[ことば日本史] 囲碁のことばから

「ことば日本史」室町時代から

囲碁や将棋
囲碁や将棋の用語は戦略を語る

囲碁からは、「布石する」「大局を見る」「手を打つ」など、多くの日常語が生まれている。
囲碁が伝来したのは奈良時代で、遣唐使が持ち帰ったものとみられている。
平安時代には宮廷で貴族らの娯楽となっていた。

現存するもっとも古い棋譜は、
鎌倉松葉谷の草庵での日蓮上人と吉祥丸(日朗)との対局だという。
それ自体は後世の偽作である可能性が高いというが、
日蓮が碁を好んだことは事実だったそうだ。

囲碁が庶民に広がったのは、室町時代から戦国時代にかけてのことと見られている。
戦国武将にも、囲碁を好んだ者は多かった。
囲碁から生まれた日常語が、そのまま戦いの推移を示す言葉だから、
戦国武将にとっては、たんなる遊戯以上の意味があったのかもしれない。

将棋の日本への伝来は定かでないが、鎌倉時代には広く行われるようになっている。
「手駒」「持ち駒」「王手」などの言葉が日常的に使われている

では、囲碁からのことばをもう少し

捨石
あとの局面をよくするため、わざと相手に取らせるように置く石
戦国時代には、戦略のうえから犠牲とする土地や軍勢をもさして使われた。
今でも、企業の不祥事の責任をかぶったりしている人は、こう呼ばれているのだろう。

岡目八目
岡目は傍目とも書き、対局している人より、
それを脇から観戦している人のほうが、八目も先まで読めるということ。
当事者はしばしば熱くなったり怯えたりして、判断を誤る。
傍観者のクールな観察を尊重しようという言葉である。

駄目を押す
碁盤上に、白、黒どちらの陣地ともなりえない領域が生まれると、
そこに石を置いても無駄になるだけ。
そういう領域を駄目と呼ぶ。
駄目を押すとは、あえてそんな目にも石を置いて徹底することで、
そこからわかりきった物事をたしかめること、念を押すことを言うようになった。

「ダメ押し」はかなり頻繁に使う言葉ですね

[ことば]シリーズはこちら(少し下げてね)

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