ねずみ小僧と目安箱

日曜日、TBSラジオの安住紳一郎の日曜天国に、歴史学者の磯田道史さんが出演

とても面白い話だったので、ご紹介します。

日曜天国
毎年一度ずつ、もう8回目のご出演です。
さて、磯田先生がご出演されたときは、この一年で面白い古文書は発見されたか、
お聞きするのが恒例になっています

ありました。新聞報道級のすごいのがありました。

目安箱
目安箱はご存じの通り、8代将軍吉宗が始めたもんですが
明治維新当時、まだ戊辰戦争でドンパチやっているときに
実は、新政府も京都に目安箱を置くんですね。

でも中身までは分からなかったんです
その中身が綴られた束を、今回京都の古本屋で見つけたんです。

へえ
それは、どういった形で売られてたんですか

いやあ、領収書の束みたいな感じで
先生これなんやろねぇ
って言われるんで
あなたこれ、すごいもんですよ
目安箱の中身ですよ、って

目安箱とは書いてなかったんですか

箱訴と書いてありました。
箱訴というのが目安箱だとは専門家しか知らないんで。

どんな事が書いてあったんですか

学問的に言うと、明治が始まったばかりの頃に市民は何に期待していて、
何に不満を持っていたかが分かる訳なんですが
一番多いのは、いわゆるチクリです。
誰それ、と言う役人は、どこそこで芸者をあげて遊んでばかりいる
辞めさせろと

次に多いのが貨幣に関して。
明治になって小判ではなく紙幣を出すんですが
これがすこぶる評判が悪い
額面通りには使えなくて、何とかしてくれと。

すごいなと思ったのが学校に関して。

実は、京都というのは、政府の教育改革より前に
民衆が勝手に学校を作っちゃうんです。
それが、逆に全国レベルに発展していくんですが
学校に関する具体的なプランが出されている。

(それまでも寺子屋や手習いは民衆が勝手に作っているので、無償という意味だと思います)

まずは、政府が住宅を立てる、それをいくらの家賃で売り出して
これだけの収支になるから、長期に渡って学校の維持が可能になる
政府に要望を出すんじゃなくて、こと細かに提案として提出している
それが一通ではなく何通もある。
教育に対する意識の高さがすごくよく分かります

それが、明治維新のエネルギーとなり、今に繋がるんですね。
それは、いくらぐらいでお求めになったんですか

いやあ
実際、新聞が6社くらい取材に来たほどのもんですからね

これすごいもんですよ
私が買うとしたらいくらぐらいで売ってくれますかと

一万円って言うんですよ。
一万円で買っては帰ったんですが
いくらなんでもまずいと思って、その10倍以上のお金を持って翌日行ったんですよ
そしたら、受け取ってくれない。
こっちもどうしても、と言って無理矢理おいてきましたけどね

いやあ、先生も素晴らしいですね

でも、京都の資料館に寄付しちゃったから丸損なんですけどね

ねずみ小僧
あと面白かったのが、ねずみ小僧の資料。
これは、神田の古本屋に出ていたんです。
今日、お持ちしたんですけど。

ねずみ小僧に関する裁判の記録を抜粋してまとめてある。
ねずみ小僧って、義賊と言われていますよね

はい、金持ちから盗んで貧しいものに分け与えたって

それは、お話だけど
多少はそういうところもあったんじゃないかと、淡い期待を持って調べたんです

どうだったんですか

見事に期待を裏切られました。
あいつは悪いです。

ほう

全て武家屋敷に入っているんですけど
3つのうちのいずれか
奥向きか長局(ながつぼね)かあとは金庫

奥向きは奥さんのいるところ
長局は女中さんのいるところ
即ち女性のいるところばっかり

そこで暴行をはたらいた?

それはどうもないみたい

確かに武家屋敷では見つかると刀で殺されちゃうから
女性のところの方が安全とは言えるけど
ここまで、奥向き長局奥向き長局って続くと
どうしても変態チックな何かを感じますよね

おっと、いかん
これ、学会にもまだ発表していない。
言っちゃった。

(みなさんくれぐれも、ここだけの話ということでよろしくお願いします)

この後本来のテーマ、関が原に入っていくんですが
長くなりますので、またの機会にいたしましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です