[昭和歌謡]76 シクラメンのかほり

昭和ヒット曲全147曲の真実シリーズです。

シクラメンのかほり
布施明
作詞・作曲 小椋佳
1975年

♪真綿色したシクラメンほど
清(すが)しいものはない
出逢いの時の君のようです
ためらいがちにかけた言葉に
驚いたようにふりむく君に
季節が頬をそめて過ぎてゆきました

出ました!
小椋佳(おぐらけい)

最初、小椋佳が布施明に歌を提供したと聞いた時
本当に驚いた
どちらも本当に好きでしたから

布施明はその前の積木の部屋が大好きで
当時歌が一番うまいのは布施明だろうと思っていた。

小椋佳の歌をどう歌うよ
驚いたように、以降、がーっと盛り上げていくので
布施明だったらそうせざるを得ないわなと

その後、小椋佳自身が歌っているシクラメンのかほりを聞いて
そうそう、これこれ

布施明バージョンも嫌いじゃないんですけど
小椋佳って、最後まで盛り上げないから小椋佳

歌詞を味わうための歌ですから

昔、シングルとアルバムの中間と言ったら良いのか
4曲入りというレコードがあった。

小椋佳の4曲入りを買って
一時期は何度も何度もほぼ毎日聞いた。
「春の雨はやさしいはずなのに」と
「少しは私に愛をください」は絶対入っていたんだけど
後は何だったかなあ
「白い一日」と「さらば青春」だったかな

小椋佳は歌詞を味わうべき人なので
歌詞を全部書きますね

■春の雨はやさしいはずなのに
むなしさが 夕暮れと雨を連れて来て
寂しさが 夕空と街を闇にぬり
何だか涙も出やしない 出やしない
春の雨はやさしい はずなのに
すべてが ぼやけてくる
どってことないんかな どってことないんかな

■少しは私に愛をください
少しは私に愛をください
全てをあなたに捧げたわたしだもの
一度も咲かずに散ってゆきそうな
バラが鏡に映っているわ
少しは私に愛をください

■白い一日
真っ白な陶磁器を
眺めてはあきもせず
かといってふれもせず
そんな風に君のまわりで
僕の一日が過ぎてゆく

目の前の紙くずは
古くさい手紙だし
自分でもおかしいし
破りすてて寝ころがれば
僕の一日が過ぎてゆく

ある日踏切のむこうに君がいて
通り過ぎる汽車を待つ
遮断機が上がり振りむいた君は
もう大人の顔をしてるだろう

■さらば青春
僕は 呼びかけはしない 
遠く すぎ去るものに
僕は 呼びかけはしない 
かたわらを 行くものさえ
見るがいい 黒い水が 
抱き込むように 流れてく
少女よ 泣くのはお止め
風も木も 川も土も
みんな みんな 
たわむれの 口笛を吹く
———-

あまりに毎日聞いているもんで
父さんも覚えちゃって
特に、春の雨はやさしいはずなのに
どってことないんかな
のところが好きで、そこは一緒に歌う

少しは私に愛をください
は完全に歌詞を覚えているから、歌詞を見なくても歌えます

白い一日、は
歌詞が小椋佳で、作曲が井上陽水なので
二人ともの代表曲なんだけど
同じ歌かと思うくらいガラッと雰囲気が変わる
当時、二人の歌真似で歌い分けられるのが自慢だった。

シクラメンのかほりは、
小椋佳自身はいまいち気に入ってなくて布施明に提供するまで、お蔵入りにしていたらしい
北原白秋のテイストで書いているから。
教科書のような歌詞ではありますが
聞き込んでいくと、やっぱり小椋佳だなと思います。

なんといっても
知る人ぞ知る小椋佳を、誰でも知っている小椋佳に押し上げてくれたのがこの曲ですから

「めまい」「揺れるまなざし」「俺たちの旅」「愛燦燦」「夢芝居」と
完全にヒットメーカーになっていくわけですね

索引はこちら
[昭和歌謡]シリーズはこちら(少し下げてね)

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