[明治]井上馨。首相になれなかった男。

明治シリーズ兼元老シリーズ
元老8人のうち、伊藤博文、山県有朋、黒田清隆、松方正義、の4人は首相経験者でもあり、既に取り上げました。
最後の西園寺公望は首相経験者ですが少し時代があとになります。
桂太郎と西園寺公望の時代に入る前に、残りの元老3人に行きましょう

井上馨、西郷従道、大山勲の3人ですが
まずは井上馨から

井上馨(かおる)

井上馨と言えば、渋沢栄一ファンの私としては、渋沢栄一の親分というイメージが第一。

幕末から

何と言っても、長州ファイブの一人
長州から、幕末にイギリスに密航して留学
伊藤博文、井上馨、井上勝(鉄道の父。東京駅の前に銅像立っています)
とあとふたり(ごめんなさい)

攘夷一辺倒の時代に、一気に開国論に傾くので
幕末の志士の面々とは若干距離を置きます。

明治維新になると
大蔵省で大活躍。
その部下の渋沢栄一とコンビであらゆる政策を手掛けていきます。

ただ大蔵省って予算を抑える方の役割なので
各省とは対立が激しくなる

やってられっかい

渋沢栄一と共に政界を去る

ご存知の通り、その後の渋沢栄一は財界で、八面六臂の大活躍
井上馨も財界で大いに力を発揮する
特に三井系とは太いパイプを気づく

ただ、渋沢栄一がそのまま財界だったのに対して
井上馨は強く復帰を請われて、政界に戻る

一番のテーマは不平等条約の改正

そのために
外国文化を徹底して取り入れ、馬鹿にされないよう作ったのが
はい、鹿鳴館です。

♪チャララララーン、ララーン、ララーン

残念ながらあまり評判が良くなかったのですが
何事もチャレンジ

大久保利通暗殺後
実権が伊藤博文に移ると
長州ファイブからの同志、井上馨が重用されます。

外務大臣、井上馨ってことになり
不平等条約の改正までこぎつけた

ところが、交渉ごとなので交換条件として出したのが
国民の総スカンを招き、井上は辞任に追い込まれる

そのあと、井上は元老の一員となる
元老は次の首相を誰にするかってときに
天皇に諮問する機関
天皇は元老が推薦した人をほぼその通りに任命するから
元老が首相を決めると言って良い

元老は、互選でも首相になるから
8人中5人が首相を経験
井上は少数派って事になる

随分あとになるが、ようやく、井上が組閣を命じられた。
第四次伊藤博文内閣が辞任に追い込まれた時

萬を持しての登場

ところが組閣が出来ず
首相も辞退ということになった

当時、大臣たちの一つ上に首相がいるって位置づけではなかった。
大臣の一人にすぎず、横並び。
首相が全ての大臣に打診して承諾を得る必要がある
成り手のない大臣がいたとしたら、内閣は成立しないので
断念せざるを得ない

今からすると成り手がないなんて考えられませんけどね

陸軍大臣海軍大臣は、軍の中の人間から選ばなければならないというルールがあります。
このルールを逆手に取って、軍は自分達の要求を拒否するような首相だったときは、入閣を拒否
軍の大臣が決まらなければ、内閣は成立しないけど、軍の人以外には頼めない
卑怯者!

でも、井上馨の時は、軍の大臣ではなかった。
大蔵大臣

大蔵大臣だったら、縛りのルールも無いし、誰でもやりたいって言いそうですが
井上馨の方が、この人じゃなきゃ、ってこだわった

もうおわかりですね
渋沢栄一です。

渋沢が大蔵大臣じゃないなら、私は首相はやりたくない。
そこまで、思い入れていたんですね
随分待ったろうに。

でも、無理でしょう。
名だたる有名企業何十社もの経営者ですからね
経済界のトップです。

性格
かなりの、怒りんぼさん
すぐに雷を落とす。
でも、渋沢栄一が近くにいると、雷が落ちない。

井上馨の周辺の人たちは、渋沢の事を「避雷針」と呼んでいる

でも、渋沢にそれを言うと
いや、逆でしょう。
井上さんこそ、私にとっての避雷針
どれだけかばって守ってもらったか

恩義を忘れない、という面も持っている
長州の旧藩主、毛利一族や、高杉晋作の遺族、はたまたその愛人など
自分が恩を受けた人は、ずっと面倒を見ている。

面白いのが、料理

財界に顔が効くので、はっきり言って、金はかなり持っている。
料理が趣味なんだけど
その材料には湯水のごとく金を使う

で、できた料理はというと
????というお味

[明治]シリーズはこちら(少し下げてね)

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