[迷信]バミューダトライアングルで船や飛行機が消える

「科学で読み解く迷信・言い伝え」からのシリーズ

バミューダトライアングル
海外の迷信として超有名なバミューダトライアングル

数多くの船や飛行機が跡形もなく姿を消している

あのコロンブスも、この海域で、磁石が変な動きをしたと記録している

たとえば1945年、5機の戦闘機が訓練中に乗員もろとも姿を消した「フライト1」事件
それを追って捜索に出た複数の船も1隻残らず消えている
2017年にも3人を乗せた小型機が消息不明となっている。

何が起きているのか科学的な解明として
いくつかの説があげられている

まずひとつは、メタンハイドレートのブローアウト説

メタンハイドレートは、メタンガスが固体の状態となって存在しているものだ。

海底にたまった動物や植物の死骸は、時間がたつにつれて発酵し、
メタンガスを発生するようになる。
それが海底の圧力や温度の影響により氷に包まれることで、メタンハイドレートという固体となる。見た目は氷に似ているが、「燃える石」という別名があるように、
燃焼することでエネルギー源となる。

これが海底に大量に埋蔵されていることがわかり、
石油などの資源にかわる次世代エネルギーとして注目されているが、
まだわかっていないことも多く、スーパーコンピュータなどを用いた解析が進んでいるところだ。

メタンハイドレートのブローアウトとは、海底地震や地割れ、水温の変化などが原因で
メタンハイドレートが気化し、メタンガスが大量に発生することをさす。

メタンガスは空気より軽いため、大量発生すると、
上方を通っていた船舶や航空機が影響を受ける

メタンハイドレートのブローアウトは、ほかの場所でも起こっている。

2016年、北欧ノルウェー沖のバレンツ海の海底で、
巨大なクレーターがいくつも発見さ れた。
これは堆積物に閉じ込められていたメタンハイドレートが爆発したことが原因でできたもので、最大のものは直径800メートル、
深さが45メートルもある。

このクレーターを発見・調査したノルウェー大学の研究チームは、
同じようなことがバミューダトライアングルでも起こったのではないかという説を展開

もともと石油採掘作業員などではよく知られた現象で、
現場関係者の間では「死のげっぷ」と呼ばれている。
メタンガス自体は残るものではないので、証拠が残るということがない

もうひとつはダウンバースト説
これは「白い嵐」とも呼ばれる現象で、
快晴の穏やかな海で局地的に巨大な冷気の下降気流が起こり、
それが猛烈な突風を引き起こす現象である。

風速は50メートルを超えるともいわれるが、
発生場所や規模をまったく予測できないので、船舶も航空機も回避することはむずかしい。

実際、ほかの場所では、ダウンバーストが原因による墜落事故が何度も起こっている。
これに巻き込まれると、周囲が見えなくなり、上下左右の感覚がなるといわれる。
航空機にとっても船舶にとっても、きわめて危険な現象なのだ。

また、ダウンバーストとよく似た現象に、マイクロバーストというものがあり、
それが原因であるとする研究者もいる。
アメリカのコロラド州立大学の衛星気象学者スティーブ・ミラーが唱えた説で、
急激に発達した雷雲や積乱雲が、その下にある海面に破壊的な強風を引き起こすというものだ。

理論上は、この強風は最大で時速270キロメートルにも達するもので、
航空機や船舶に壊滅的な被害を与えるのに十分な強さを持っているという。

事故を起こす原因は各説色々ある
実は事故の頻度としては、交通の要所であることから、他の地域と比べて突出するほどのものでもない

ただ、消えた航空機や船舶の残骸、あるいは遺体が発見されないことへの説明が、
やはりどの説でも弱い
そのために、バミューダトライアングルは地球上に存在する恐怖の場所として、今も恐れられているのだ。

[迷信]シリーズはこちら(少し下げてね)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です