宅配寿司で経験した「社長」という特別な存在

宅配寿司では、残念ながらうまくいかなかった。
最初から、最後まで、この時期は良かったけどみたいな時期をとうとう経験できなかった。

だけど、本当に楽しかった。
生きている充実感があった。

ずっと喰えない状況が続き
いつやめようか
いつならやめれるのか
ずっと計算し続けていた。

でも5年半頑張ったのは、もう一人の自分がいたから。
楽しい、って感じている自分

どうやったらやめられるか考えている一方で
何とか一日でも長くやれないものかと考えている

それは、初めて経験した「社長」という特別なるものです

社長って
社長って極端に良い面と辛い面を持ち合わせている
なってみて初めて、一つ深いレベルで、実感として分かった

良い面
良い面は全て自分で決められること

それまでは自分の思い通りに事を進めるため
色んな回りくどい努力をしてきた。
上司を説得するという「仕事」までしなければいけなかった
本来どう仕事するかに加え、時間を取って資料を作ったりして
いかにこれからやろうとしていることは有意義なのかを説明する「仕事」がプラスオンした。

でも、自分が社長だと全てがストレート

逆に言うと、自分の決めたことが100%
何の言い訳もできない

それまでだと、自分に対する言い訳を持てていた
今回うまくいかなかったけど、
上司がこうやれと言ったからやったんだ
全て思い通りにさせてもらえていれば
もうちょっとうまくいったんじゃないか

そんな言い訳が一切自分の頭の中で展開されない
そういうストレスが一切ない

結果がうまくいかない。
寿司が思ったほど売れないという原因は、正直分からない
分かっていれば手を打っている
でも、結果を受け止める気持ちに一点の曇りもない
全てが全て、自分がやったことに対する100%ストレートな結果

こんな楽しい、面白い事があるだろうか

もちろん、任せている仕事だってある
でも、そこでうまくいかないことが有ったとしても
不思議なくらい
あいつのせいで
という感情は沸かなかった

それが社長なんだって分かった

社長というものの辛さ
逆に社長が辛いこと
ただ、予め言っておきますと、うまくいっている会社だと以下のような事は起きないと思います。

やめられない
ひとつには、「やめられない」こと
社員だと、なんだかんだ言っても
会社をやめる、という選択肢が存在し
それを選ぶことができたなら
全てから解放される。

社長はそれができない
やり続けなければならない

正直、宅配寿司がここまで単純作業の繰り返しだとは思っていなかった
前回お話しした「一日」の流れ
あの「一日」はすべてそう
今日、明日、明後日
ずっとそう

はっきり言って、すぐに飽きた
でも、そんなこと、口が避けても言えない

ずっとやりつづけなければならない
会社をやめる、と
会社を畳む、は根本的に違っていた

対等に向き合えない
それまでは

社長っていいよな
全てにおいて優位に立っている

そう思っていた

やってみて初めて分かった

逆だった。

社員とのやり取りでは常に社長の方が下

何かについて議論するとする
例えば○○という仕事を今後どうしていくべきか

前向きな社員ほど良い提案をしてくる

社長、今度これこれこういうふうにしてみませんか
これとこれにしか金もかかりませんし
リスクも少ないですよ

分かったよ。
検討してみるけど難しいかもね
(心の声)
申し訳ないなあ
腰抜け社長だと思っているだろうな
確かに起死回生の案だと思う
だけど
そのわずかのお金さえ
もう余裕がないんだよ

社員には絶対言えない「隠しておかなければならない」ことを
余りにもいっぱい抱えている
それが社長なんだって初めて分かった

金がない
が一番多いんだけど
そのビジネスは近い内に丸々やめざるを得ない状況だとか
○○という社員に払う給料の余裕がもうない、だとか

社長だってちゃんと議論したい
でも対等には話できないんです。
常に負い目を持っている
相手が前向きであればあるほど、辛くて仕方ない

会社を畳んで以降、又、会社に雇われる立場になったけど
相手が社長であれば、提案後、社長の歯切れが悪かったら
さっと引くようにしている
そこには、聞いてはいけない何かがあることが分かるから

良い提案する事が、社長を苦しめることなんだって
思ってもみなかった。
経験してみなければ分からない
貴重な貴重な経験

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