「ことば日本史」から。今回も平安時代です。
陰陽道(おんみょうどう)
前回、呪術の話をしましたが
貴族の中で流行ったのは、さらに陰陽道も
陰陽道は、中国から伝わった道教風水説、除災呪術である呪禁、
密教天文学の宿などをもとにして、日本独自の呪術体系としたもの。
天武天皇の時代に陰陽寮という役所が設けられ、その独占する技術とされていた。
ここに所属する陰陽師以外のものが学んだり行うことは禁止されていた。
だが実際には、山岳修行者なども行っており、
また時代が降るにしたがって宮廷以外でも広く行われるようになっていった。
その陰陽道のなかからも、今日の日常語は生まれている。
本命
人は生まれた年や日の干支によって、北斗七星のうちのいずれかの星に属するとされ、
その星によって運命が支配されると考えられていた。
その星を属星(ぞくしょう)または本命星(ほんみょうしょう)という。
本命星を祭ることで、長寿や幸運を祈った。
また今日でもよく見られる、 一白水星 二黒土星 三碧木星・・・・という九星占いでも、
自分の星を本命星という。
ただ九星術では、本命の方角は凶なんです。
どちらにせよ、自分の運命を決する大事な屋にはちがいない。
そこから、これぞというものをさすようになったらしい。
有掛(うけ)に入(い)る
ものごとが順調に運ぶ好調期になることをいう。
陰陽道では、運の上昇期を有卦(うけ)、下降期を無卦(むげ)といい、
有卦は七年、無卦は五年つづいて、あわせて十二年の周期をもっているとされる。
日常での使い方は、実際に有卦に入ったということではなく
あたかも有卦に入ったかのごとく幸運が続くぞという時
いやあ、最近自分でも驚くほど良いこと続き
有卦にいったかもよ