江戸の道楽

江戸っ子は、意外に裕福だったという話はしましたね

てことなんで、
色んな道楽も楽しんでいたようです。

衣食住
衣の終点は、足袋、履き物
食の終点は、茶
住の終点は、庭
それぞれの終点を極めようとすると
金ばっかりかかって大変だったようですね。

変わった道楽
江戸らしい、ちょっと変わった道楽を紹介いたしましょう。

音曲
唄や三味線ですが
だいたい、ちょうどいい年頃の女師匠と決まっていて
なんとか口説けないものかと月謝を払う。

師匠に決まった人ができちゃったら
弟子は、潮が引くようにいなくなったそうです。

女の師匠なら「道楽」
男の師匠なら「稽古」
と言葉も分けていたらしい。

声色
声色。今で言うモノマネです。
そんなものをわざわざ金を出して習いに行く。

江戸時代の人って、どれだけ裕福なんでしょう。
少なくとも、気持ちが裕福。

歌舞伎が娯楽の中心。
テレビも映画もないわけですから。
名場面、名せりふを手取り足取り指南する。

しがねえ恋の情が仇。命の綱の切れたのを・・・

先生、そっくり。

じゃあ、やるわよ。
あとに続けてね。

そっくりって言って、拍手喝采までは分かるけど
それをステージでやって金を取る、ってところまでは行かなかったんでしょうね
ならば、教えて、金にしようと。
したたかというか、発想豊かというか。

それをまた、習おうという、生徒さんがわんさか集まるわけですよね。
生徒さんは、お習字やそろばんの塾に行く感覚で
声色のお教室に通う。
家に帰っても、ひたすら反復練習。
すごすぎます。江戸時代。

すごい、お師匠さんになると
菊五郎の当たり役を団十郎ふうにやるとか
声は八百蔵で、しこなしが半四郎とかいうこともやったそうです。

今で言うと
コロッケがやる
もしも、五木ひろしがロボコップだったら、みたいな感じでしょうか。

あくび指南
あくび指南って落語がありますよね。
あくびの仕方を教えるってやつ
まあ落語だから、できるだけあり得ない
突拍子もないものを、持ってきたんだと思っていたら
実はそうでもなくて
近からずとも遠からずのものがあったようです。

所作指南。

かっこいい煙草の吸い方とか、そばの食い方といったようなもの。
粋な仕草ってやつです。
わざわざ金を出して、習ってたんですね。

すごい。
煙草なんてけっこう人気があったっていうんだから

秀句指南
これもすごすぎます。
洒落です。

なんで金払って習いに行くのよ。

鯉の滝登りを、子犬竹登り。
猫に小判、を下戸にご飯とか
何か用? と聞かれれば
何か用か、ここのか十日。
ありがたいねえ、と誰かが言えば
蟻が鯛なら、芋虫ゃ鯨、と受ける。

金払ってわざわざねえ。

以前、昭和のへっぽこフレーズを書いたけど
もっと前から
由緒正しく、培われていたわけですね。

これ、あんまり面白いので
またの機会にシャレについてお話ししますね。

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