ソメイヨシノを作った男は伊藤伊兵衛?

江戸の理系力シリーズ
田中久重で割り込みしましたが
もう一人割り込みさせてください

タイムリーな話題は追いかけたくなりましてね

伊藤伊兵衛
いとういへえ 遺伝学者 1676~1757

桜といえばソメイヨシノ
それ以外には、ええっとえっと
ダントツですね

でも、ソメイヨシノの歴史って以外に新しい。
江戸の中期になります
染井村の植木屋
染井村は現在の駒込です。

江戸の人は大名から庶民まで、園芸が大好き
それぞれの時期ごとに
朝顔だ、ツツジだ、菊だとその種類を変えながら一大ブームを巻き起こします。

その元々の火付け役が、この伊藤伊兵衛
正確に言うと、代々の伊藤伊兵衛です。

染井には津藩(三重県津市)藤堂家の下屋敷がありました。
初代の伊藤伊兵衛はそのお屋敷の露地掃除人
出ましたっ、露地
茶室に向かう庭園の事でしたね

そこで不要となった庭木とかがあったら

これ、捨てるんですよね
持って帰って良いですか

ええよ

自分の庭に植えて、増やしていく。
元手要らずで、植木屋の開業です。

江戸は参勤交代のおかげで、諸藩の大名屋敷だらけ
他藩に遅れをとってはならずと、庭園を競い合って作りますので
庭園だらけ
でも、明暦の大火をはじめとした、大火が何度も起きるので
すぐに焼けちゃいます。

その度、植木屋さんは引っ張りだこの大繁盛

三代目
三代目は、三之丞と言います
あれっ、伊兵衛じゃないの?
不思議ですよね、伊藤伊兵衛で三之丞

韮山反射炉とか、お台場とかを作った、江川太郎左衛門英龍と一緒ですね
江川太郎左衛門は代々、江川太郎左衛門だから韮山反射炉を作ったのは江川太郎左衛門英龍

三之丞はツツジで大ブームを巻き起こします。
交配して新たな品種を作る
本もいっぱい出して、後の園芸界に多大なる影響を及ぼします。

地下に倉庫を作ってそこで苗を育てることで、咲く時期をずらしたりという技も開発
染井村は他にもどんどん植木屋が増えてきます。
染井村の植木屋は全て、買わなくっても自由に庭を鑑賞して良いってことにするので
園芸の一大聖地となります

政武
四代目は、政武
今度は楓で大ブーム
こちらも本を出して、伊藤伊兵衛の名を確固たるものにします。

とうとう将軍吉宗からお声がかかるまでに

飛鳥山に桜をいっぱい植えてくださいね

はーい

それでは、今日のところはこの辺で。

こ、こらー、でーこん
やっと桜が出てきたと思ったのに、ふざけるな
これから、桜の品種改良の苦労話が始まるんじゃないの?

ソメイヨシノ

お怒り、ごもっともです。
実は分かっていないんです。

ソメイヨシノは、オオシマザクラとエドヒガンの雑種
お母さんの方がオオシマザクラね

一番古くにソメイヨシノが発見されたのは、小石川植物園入口近く
1700と何十年かくらい
吉野桜という名前で染井村から売られていた事も分かっている
桜の名所、吉野にあやかっての商品名。
オオシマザクラとエドヒガンの雑種が、人の手による交配だとすると
この時期に、人工交配が出来る技術を持っているのは、伊藤伊兵衛をおいていないだろう。
飛鳥山に植えられたソメイヨシノも
この時期、桜といえば、山桜の時期に敢えて新参者を採用出来るのは
余程、吉宗から信望の厚かった政武なら可能

どんどん状況証拠が積み上がっていきます

ソメイヨシノは育つのが早いこと、花の量が多いことから
急に人気が高まり、不動の桜のチャンピオンとなります。

明治
時代はドーンと飛んで明治33年
その道の専門家の学者さんたちが集まって
桜について考えよう

このチャンピオンの事だけど
発祥の地は染井村だと思うんだけどどう?

異議なし。 異議なし。

名前だけど「吉野桜」はちょっとまずい気がしますが
そうですね。
本家の吉野山から文句が来そうです。
染井村で異議なしであれば
染井吉野というのではどうでしょう。

異議なし。 異議なし。

学名も「ソメイヨシノ」で登録しちゃいましょう。

開発者は?

そこなんですよ
私としては「分からない」に一票

そうですよね
分かりませんね

一番のポイントは
確かに状況証拠的には、政武をおいて他になかろう
なんですが
あれだけ本を書いておきながら
吉野桜の開発について、全く触れていないということ。

自分が開発したのなら
本で触れないなんて、あり得ます?

万が一、事実が自然交配だったとしても
販売は積極的にやっているから
私です
って言っても、みんなが信じるほどの名声は得ている筈。

不思議です。

やっぱり違うんでしょうか

本当は政武だったと仮定したら、
何故本に書かなかったか、の理由を考えてみました。

1.実は、桜だけの話題を集めた一番分厚い本を書いたんだけど
 出版直前で死んじゃった。あるいは、火事で焼けた。

2.書こうと思ったけど、急に仏様が乗り移り
 自慢話は美しくないと心変わりした。

3.初恋の美代ちゃんとの共同開発だったんだけど
 美代ちゃんが病気で急逝してしまい
 二人の思い出を、自分の中だけにとどめておきたくなった

4.実は、あちこちに書いて、出版もしたんだけど
 誰かが、ことごとくその部分を改ざんした。

恐ろしいですね
証人喚問で、事実を明らかにして欲しいものです。

何年か前にちょうど桜の時期に仕事で駒込に行き
染井吉野記念公園の桜を見ました。
その時の写真は残っていないので
以下は、ネットから

索引はこちら
[江戸の理系力]シリーズはこちら(少し下げてね)

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