樹の下で座ってそこで悟りを拓く。
中道(ちゅうどう)、と言います。
ぼやっとしているのはダメ
でも頑張り過ぎると得られるものはない
その中間の、中道にこそ真実がある
おそらくこういう事じゃないでしょうか
最初、寺に入門し、これで自分も悟りを拓けるぞと期待
でも、来る日も来る日も掃除
掃いても掃いても落ち葉は落ちるし、キリないじゃん。意味ないよ。
でも、ここは、前回話したように自分で乗りきる訳です。
キリないかも知れないけど、だから修行なんだと。
それなりに楽しさも分かってくるので乗って来るわけです。
ようし、もっときれいにしてやるぞ
あっと、こんな所にチリが
いかんいかん、まだまだ修行が足りんなあ
でも、それをずっと続けていると
分かることがある
チリひとつない、は無理
やっぱりキリない
ここから「自分との折り合い」に入っていく。
これぐらいで良いでしょう、というライン
自分の問題なので、自分にしか決められない。
最初から、「適当で良いんですよ」じゃ中道は分からない
お釈迦様みたいに、バカみたいに頑張って
最後に、ふっと肩の力を抜いて分かるのが中道
それを理解することが掃除道という修行
だから、最初から答えは言わない。
感動しました
聞いてるか、カミさん
肩の力を抜けっちゅうの
途中の、バカみたいに頑張って掃除したことが、一回もない私が言っちゃいけませんね。
でも、それでもこの本を読んで楽になりました。
掃除が嫌で嫌で仕方ない、って事はなくなりました。
答え知ってますからね
カミさん見ながら
このバカ、まだまだ修行が足りん、と心の中で笑えます。
自己啓発セミナー
似たような経験があります。
私は、毎日毎日楽しくて仕方なく、幸せいっぱいで生きています。
理由があって、若い頃に自己啓発セミナーを受けたから
若い頃は人に対して攻撃的でずいぶん人に嫌われていたし
すぐに落ち込む、悩み症でした。
気付きのセミナーって感じで、みんなで色んなゲームをやりながら
自分について見つめ直し、気づいていく。
すごくショッキングな事がいっぱいあって
こりゃ嫌われるはずだと、猛反省
何とか直そうともがき苦しむ
1ヵ月以上かかるセミナーで、セミナー自体はものすごく楽しいんだけど
日常の中で、自分の改革が全くうまくいかない。
最終日に講師から贈る言葉
こんなゲームをしましたね
あなたは何を気づいたでしょうか
こんなゲームをしましたね
あなたは何を気づいたでしょうか
延々と続いていきます。
色んな事に気づき過ぎて大変だったかも知れません。
(そうそう)
自分の事が嫌になったかも知れません
(そうなのよ)
自分を変えようと頑張ったかも知れません
(そうそう)
でも本当にそうでしょうか
よくよく考えて下さい。
本当は自分が好きなんじゃないですか
全て引っくるめて、自分が好きなんじゃないですか
変えないで下さい
そのまま、ありのままの自分をもっともっと好きになってください。
涙があとからあとから溢れ出ました。
そうだ、私は自分の事が大好き。
変えなくて良いのか
その一言を言いたいがために、長い間苦しめたんだな
ありがとう。
本当にありがとう。
それから、自分を変える事を一切やめました。
すうっと楽になった。
がさつで、人の心にづかづか土足で入り込む性格
でも、嫌われたとしても、それがなんぼのもんじゃいと
自分が大好きなんだからしゃあない
もし、それで人に迷惑をかけることがあるとすると
その時は誠心誠意謝る。
ごめんなさい、と
でもやっぱり変えない。
掃除道も、おそらくひとつの例であって
掃除である必要はないんだと思う。
一生懸命頑張ってみて
これ以上は辛くなりそう、ってなると
その手前でふっと力を抜く。
それが幸せの秘訣。