[昭和歌謡]62 赤とんぼの唄

昭和ヒット曲全147曲の真実シリーズ

赤とんぼの唄
あのねのね
作詞 清水国明 作曲 原田伸郎
1973年

♪赤とんぼ 赤とんぼの
羽根を取ったら あぶら虫

不思議な歌でした。

仲の良い友達同士でワイワイ騒いで夜中になって
とても変なテンションになり
一人が言い出したちょっとした事が大爆笑になって

無茶苦茶おもろいっ

明くる日になってあれは何だったんだろうって
若いときにはよくあることです。

なぜかそれが、世の中に出ちゃった。
そんな歌ですね

ところが、不思議な事に仲間内だけのノリが
全国の若者のノリに直結して

無茶苦茶おもろいっ

になっちゃった。

当時、若者の端くれだった私には、何が面白いんだかさっぱり分からなかったんですが

ノリってものは元々そういうもので
何が面白いんだか、なんて考えてはいけませんね

赤とんぼの羽根を取ってもあぶら虫になるわけないやん
色も形もちゃうがな

と言ってしまえば、そこで終わりですから。

こんな事は最近の話でもなくて
昔からあったことのようです

江戸の恋川春町の戯作本
「」なんてまさしくそれ

ストーリーは極めて単純で
茶屋で団子頼んだ主人公がうとうとしちゃって、夢を見る
その中で遊び呆けて、親に勘当されちゃう
ふと目が覚めて、ああ夢で良かった。

ただ、それだけ

そこから、黄表紙なる一ジャンルが築かれたほどの歴史的大ヒットになるんだけど
今の人が読むと、面白い要素は何一つ感じられない。
どうも、ちまたでその当時流行っていた流行語があちこちに散りばめられているようで
みんな大爆笑しながら読んだらしい。

当時から今まで、全く進歩なしかい、って
なるけれど

「世の中のためになる」「心揺さぶられる」みたいな
ちゃんとしたこと、と
取るに足らないこと、って
ひょっとしたら両輪で

取るに足らないことは、
どんなに時代が進歩しようが、同じように繰り返す。
人間ってそんなもん。
じゃなきゃ、息詰まるよね。

プハーっ

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