[天皇]81 安徳天皇。海の底に

天皇シリーズ、いよいよ安徳天皇です

安徳天皇
1180~1185年

徳の字がついている天皇はとても可哀想な天皇でしたね
本当に可哀想過ぎます。

お母さんは建礼門院徳子(けんれいもんいんとくこ)
平清盛の娘です。
ということは、平清盛の孫ということになります。

清盛としては、安徳天皇が即位すれば、外戚って事になり
藤原氏が栄華をほこったのと同じ事になる

高倉天皇に催促し
安徳天皇が数え年3歳、満1歳2ヵ月の時に譲位され、天皇になった。

清盛が益々の権勢をほこる筈だった

ところが、源氏が挙兵
ご存知、諸行無常の鐘の音です。

詳しくは、源平シリーズに譲るとして
押したり引いたりが繰り返されるも
次第次第に、平家が追われていくことになります。

高倉天皇が亡くなり
清盛自身も熱病に侵されて亡くなってしまいます。

そうなると、平家はなすすべなし、となりそうですが
そこからかなり粘りました。

戦場を瀬戸内海とし
海戦を得意とする平家が、来るならこい、と

可哀想なのが安徳天皇
平家としては最高の人質
共に行動し
きさまら、みかどに矢を放つのか、と

もうひとつ、強力なのが三種の神器
これがなければ、天皇としての証明ができない

壇の浦
ばくっと省略し
最期の場面、壇の浦の船上へと参りましょう。

即位の5年後、安徳天皇は数え年8歳、満6歳4ヵ月です
まだ鼻をたらしている年齢です。

源氏側は、源義経を総大将とし、一族いっぱい
平家側は、宗盛、知盛等こちらも一族いっぱい
お互いに多くの舟での戦ですが
安徳天皇は何としても守らないといけませんから
平家の仲間内だけの合図として、安徳天皇が乗る舟には
小さな黄色い旗が付いています。

残念、情報をかぎつけられちゃった

黄色い旗を探せ

源氏が血眼になって探していると
黄色い旗ではないんだけど
一番大きな舟がダメージで舵取りが出来なくなっているのに出くわした。

あの舟が怪しい

横付けして乗り移り、大合戦
清盛の弟教盛、息子宗盛等、平家一門の幹部たちが多く乗り合わせていた
ことごとく切り捨てられ、いよいよ覚悟した。

「おさらば」
教盛はざんぶと海に飛び込んだ

宗盛も続こうとしたが、いざとなると踏ん切りがつかない
ドンッ
海に投げ出された
わが大将がこんなことでは笑い者になると
家臣が突き落としたのだった

黄色い旗の舟に、この知らせが届いた。

もはやこれまでか
清盛の息子知盛は舟を自ら焼き払い
それぞれ小さな舟に分乗させた

自分は安徳天皇と同じ舟
同じ舟にはお母さんの建礼門院とおばあさんの二位の尼時子

みなを呼び集め、知盛からの言葉

世のはしたなき口の語り草にのらぬよう
今より、船上を掃き拭うて清め申さん

手分けして掃除が始まる

尼殿、お覚悟はよろしいか
二位の尼は自分の母でもある

最後にお前とおれて嬉しい

すぐに私もあとを追いまする

尼は、幼いみかどをしっかりと抱きかかえ
三種の神器を体に巻きつける

何かは分からねど
ただならぬことであると不安な顔の幼帝

笑みを浮かべて語りかける

波の底にも都がございます。
そこの久遠の命のたのしみは、人の世の都どころではありませぬ。
めでたき都やら知れませぬ。
いで、尼が、お道しるべしてまいらせん。
御子さま、こう、尼にお倣い遊ばせや、おん掌を合わせ、おねんぶつを仰せられませ

小さな手が、尼と同じように合わされた

小さな体は、尼と共に海の底に沈んでいった

すぐに母の建礼門院も飛び込む

ところがそのあと、建礼門院は死にきれず浮かんできたところを源氏に捕まってしまう。

知盛はそのあとひと戦したあと、いかりを抱いて海に沈んだ

三種の神器はそのあと、唯一鏡だけが見つかることになる

[天皇]シリーズはこちら(少し下げてね)

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