薬の弊害

薬の弊害ってどういうことがあるでしょう。

治らないということ
体は自分のことを一番分かっているので、例えば体温を上げるべき時か下げるべき時かを判断して頑張っています。
例えば熱が出るって、熱に弱い外敵をやっつけるため、必要があってやっていること。
なのに、薬はわざわざ逆をやるわけですから、良くなろうはずがありません。

安保先生が一番体に悪いと言っておられる消炎鎮痛剤というのがあります。
例えば湿布薬もその一つですが、肩こりで湿布薬を貼ったとします。
消炎鎮痛剤は、プロスタグランジンというホルモンを押さえる働きがあります。

肩こりは、交感神経が優位になり過ぎて血行が悪くなっている状態です。
すると体は、何とかしようと副交感神経ががんばり始めます。
その時、ブロスタグランジンが分泌されるのですが、プロスタグランジンは、
 1.血管を拡張させる
 2.痛みを起こす
 3.発熱させる
という働きがあります

血流が悪いと患部が重くなりますが、体はそれを治そうとし、その過程で痛みを伴います。
重さが痛さに変わるわけです。
重いことが悪いことなのに、痛いことが悪いことだと勘違いし、消炎鎮痛剤を貼ったり飲んだりしてしまうのです。
すると正義の味方プロスタグランジンは押さえつけられ、結果痛みは消えます。
治ったと思ってしまいますが、原因の重みは治っていませんので、薬が切れたころに、プロスタグランジンががんばり始めます。
「あれ、また痛くなってきた」と「よく効いた」はずの消炎鎮痛剤にたよる。
いたちごっこです。

より悪くなるということ
真の原因を治さずに現象のみを押さえつけるわけですから、真の原因はどんどん悪化していきます。
さらに、薬は体に悪影響を与えます。
例えば、抗がん剤は、がん組織を破壊する力がある薬ですから、周辺の組織に悪影響がないわけがありません。

免疫力が強化されないということ
体の免疫機構も、経験を重ね、強化される必要があります。
それをいつも邪魔されるわけですから、強化されようがありません

薬は使っちゃいけないの?
全てが全てそうなんでしょうか。
安保先生もそうは言っていません。
大きなひとつの基準は、急性か慢性か。
急性で症状が強い場合は、そうも言っておられない場合って言えます。
まずは、自分でなんとか我慢できるレベルにしておいて、あとは免疫システムを信じ、がんばってもらう。

ただ、慢性の場合で、薬を飲み続けている状態ってやっぱりおかしい。
免疫システムの出る幕が常にない。

理論と現実の狭間ってのも、私も経験していて、
今回は長引き過ぎてるから、一旦飲むか、ってのもありました。
その辺は自分で判断せざるを得ないんですが。

「入るカロリー」-「出るカロリー」論が教えてくれないもの

「入るカロリー」-「出るカロリー」
ダイエットでの大原則は
「入るカロリー」-「出るカロリー」=脂肪蓄積
この理論に、真っ向から異を唱えた理論に最近出会いました。
結論的には、私自身納得のいくものでなく、とても残念だったのですが、
なぜ、その理論に大きく魅力を感じたかと言うと、
「入るカロリー」-「出るカロリー」理論に、前々から違和感を感じていたからです。

ダイエットの特に運動の方で、効率よくいっぱいカロリー(エネルギー)を消費できるかということを話題にします。
なんか違和感あると思っていました。

なんで、せっかく食べたものをそんなに必死で消費しなくちゃいけないの。
そしたら、半分だけ食べて、半分だけ動けばいいじゃない。
基礎代謝があるというなら、「基礎代謝+ほんとの最低限」だけ動いて、それに相応するだけ食べればいいじゃない。

もし、とかく食べ過ぎちゃうから、的なことを言うんだとすると、とても違和感がある。
人間の体はとても精巧にできているのに、必要以上を「空腹」で要求するだろうか。
お腹いっぱいの段階で、必要な量なんじゃないか。
よくいう満腹中枢の時間差論も、この答えとしてはどうかなと思う。
こんだけ長い間の歴史のある人間のからだ。
それぐらいのこと、計算に入れていてもおかしくはない。
本当のところの、食べる適正量って、どうなんだう。

お腹いっぱいは適正なんじゃないか
10-10は0。
7-7も0。
「入るカロリー」-「出るカロリー」論は、この両方を同じく扱うことに問題があると思う。
10-10は必要なんじゃないか。

いっぱい体に関する本を読んでいく中で、免疫、特に睡眠に答えがあるような気がする。

単純に言うと、動かなきゃダメ。

10-10が、9-9になり、7-7になり、5-5になって、0-0になったのが「死」なんじゃないか。
この数字が「若さ」かもしれない。

山高くして谷深し
これが、いっぱい免疫や睡眠の本を読んだ結論。

昼間、いっぱい動いて、交感神経を優位にする。
寝る時間に向かって、ゆったりし、副交感神経を優位に持っていく。
体が疲れていると、ぐっすり眠れるから、深い睡眠を得られる。
結果として、副交感神経はちゃんとバランスする。
そして、体を再生するために必要な、成長ホルモンや抗酸化作用のメラトニンが多量に出て、体を健康にしていく。

山低くして谷浅しではこれができない。

体を構成する60兆個の細胞は、常に死滅し、生成されて入れ替わっている。
睡眠中の成長ホルモンが出ないとそれが出来ない。
常に健康に体を保つためには10が必要なんじゃないだろうか。
ここでいう10は入るカロリーでいうと「腹いっぱい」
百歩譲って、満腹中枢時間差論があるとすれば、その時間差分を考慮に入れて腹9分くらい。
腹8分より多く食べて、多めに運動して、医者いらず。

違和感の原因
「入るカロリー」-「出るカロリー」を言う時って大体、「両方必要です」、から始まる。
「入るカロリー」を押さえて、は、必要ない。
「入るカロリー」は一定で、から始まっていい。
見合う運動をしましょう。

もう百歩譲って
とは言え、もう百歩譲っちゃいましょう。
体が要求する「腹いっぱい」は正しい量だとしても、ほんとにそれだけを、それだけだけ食べているんだろうかという疑問。
言いたいのは、間食です。
自分の実感として、ダイエット前は「腹いっぱい」をちゃんと意識せずに食べていた気がする。
間食でだらだらだらだら。
三度の食事は、お腹が空いていないうちにやってきて、お腹いっぱいなんだかどうなんだか。
間食まで含めれば、一日トータルでは取りすぎていたかもしれない。
これは、長い間に形成された人間の体の仕組みにはなかった食べ方なんでしょう。

さらに、私特有かもしれないけど、砂糖入りの飲料(ジュース)
喉が渇いたから、あるいは落ち着かないためすっきりしたくて飲む飲料に含まれているカロリー。
これも、長い間に形成された人間の体の仕組みから、想定外かも。

かくして、この二つを取り除けば、「腹いっぱい」でも適正量。
実際に18kg痩せた時の実感とも、ぴったり一致します。

免疫の仕組み

免疫系
免疫とは、細菌やウィルスなどの外敵から体を守ったり、体内で生まれるガン細胞を攻撃したりして、病気を防ぐ仕組み。
この仕組みの中で、中心的な役割を担っているのが、白血球と呼ばれる血液内の細胞です。
血液中には、赤血球も存在し、その役割は酸素と炭酸ガスを運搬します。
免疫というと実はこの「免疫系」だけではなく、内分泌系(ホルモン)や自律神経、皮膚や鼻、口等、いろんなところと深く絡んできます。

白血球
約60%の顆粒球、約35%のリンパ球、約5%のマクロファージに分かれます。
重要なのは、それぞれの割合が増えたり減ったりすること。

顆粒球
真菌や細菌など、サイズの大きな異物を処理する係です。
頻繁に入れ替えられ、寿命は2~3日と短命です。
外敵を倒すときと、寿命が尽きたときに「活性酸素」という毒性の強い物質が放出されます。
活性酸素は強力な酸化力を持ち、正常な細胞まで破壊してしまう。
私たちの体の中には、活性酸素を無毒化する仕組み(メラトニンというホルモン等)があるのでバランスが保たれていれば問題がありません。
しかし、バランスが崩れ顆粒球が増えすぎると、体内のあちこちで組織破壊が行われるようになります。
増える要因は、自律神経系によるのです。
自律神経のうち、交感神経が優位に立つと顆粒球が増えることになります。

リンパ球
ウィルスなど小さい異物や、ガン細胞、老化した細胞を処理します。
リンパ球には、様々な種類があり、ガン細胞を得意とするのがNK細胞とNKT細胞(骨髄で作られる)。
さらにT細胞とB細胞は、外界から侵入してくるウィルスや細菌、花粉など、微小な異物を攻撃するとともに、ガン攻撃にも重要な役割を果たします。
B細胞は骨髄で作られる。T細胞は胸骨の後ろにある「胸腺」という小さな器官で作られます。
自律神経のうち、副交感神経が優位に立つとリンパ球が増えることになります。

マクロファージ
マクロファージはアメーバのような形をした細胞で、サイズの大きな異物を食べて殺したり、細胞から出た老廃物を食べて処理します。

自律神経と免疫
自律神経とそれぞれ(顆粒球とリンパ球)の割合の変化を説明しましたが、
この割合は、一定の範囲である必要があります。
いずれかが、多くなりすぎるとせっかくの免疫機能が逆に「行き過ぎ」になります。

顆粒球増えすぎ型
顆粒球は外敵がやってくると増えるので、その分にはとてもありがたい存在です。
ところが困るのが、交感神経が優位に立ったことで増えすぎる顆粒球。
先ほど説明した通りですが、特にストレスという原因です。
過度なストレス→交感神経優位→顆粒球増えすぎ→活性酸素大量発生→組織が破壊
敵をやっつけるため必要なので毒を作るのですが、ストレスって実在する敵はいませんので作った毒でもって自分自身が破壊されてしまう。
歯槽膿漏、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、痔疾、骨髄炎、膵膿瘍、卵巣嚢腫などです。

リンパ球増えすぎ型
逆にリンパ球が増えすぎても病気になります。
現代社会は、頑張りすぎて、交感神経が優位に立ちすぎ、顆粒球増えすぎ型ばかりが問題になると思いきや、そうでもなようです。
高度成長期を超えると逆パターンが目立ち始めた。
色んなことが豊かになり、楽になりすぎた。
そうすると、副交感神経が優位になりすぎ、異物に対して過剰に反応し、アレルギー性の疾患をおこします。
アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、花粉症などです。

どうすればいいのか
メリハリです。
体を使って動いている昼間は、交感神経優位型です。
ここを目一杯ちゃんとやると、山高ければ谷深し。
ぐっすり眠ることができます。
そうすると副交感神経が優位になってちゃんとバランスします。

体を動かさないストレスが原因での交感神経優位で、昼間を送ってしまうと、
体が疲れていないので、ぐっすりと眠れない。
そうすると、副交感神経がバランスとれるほどに優位に働かず、バランスとして交感神経優位型に振れていってしまう。
睡眠中に大量に出るはずのメラトニンがあまり出ずに、活性酸素を無毒化できない。

また、体をそう動かさないけど、ストレスがそうあるわけでもない場合は、昼間自体が交感神経優位に振れず、全体として、副交感神経が常に優位になってしまう。

昼間、きっちり体を動かして、夜ぐっすり。
これが免疫にとても大事です。

病気を自分で治すということ

健康を考えるとき、やはり一番大事なのは、「病気を治す」こと。

セルフケア
まず、第一の視点は、病気を治すのは、自分の体か医者や薬かという視点です。
もちろん答えは両方なのですが、最初は自分の体です。
自分の体に、病気を治す力があるのだということを認め、信じ、うまい使い方を理解してやってみる
それでもダメな場合とか、急性である場合、痛みが大きく耐えられない時に補助的に使う場合にだけ、薬やお医者さんが有効だということです。

不快な現象は必要だから
発熱、痛み、腫れ等の不快な現象は実は必要だから体が行っています。
例えば、熱に弱いウィルスをやっつけようと体が発熱して頑張っているのに、解熱剤を飲んでしまっては、体にしてみれば「何いらんことしてくれてんねん」という話です。
いったん熱が下がると治ったと思ってしまいます。
高血圧だのコレステロールだのも必要だから体ががんばっている証拠なのです。
もう一つ先に本当の原因があるのです。
それを改めずして、現象だけを押さえてしまうのが「薬の弊害」なのです。

ではどうして治すのか
頑張っている体の治癒力を後押ししてやることです。
1.交感神経と副交感神経のどちらにも偏りすぎないようにバランスをとること
現代人は交感神経に偏りすぎているので、副交感神経を優位にすることが必要だという言い方をしがちですが、どうもそうではないようです。
 ストレスが多いという意味では、交感神経優位というのは現代社会の特色であることは事実です。
 ただ、一方で、豊かになりすぎた現代社会では、体を動かすことをしないでも車とかで移動できてしまう。
 いろんなことが便利になり「自動的」にいろんなことができる。即ち甘やかされている社会だというのです。
 ぼーっとした生活、何となく一日が過ぎていく生活もできてしまう。
 そういう生活をしていると、副交感神経が優位になります。
 実は副交感神経が優位になりすぎても、免疫力が低下するのです。
 まずは、自分がどちらに偏りがちなのかを理解しておくことです。
 大きく白血球が関係してくるのですが、長くなりますので、別ページで紹介します。

2.メリハリをつけること
 一日の内で、交感神経の優位になるのは昼で、副交感神経が優位になるのは夜。
 山高ければ谷深し。
 昼間に交感神経をきっちりと優位にしてやらないと、その反動の副交感神経が「頑張んなきゃ」と思わず、夜の副交感神経がそこそこにしかならない。
睡眠再生工場が頑張って病気を退治するためには、睡眠中は目一杯副交感神経に頑張ってもらわないといけません。
ストレスとかで精神的に疲れるのではなく、体がちゃんと疲れてこそ、ぐっすり眠れるというのは実感していると思います。

3.呼吸法と瞑想
 副交感神経を夜に優位に立たせるためには、やっぱり呼吸法です。

4.瞑想
そして極め付けが瞑想です。

5.温める
免疫に関する第一人者、私が大好きな安保先生が強調するのが体温です。
 免疫力が発揮されるためには体温が高い必要がある。

6.強化
 今までは、「免疫」からの視点です。
 病気の予防まで含めると、筋肉強化や、心肺機能の強化というのはやっぱり必要です。