練塀について考える。その2

練塀について考える。その1
の続きです

私が谷中にもありますよね

はい、築地塀(ついじべい)ですね

の会話から始まったので、ここに戻ってきます。

築地塀と練塀、結局どこからどこまでが築地塀でどこからどこまでが練塀なのか
はっきりしたことは分からないんですよ
本途帳には練塀、と書いてはあるんですが
一般的には築地塀なのかなとは思います。

甲良家が築地塀を改良して、練塀、とネーミングしたのでしょうか

可能性はありますが、分からない事ばかりで

(ここからは帰ってからネットだけではありますが色々調べた事を組み合わせて考察していきます)

確かに言葉の定義がどちらも曖昧ですが
東京の谷中の観音寺築地塀

報土寺築地塀

いずれも、築地塀というより、練塀に近い気がする。

土塀の大きな分類として
骨組みがあるものは「塗塀(ぬりべい)」
土台や柱が骨組みとなり、柱と柱の間を小舞(こまい)を結んでそこに土を塗って仕上げるものです。

骨組みがないものが、築地塀か練塀
工法も出来上がりの見た目も全く違います

純粋な築地塀、という言い方をすると
土だけで作り、瓦は使わない
まず木で枠を作ります。
その中に土を入れ、固めるために上から棒でどんどん突く

また土を入れ、突く。
版築(はんちく)と呼びます
横に筋模様が入った土塀が出来上がる

無茶苦茶期間がかかるので、発想を変え
煉瓦を積み上げるように強度のある瓦等を敷き詰めて土でつなぎ
その上に瓦を敷き詰めてまた瓦を敷き詰める
ミルフィーユ状態

おそらくこのタイプの純粋なものは、熱田神宮の信長塀

ただ、真っ直ぐな、この為の瓦を思いっきり作っておく必要がある

あいのこ、と言いますか、良いとこ取りと言いますか
外から見えない中側は割れた瓦とかも混ぜつつある程度強度を保ちつつ
疲れるまでは突いて、外側は瓦を差し込んでミルフィーユ

あくまで、この発想は私が勝手に言っているのですが。

副住職さんとの話に戻りますね

結局、このタイプの塀って何のために作ったんでしょう

そうですね。
やはり天下の増上寺。将軍家の菩提寺ですから、守る必要がある
それは、外敵からであり、火災から

ですね
ただ、私はもうひとつ理由がある気がする
先程、石垣でいうと野面積みの方が強度があるとおっしゃいましたよね

江戸城の石垣を全部見て回ると、時代と場所によって使い分けられている
本当に防御が必要な場所は打込接(うちこみはぎ)だけど
お客様をお迎えする場所には縦横真っ直ぐな切込接(きりこみはぎ)が使われている
そして、石に防御上全く意味のない筋が入っていたりして、化粧が施されている

きれい。かっこいい
練塀って実にきれいでかっこいい
惚れ惚れする
時代的に享和2年って平和で100年以上たっている
実用より、ひょっとして、美しさの方が重要だったのかも

ですよねですよね
惚れ惚れしますよね
いつまででも見てられますよね。分かってもらえます。

(ここでもう一度調べたあとの話に戻って)
結局、あいのこで何を重視したかというと、美しさなんじゃないだろうか
おそらく強度的には問題ないって100年くらいを経過して分かってきて
じゃあ、周りだけきれい、って事でどう?みたいな
築地塀って言うか練塀って言うかはお任せしますわ

(副住職さん)
きれいという意味では、この間知石(けんちいし)美しいと思いません
私はこの石に美しさを感じる
帰りにぜひ見て欲しいものがあります。
大門の横のビルの前に間知石がいくつか置いてあるんです。
これが実に美しい。

今度ですね一部調査で断面が見れるかも知れないんです。
もし良かったら、住所書いて行っていただけたら
はっきりしたとき、ご案内をお送りしますので
お日にちが会いましたらぜひ

分かりました。書いていきます。

帰りに、教えていただいたビルの前を確認しました。

う つ く し いっ

[お出掛け]シリーズはこちら(少し下げてね)

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