家康13 信雄、何すんねん

家康12 天下の愚策
の続きです。

ずっとにらみ合いを続けていた、小牧。
突然大阪に帰っちゃったところまででしたね

秀吉は、
もう降参、とはもちろんなりません。

家康を見くびっていたかも知れん。
ここまでとは思わなんだ
こうなったら、にらみ合いは続けつつも
大きくターゲットをシフトする。

織田信雄(のぶかつ)
信雄家康連合軍の一方、信雄の方を落とす。

信雄領の城をガンガン攻めて、どんどん落とす。
家康への対峙は緩めないので家康は動けない。
初戦からすでに200日を越えています。

信雄からは応援要請がいっぱい来ており
家康としても、そっちにも兵力を割く必要がありそうだと考えて準備を始めた。

次なる一手
そろそろか

天才秀吉の次なる一手

敵を欺くにはまず味方から。
富田左近将監と津田右馬允を呼ぶ
古くから信長に仕えてきた二人

信長様はいかに素晴らしいお方であったか
涙ながらに語る。
いつでも涙を流せる名優です。

二人も、感極まり、畳に突っ伏して大号泣。

何かの間違いで、今このような状況にはなってはおるが
信長様への恩は、信雄様への恩とあいたがわぬ。
全く本意ではござらん。

お任せ下さい。そのお役目。

早速、信雄の元へ

涙の語りが通じ、講和成立。

信雄の本音は、「待ってました!」

領地のやり取りについては、秀吉側に有利ではあっても、飲めない範囲ではない。
信雄の娘を秀吉の養女とする。
信雄の家臣の子弟を人質として差し出す。
これだけ。

徳川殿に相談してから、という言葉はついに最後まで出なかった。

二日後に家康の耳に入った時、信じられなかった。
何かの間違いであろう。

でもそのあと、正式な使いのもの
かような次第にて。

絶望

憤りとかそういうのじゃなくて、ただ絶望。

随分周到に準備した
頼りない同盟相手ではあっても、勢力的には徳川領に匹敵し
ちょうど倍になる計算。
もし、この同盟がなければ、討っては出なかったろう。

しかも、ごそっと敵側に回る訳だから
どう強がっても勝ち目はない。

長きに渡って続けて来た、小牧長久手の戦い。
秀吉、家康、どっちの勝ち、と問われれば家康だろう。
であるが故に、返す返すも残念でならない。

いずれにしてもこの先の行動を決めねばならぬ。

そういうと、似たような事が過去にあった。
あの時は、石川和正の発案に救われた。
白黒はっきりせず、時間稼ぎをする案

石川を呼べ

秀吉の元へ
今回の和睦、天下万民の悦びでござる

こう伝えよ

はっ

われらが主人にありましては、
御両家のこのたびの事、あらあらめでたや、
かほどにめでたきことなし、
とそのことのみ申しておりまする

そうか。三河殿も喜んでくだされたか

満面の笑み。

ならば、天下鎮静のために、三河殿もわがほうへ養子を送らるるや

ありゃっ
こりゃ想定外
そんな問いへの答えはもらってきていない。

どうする数正

於義丸(おぎまる)(のちの結城秀康)さまをご養子にしていただきとうございます

判断
少し考えさせてくれ

結論は分かっている
人質は出さざるを得ない。

だが

それだけのこと。

普通、それは秀吉の傘下に入ることを意味する。
でも、家康はそうとらえなかった。
というか、そうしなかった。

通常なら、家康が連れていく。
でも、そうしなかった。
大阪へは行かぬ。

さて、先程の石川数正の答えだが
秀吉にある思いを起こさせた。

こやつ、崩せる。

手紙を書かせた。
数正から秀吉にあてた手紙に対する返信。
数正はそんな手紙は書いていない。

とても婉曲な表現ではあるが
内容は、数正が秀吉に内通していると思わせるもの。
いざとなれば言い逃れできるように、自分自身では書かない。

その手紙をわざと見つかるような場所にぽいっと置いてくる。

家康は、そんないかにも胡散臭い手紙ははなから相手にしない。

幹部たちも信じた訳ではないけれど
何かというと秀吉に好意的な数正のことを快く思っていない。

ひょっとしたらと、心のどこかでは思っている。
遠巻きにし、真綿で絞めるような、ねちぃっとした四面楚歌。

そんな空気を知らない家康。
於義丸の付き添いは、当然のように数正
数正は、さらに自分の子供まで差し出した。

石川数正は、徳川にとって特別な、発祥の場所、岡崎城の城主
いかに信頼されているかが分かるだろう。

ところが
付き添いのちょうど一年後、
妻子だけを連れ、岡崎城を逃げ出し
秀吉の元に走る。

悲しいですね
それなのに秀吉陣営の中で、歴史的にこれといった働きをしていない。
先に人質で行った息子の方は、それなりに活躍したんですが。

一旦区切りましょう。
続きは、シリーズの次回。

索引はこちら
[徳川十五代将軍]シリーズはこちら(少し下げてね)


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