[首相]32 吉田茂。嫌になったらいつでも投げ出す。
[首相]32-2 吉田茂。分かった。ひとりの日本人も、餓死させない
[首相]32-3 吉田茂。耕さないもの認めない
[首相]32-4 吉田茂。初めての選挙
[首相]32-5 吉田茂。あの人とあの人とあの人
[首相]32-6 吉田茂。吉田学校の始まり。
[首相]32-7 吉田茂。誰にも知られてはならない。
[首相]32-8 日本にやってもらうこと。それは
[首相]32-9 マッカーサー元帥、万歳
の続きです。
サンフランシスコ講和会議
マッカーサー解任も、大きな方向性には変更がなかった
講和
日本の独立
いよいよその日がやって来る
吉田茂がかたときも離さなかった葉巻を断ったのは
1951年9月4日から8日までの5日間だった
サンフランシスコ講和会議の期間
9月4日 トルーマン大統領が壇上に立って開会の挨拶
われわれは悪意を捨て、憎しみから離れよう
これからあとは、われわれの間に勝者もなく敗者もなく
ただ、平和に協力する対等者のみがあるように・・・
9月7日は、各国代表の演説が終わったあと
吉田茂首相が受諾演説を行う予定だった
英語で行われるはずだったが
ロシアがロシア語で行うという情報が入ったので
それでは、日本も日本語で行ったらどうか、ということになった
大慌てで準備
吉田は、秘書を呼んだ
日本語だったら罫紙にペンでは読みづらい
巻紙に毛筆の原稿にしよう
いつもながら無茶をいう
だが、長い長い日本の歴史の中で
たった一度だけの非独立国の期間が終わる、今後を考えても一度だけの演説
巻紙に毛筆の原稿にしよう
一体このアメリカのどこでそんなものが手に入るのか
あっ、そうだ
チャイナタウンに走る
9月8日
日本国と48ヶ国によってサンフランシスコ平和条約に調印された。
ケルチュナー事務局長が一国ずつ呼ぶ
最後
「JAPAN！」
全ては華麗な雰囲気の中にセレモニーは終わった
宿に帰った関係者たち
その中で、唯一吉田にだけ、もうひとつの重要な仕事が残っていた
日米安保条約の調印
その後も各国との記念パーティ等の多忙なスケジュールをこなし
再び宿に戻ったのは夜遅かった
部屋に池田勇人蔵相を呼んだ
葉巻の香り
久しぶりの香りですな
これからが始まりだな
いっぱい宿題を残してしまった
私はできるところまではやる
だが、おそらくほとんどの問題は
君や佐藤君に、お願いせにゃならん
これからの政局は大変だぞ
鳩山一郎、石橋湛山、岸信介
追放解除組が戻ってくる