英語には、縦と横が無い

金田一先生の、美しい日本語シリーズです。

前と後ろ
まずは、問題。

自分が生徒として教室にいるシチュエーション。
一番遠いのが、黒板
少しこっち側に教卓
教卓の中にはチョークとか黒板消しとかも入っています。

先生は、教卓を背にして自分側に立っています。

さあ、先生は、教卓の前にいるでしょうか、後ろにいるでしょうか

どう思われます?

前ですよね。後ろじゃ無いよね。

第二問です。

今度は、先生が教卓を回り込んで
黒板と教卓の間で自分の方を向きました。
一般的に先生が一番良くいる位置。

さあ、先生は、教卓の前にいるでしょうか、後ろにいるでしょうか

どう思われます?
不思議だと思いません?

さっき、前でした。
逆側に回り込んだんだから
後ろでも良さそうですよね。

前だと思うんですよ。

教卓の前で熱弁をふるう
しっくりきません?
いつもの位置。

じゃあ、教卓の後ろってどこよ!

教えて教えて。
金田一先生っ

こんな面白い問題を出しておきながら

日本語で、前というのは
非常にあいまいな場所です。

答無いんかいっ

もう一例
親戚のおじさんが危篤になったので
あなたが駆けつけた。

「おじさんの前に立って顔を見せてあげて」

さあ、どこに立ちますか。

おじさんの前だから、足のつま先の辺り?
そんな訳無いよね

おじさんから顔が見えやすいおじさんの横ですよね。

ここ、前じゃなくて横だから
おじさんの横に立って、って言い直してよ!
って言う人はいません。

うん。
前は確かにあいまいだ。

縦と横
金田一先生のおっしゃるには
日本語の縦と横は、欧米人にはなかなか理解しにくいものらしい。

この言葉を教えると、ひとつひとつの品物について、
コレハドッチデスカ、タテデスカ、ヨコデスカ
と聞いてくるんですって

やいこしいわぁ、外国人。

プログラム組んでると、良く出くわすのが
height width ですけど
ちょっと違うという事なんでしょうね

辞書的には縦って、立体的に上に伸びていっている時だけど
例えば縦列なんていうのは、縦に積み上がっていない

結局、金田一先生のおっしゃるには
日本語の場合
両目を繋げた線に直角に交わるのが縦で
平行なのが横

もの自体ではなく
自分の目との関係なんですって
さすがは金田一先生
これは明確

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