[三十六歌仙]34 源順。お菓子「最中」はここから

三十六歌仙シリーズ

源順(みなもとのしたがう)
水のおもに てる月浪を かぞふれば こよひぞ秋の もなかなりけり
(水面に輝く月光の波――月次(つきなみ)をかぞえれば、今宵こそが仲秋の真ん中の夜であったよ。)

若くして博学を知られ、二十代の頃、醍醐天皇第四皇女勤子内親王に『和名類聚抄』を撰進した。
歴史検定2級の時、一生懸命覚えました。
和名類聚抄(わみょうるいじゅうしょう)漢和辞典です。

さらに「宇津保(うつほ)物語」
日本文学史上最古の長編小説
源氏物語にも影響を与えたと言われています。
作者不明では有りますが、源順ではないかという説が有力

鑑賞
水のおもに てる月浪を かぞふれば こよひぞ秋の もなかなりけり

小波が立つ池の水面に照り映っている月を見て、
月日の数を数えて見れば、

そうかそうか。今宵は秋の最中の八月十五夜であったぞよ。
だから月は見事なのか

お菓子「最中」の語源となった歌。

この歌が有名になったので
宮中で開催された月見の宴で、丸くて白い餅菓子が出された時、
それを見た公家たちが、
「もなかの月」と名付けましょう

時は流れ、江戸時代中期。

江戸吉原の煎餅屋「竹村伊勢」が、
もち粉を水でとき、焼いて丸く形成した干菓子に甘味をつけ
「最中の月」として売り出しました。

その後「最中の月」にようやくあんこが挟まれ、
「最中饅頭」として出るようになり、
これが略され「最中」として定着しました。

[短歌]シリーズはこちら(少し下げてね)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です