[天皇]58 光孝天皇。ほんわかじいちゃんの出番です。

天皇シリーズ

光孝天皇
884~887年

はっきりした性格の陽成天皇
幼帝の頃は摂政の藤原基経の思い通りだったけど
成人になるとそうも行かなくなる。

奇行を繰り返すということにして、無理矢理廃位させた

ところが、次を決めていての事でなかったため、さあどうしようか

何人か候補はいたものの、
自己主張するタイプでは同じこと

陽成天皇の前の前、陽成天皇からするとおじいちゃんが文徳天皇
その兄弟でまだ生きていたのが、時康親王

今まで天皇の座を争って、兄弟で殺し合いというのが何度も何度もあったので怖い怖い
ひたすらに存在感を薄ーくして
♪目だたーぬよーうに
と生きてきた。
欲を捨てて、ただただ殺されないように。
自分の子供や孫の世代の天皇に、ひたすら従順に仕えてきた。

基経とは歳が近いので、元々仲が良かった。

基経から、お声がかかります。
すでに55歳。人生50年の時代ですから、いつご臨終でもおかしくない。

とんでもない。
本音で断りましたが
ホイホイ引き受けるような性格じゃ、元々困ると思っている

良いじゃない
そこを何とか

どうせ長くないから、冥土の土産にやってみるか

ということで、光孝天皇の誕生です。

光がつきますね
光仁天皇や光格天皇
直系が途切れて、随分戻っての天皇に付く光の文字です。

がまんがまんの人生でようやく光が当たった

一時は天皇の第三皇子だったのに、貧乏のどん底
天皇になったとたんに借金取りが押し寄せたくらい。

さあ、やったるで
と行きたいところですが
根っから控え目な性格だったんです。

天皇にしてもらえたのは、一にも二にも基経さんのおかげ
基経さんのやりたいようにやってもらえれば良いです。

前二代のように幼帝ではないので、摂政に任ずることが出来ない。
関白なる言葉は次の宇多天皇の時に初めて出てくるんだけど
ここでは実質関白

皆さん、私に何か行ってくるときは、全て基経さんを通してね。

今まで、自分自身には欲がなくても、子供には何としても天皇をさせてやりたいと思うもの
でも、私はそれもしませんよと。
子供を全員、臣籍降下させ、平や源の姓を与えて皇族と縁を切らせる
何とその数45人
あらま。そっちの方の欲は旺盛だったのね。

3年後、予想通り、病気になっちゃいました。
頑張った方じゃないでしょうか

いよいよ長くないとなったとき
皇太子を決めてなかったのはやっぱりまずかったかな
子供同士で殺し合いになっても困る

このごに及んでまだ顔色を見る
基経さんは誰に次の天皇になって欲しいんだろう

おそらく第七皇子の源定省(さだみ)を気に入っているらしい
との情報を得て
源定省を皇族に復帰させ、皇太子にした。
後の宇多天皇です
一度、臣籍降下させた者を戻すなんて、全く前例がございません。

臨終の床で、左手に基経、右手に皇太子の手を握り
ゆめゆめ、基経の恩を忘れるな、と言い聞かせた。

百人一首で、陽成天皇に続き
光孝天皇の歌も採用されています。

君がため 春の野に出でて 若菜摘む わが衣手(ころもで)に 雪は降りつつ

あなたに食べてもらおうと思って
早春の野に出て若菜を摘んでいます。
そんな私の袖に、雪がひらひらと舞い落ちていますよ。

何とも素直な歌。
掛詞とかの技巧が盛り沢山な時期でしたが
見事に何の技巧もこらしていません。

若菜とは春の七草
正月に七草粥を食べるのが習慣
新春のお慶びって言いますね
旧暦だと、春は正月に始まり、今の2月
雪がふっても全く不自然ではありません。

七草摘んでいたら、雪が降ってきて、袖にかかりました。
はい、それだけ

だけど、逆にそのおおらかさが、風景にマッチします

[天皇]シリーズはこちら(少し下げてね)

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