[昭和歌謡]27 夜明けのスキャット

昭和ヒット曲全147曲の真実シリーズ

由紀さおり
由紀さおりはとても好きな歌が多いです。

手紙
♪死んでもあなたと暮らしていたいと
今日までつとめたこの私だけど

ルームライト
♪ルームライトにぼんやり

今回聞き直してみてびっくり
ルームライトって作曲吉田拓郎だったんですね。
そう言われてみるとなんとなくメロディの運び方と、字余り感が。

そんな中、夜明けのスキャットは
好き嫌いのレベルを越えて突き抜けてましたね

不思議以外の何物でもなかった

私は歌では歌詞と曲では、歌詞を重視している。
歌詞がグッと心捕まれると大好きになっちゃう。

楽器だけの音楽はどうにも苦手。
洋楽も歌詞が分からないのでこれまた苦手。

歌手も、歌詞の内容を訴えかけてくれる人が好き
美空ひばりとか森昌子とか

そんなときに
なにこれ
歌詞がないのに
何なのこの歌唱力
歌詞の内容を訴えかけるも何も
歌詞がルルルのパパパ
なのに鳥肌たっちゃうんですけど。

歌は歌詞でしょ、って思い続けていたのに
違いますよ、って正面からズドン。
参りました。

おもろい
関西圏の人にとってみれば
由紀さおりっておもろいおばちゃん。
この人絶対おもろいこと言うという安心感のあるコメディアンだった。

東京に来てから随分たってTBSラジオで由紀さおりがパーソナリティの番組が始まった。
やった!
あのおもろいトークが聞けるわけね

ところがおもろいこと何も言わん。
真面目な番組

真面目なんかい
一流のコメディアンのくせして。

おめでとう
数年前大ブレイクしましたよね
夜明けのスキャット全米一位

当たり前やん
アメリカ人にはもったいないわ
とも、思いましたが
アメリカ人もびっくりしたんでしょうね
ルルルのパパパは
アメリカ人にも理解できる衝撃でしょう

ねずみ小僧と目安箱

日曜日、TBSラジオの安住紳一郎の日曜天国に、歴史学者の磯田道史さんが出演

とても面白い話だったので、ご紹介します。

日曜天国
毎年一度ずつ、もう8回目のご出演です。
さて、磯田先生がご出演されたときは、この一年で面白い古文書は発見されたか、
お聞きするのが恒例になっています

ありました。新聞報道級のすごいのがありました。

目安箱
目安箱はご存じの通り、8代将軍吉宗が始めたもんですが
明治維新当時、まだ戊辰戦争でドンパチやっているときに
実は、新政府も京都に目安箱を置くんですね。

でも中身までは分からなかったんです
その中身が綴られた束を、今回京都の古本屋で見つけたんです。

へえ
それは、どういった形で売られてたんですか

いやあ、領収書の束みたいな感じで
先生これなんやろねぇ
って言われるんで
あなたこれ、すごいもんですよ
目安箱の中身ですよ、って

目安箱とは書いてなかったんですか

箱訴と書いてありました。
箱訴というのが目安箱だとは専門家しか知らないんで。

どんな事が書いてあったんですか

学問的に言うと、明治が始まったばかりの頃に市民は何に期待していて、
何に不満を持っていたかが分かる訳なんですが
一番多いのは、いわゆるチクリです。
誰それ、と言う役人は、どこそこで芸者をあげて遊んでばかりいる
辞めさせろと

次に多いのが貨幣に関して。
明治になって小判ではなく紙幣を出すんですが
これがすこぶる評判が悪い
額面通りには使えなくて、何とかしてくれと。

すごいなと思ったのが学校に関して。

実は、京都というのは、政府の教育改革より前に
民衆が勝手に学校を作っちゃうんです。
それが、逆に全国レベルに発展していくんですが
学校に関する具体的なプランが出されている。

(それまでも寺子屋や手習いは民衆が勝手に作っているので、無償という意味だと思います)

まずは、政府が住宅を立てる、それをいくらの家賃で売り出して
これだけの収支になるから、長期に渡って学校の維持が可能になる
政府に要望を出すんじゃなくて、こと細かに提案として提出している
それが一通ではなく何通もある。
教育に対する意識の高さがすごくよく分かります

それが、明治維新のエネルギーとなり、今に繋がるんですね。
それは、いくらぐらいでお求めになったんですか

いやあ
実際、新聞が6社くらい取材に来たほどのもんですからね

これすごいもんですよ
私が買うとしたらいくらぐらいで売ってくれますかと

一万円って言うんですよ。
一万円で買っては帰ったんですが
いくらなんでもまずいと思って、その10倍以上のお金を持って翌日行ったんですよ
そしたら、受け取ってくれない。
こっちもどうしても、と言って無理矢理おいてきましたけどね

いやあ、先生も素晴らしいですね

でも、京都の資料館に寄付しちゃったから丸損なんですけどね

ねずみ小僧
あと面白かったのが、ねずみ小僧の資料。
これは、神田の古本屋に出ていたんです。
今日、お持ちしたんですけど。

ねずみ小僧に関する裁判の記録を抜粋してまとめてある。
ねずみ小僧って、義賊と言われていますよね

はい、金持ちから盗んで貧しいものに分け与えたって

それは、お話だけど
多少はそういうところもあったんじゃないかと、淡い期待を持って調べたんです

どうだったんですか

見事に期待を裏切られました。
あいつは悪いです。

ほう

全て武家屋敷に入っているんですけど
3つのうちのいずれか
奥向きか長局(ながつぼね)かあとは金庫

奥向きは奥さんのいるところ
長局は女中さんのいるところ
即ち女性のいるところばっかり

そこで暴行をはたらいた?

それはどうもないみたい

確かに武家屋敷では見つかると刀で殺されちゃうから
女性のところの方が安全とは言えるけど
ここまで、奥向き長局奥向き長局って続くと
どうしても変態チックな何かを感じますよね

おっと、いかん
これ、学会にもまだ発表していない。
言っちゃった。

(みなさんくれぐれも、ここだけの話ということでよろしくお願いします)

この後本来のテーマ、関が原に入っていくんですが
長くなりますので、またの機会にいたしましょう。

バナナの皮の摩擦係数を考える

日曜日、ラジオで学者先生が出ていました。

馬渕清資先生。北里大学の名誉教授です。

おえらい先生ですが
イグノーベル賞を受賞した。

イグノーベル賞は、ノーベル賞に対するパロディというかジョークとして始まった。

「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して送られる。

ジョークとしては世界的に一番規模が大きいかも知れない。
かなり有名で世界中で報道される。

ジョークが下手と思われている日本人ですが
実はかなり連続でいっぱい受賞していて
常連国。

そういうのを聞くとほっとします。

日本人の受賞で有名なのは
たまごっち、バウリンガル(犬語測定器)、カラオケでしょうね。

そんな中、2014年に物理学賞を受賞したのが、馬渕清資先生

受賞テーマ
受賞したのは
「床に置かれたバナナの皮を人間が踏んだときの摩擦係数を計測した研究」

馬渕先生の専門は人工関節
どれだけなめらかに動き、ギシギシしないかが重要。

本の中でも講演でも、「バナナの皮でツルンと滑るように」という表現をしてきた。

古今東西、バナナの皮で滑るというのは
あらゆる漫画での定番ギャグ

一番イメージしやすい。
疑う余地もない。

当然、誰かが以前に調べているだろうと思いつつ
ちょっと不安になった

一応確認しておこう。

ところがいくつか文献を当たるが、調べている人がいない

むきになってどんどん調べていくがどうしても見つからない。

調べる
こうなったら、自分で調べるしかなかろう

摩擦係数を測る原理は単純
板の片側に測りたいものを置く
例えば氷とか消しゴムとか
それで板の片方を持ち上げていく。
滑り出したときの傾きの角度が摩擦係数になる

やってみよう
バナナの皮を置いて
ワクワクドキドキ

ん?
滑り出さない

予想を遥かに上回る角度まで上げても滑らない。

まずい
これはまずい
色んなところで言っちゃっている。
嘘つき教授になってしまう

ここで学者魂に火がついたらしい。

やってやろうじゃないの

条件
考えられるのは、特定の条件によって滑るようになるということ

そうです。
踏んだら滑る

となると、事は単純ではなくなる
板を傾けただけじゃない。

幸いにして本業の人工関節の摩擦係数測定用の機械はある
それを、「踏んだら」と「滑る」の数値にどう使えば正しい測定になるのか

自分で滑って転びながら考える。

この研究のために本業の機械を使うのは申し訳ない
お休みの時に片手間にひっそりと、という研究になる

バナナを食べるのは飽き飽きしてくるので
そこは学生に協力してもらう
ごめん 皮だけちょうだい

剥き方にもコツがあるらしい
皮の横幅が広い方が
測りやすい。

そんなの何とか測れさえすれば2~3回もやれば良いんじゃないの?
と素人の私は思いますが
学者先生は違いますね
「これが正しい測定結果」として発表するには
一定以上のサンプル数と精度が必要なのでしょう。
先生頑張りました。

結果
「バナナの皮は、踏めば滑る」は証明されました
何もないときに比較して1/6の摩擦係数

皮を踏むと内側の白い部分が半透明のゼリー状になる
皮には粘液が詰まった粒がたくさんあり、これが踏んで潰れることが、滑るカラクリなんですね

明治から戦前の日本人の発明シリーズでは
みんな何度も何度もくじけずに試作を繰り返したという歴史があった。

同じ苦労をしている

唯一違うところがあるとすると
何の役にも立たない。

イグノーベル賞たるゆえんですね。

仕組みまで分かったんだったら何かの役に立つのかな

現在のところ 不明

教授は使命感のようなものに突き動かされたんでしょうか

いえ、個人的興味です。

江戸では、かなは、こう書いていた

「江戸のマスコミかわら版、寺子屋式で原文から読んでみる」という本を読みました。

実は、結構前に読んでいて、その時は、すごいっと思ったのですが
習得するのがなかなか難しく今まで時間が経っちゃっていました。

江戸のマスコミかわら版~
どういう本かというと
江戸時代に書かれていたかな(ひらがな)を習得し
江戸時代のかわら版をはじめとする出版物を直接読めるようにしましょう。
その上で、色んな事件のかわら版を解説してくれています。

何とも贅沢なてんこ盛りの内容です。

江戸かな
実は、この本ではじめて「江戸かな」の存在を知りました。
(著者の吉田豊さん命名。一般的には変体かなに含まれちゃっています。)

お恥ずかしい限りですが
そう言われてみると、江戸に関わる本は結構読みましたが
本とか狂歌とかかわら版とかが原文で「元はこんな感じ」的に添えられている事はありました。

大体は絵にだけ眼が行って
横の字は、何だかよく読めないなぁ、程度
いずれにしても書かれている内容は解説されているので、全く気にもとめなかった。

ひらがな、カタカナの成り立ち的なことも「ん」の話やいろは歌や五十音表の話等で
ちょこちょこ書きました。

それでも「江戸かな」の存在は知らなかった。
ひらがなはいつ頃できましたよ、って時点で
今のあいうえおがそのままの形で出来ちゃったものとばかり。

江戸時代は、今のひらがなの形と違う文字も存在していた。
大体は、今のひらがなに近い文字もあるんだけど
第2バージョン、第3バージョンの文字が一部に存在していて
それを覚えないと当時書かれたものを読みこなせない。
(以下、引用は全て「江戸のマスコミかわら版、寺子屋式で原文から読んでみる」からです)

そういうと見たことある!って思ったのが「し」

あれこれ
簡単そうなものからまいりましょう
1.今のひらがなと字母(元となる漢字)が一緒のもの
くずし方がちょっと独特
や が ゆ みたいで若干戸惑います。

2.字母は違うが、字母となる漢字がなんとなく思い浮かび、分かりやすいもの
とは言え、き とか め とかは、かなり頑張って覚える必要があります
み は得意ですよ

3.字母も違うし、とにかく機械的に覚えるしかないもの
これの、※のところはぜひ覚えるべしということです。

難しい

字母が今のひらがなと違う場合がなんとも難しい。
た、はようやく覚えましたけど

かわら版?
なかなか覚えられないということで
自分に言い訳しだします。

かわら版一枚も持ってないしなぁ
結局この本でも出ているかわら版は、現代の中にしてくれている。

いけませんね
こういう言い訳。

そんなこんなで、結構長い間、ほおっておきました。

ところがです。
ウォーキングで色んなところに行っていると
江戸かなに出会う事が以外に多いことが分かってきた。

橋に書かれていたり。

あっ、これあの本に有ったなあ
何だっけ
えーっと

もちろん、困るという程のものではない。
より楽しめないというだけのこと

この前、明治神宮に行ったとき
宝物殿に入った。
明治天皇、昭憲皇太后に関わるお宝が展示してある

そこで、明治天皇か昭憲皇太后かが詠まれた和歌があった

まさしく江戸かな。

よし

今後も覚えては忘れの繰り返しだろうけど
再挑戦することにしよう。