免疫の仕組み

免疫系
免疫とは、細菌やウィルスなどの外敵から体を守ったり、体内で生まれるガン細胞を攻撃したりして、病気を防ぐ仕組み。
この仕組みの中で、中心的な役割を担っているのが、白血球と呼ばれる血液内の細胞です。
血液中には、赤血球も存在し、その役割は酸素と炭酸ガスを運搬します。
免疫というと実はこの「免疫系」だけではなく、内分泌系(ホルモン)や自律神経、皮膚や鼻、口等、いろんなところと深く絡んできます。

白血球
約60%の顆粒球、約35%のリンパ球、約5%のマクロファージに分かれます。
重要なのは、それぞれの割合が増えたり減ったりすること。

顆粒球
真菌や細菌など、サイズの大きな異物を処理する係です。
頻繁に入れ替えられ、寿命は2~3日と短命です。
外敵を倒すときと、寿命が尽きたときに「活性酸素」という毒性の強い物質が放出されます。
活性酸素は強力な酸化力を持ち、正常な細胞まで破壊してしまう。
私たちの体の中には、活性酸素を無毒化する仕組み(メラトニンというホルモン等)があるのでバランスが保たれていれば問題がありません。
しかし、バランスが崩れ顆粒球が増えすぎると、体内のあちこちで組織破壊が行われるようになります。
増える要因は、自律神経系によるのです。
自律神経のうち、交感神経が優位に立つと顆粒球が増えることになります。

リンパ球
ウィルスなど小さい異物や、ガン細胞、老化した細胞を処理します。
リンパ球には、様々な種類があり、ガン細胞を得意とするのがNK細胞とNKT細胞(骨髄で作られる)。
さらにT細胞とB細胞は、外界から侵入してくるウィルスや細菌、花粉など、微小な異物を攻撃するとともに、ガン攻撃にも重要な役割を果たします。
B細胞は骨髄で作られる。T細胞は胸骨の後ろにある「胸腺」という小さな器官で作られます。
自律神経のうち、副交感神経が優位に立つとリンパ球が増えることになります。

マクロファージ
マクロファージはアメーバのような形をした細胞で、サイズの大きな異物を食べて殺したり、細胞から出た老廃物を食べて処理します。

自律神経と免疫
自律神経とそれぞれ(顆粒球とリンパ球)の割合の変化を説明しましたが、
この割合は、一定の範囲である必要があります。
いずれかが、多くなりすぎるとせっかくの免疫機能が逆に「行き過ぎ」になります。

顆粒球増えすぎ型
顆粒球は外敵がやってくると増えるので、その分にはとてもありがたい存在です。
ところが困るのが、交感神経が優位に立ったことで増えすぎる顆粒球。
先ほど説明した通りですが、特にストレスという原因です。
過度なストレス→交感神経優位→顆粒球増えすぎ→活性酸素大量発生→組織が破壊
敵をやっつけるため必要なので毒を作るのですが、ストレスって実在する敵はいませんので作った毒でもって自分自身が破壊されてしまう。
歯槽膿漏、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、痔疾、骨髄炎、膵膿瘍、卵巣嚢腫などです。

リンパ球増えすぎ型
逆にリンパ球が増えすぎても病気になります。
現代社会は、頑張りすぎて、交感神経が優位に立ちすぎ、顆粒球増えすぎ型ばかりが問題になると思いきや、そうでもなようです。
高度成長期を超えると逆パターンが目立ち始めた。
色んなことが豊かになり、楽になりすぎた。
そうすると、副交感神経が優位になりすぎ、異物に対して過剰に反応し、アレルギー性の疾患をおこします。
アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、花粉症などです。

どうすればいいのか
メリハリです。
体を使って動いている昼間は、交感神経優位型です。
ここを目一杯ちゃんとやると、山高ければ谷深し。
ぐっすり眠ることができます。
そうすると副交感神経が優位になってちゃんとバランスします。

体を動かさないストレスが原因での交感神経優位で、昼間を送ってしまうと、
体が疲れていないので、ぐっすりと眠れない。
そうすると、副交感神経がバランスとれるほどに優位に働かず、バランスとして交感神経優位型に振れていってしまう。
睡眠中に大量に出るはずのメラトニンがあまり出ずに、活性酸素を無毒化できない。

また、体をそう動かさないけど、ストレスがそうあるわけでもない場合は、昼間自体が交感神経優位に振れず、全体として、副交感神経が常に優位になってしまう。

昼間、きっちり体を動かして、夜ぐっすり。
これが免疫にとても大事です。

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