関西人、その不可思議なるもの(値切る)

前回、関西人の「もったいない」の気質をお話ししました。
そこに、付随する話です。
ただ、正直言うと、「今はどうなんだろう」と思ってます。
私は、東京に出てきてから、30年以上。
その間に、対面販売自体が少なくなってきていますから。
古き良き風習に想いをはせて、みたいになっちゅうのかな。
くれぐれも「良き」風習だと私は思っているので、お間違えなきよう。

あと、「関西人」って一くくりにしないでって意見もあったのですが、見逃して欲しい。
関東に出てきている関西人は、関東に馴染みつつも忘れちゃならないふるさと。
どうしても対比で考えちゃうってことがあります。
また、私は、兵庫県の加古川なので、大阪人って言えない。
頼むから、一くくりにさせてよ、大坂さんって感じ。

値切らざるを得ない
どうも、全国の人は関西人が値切るのが好きだと思っているらしい。
また、ちょっとでも安く買おうと意地汚いと思っている人もいる。
まあ、間違いって訳じゃないんだけど、「値切るのが好き」というより、「値切らざるを得ない」の方が近い。
もし安く買えるんならそれに越したことはないんだけど、実は安く買えるとは、はなから思っていない。
ゆうてみるだけ。
なんでそんなことをするのか。

失礼
失礼だから。

ほぼ初対面の人とたまたま2人キリになってしまったとして、何もしゃべらんかったらきまづいでしょう?
その感覚にかなり近い。
関西の商売人は、相手が値切ってこなかったら、何か失礼なことをゆうてしまったんじゃないか、そそうがあったんと違うやろか、と気に病んでしまう。
「もうちょっと、まけてーな」
「お客さん、そらまたご勘弁。ギリギリでやらしてもろてます」
ここまでがワンセットのリズムです。
コミュニケーションっちゅうやつです。

この前も東京に戻ってくるとき、JRの窓口で新幹線代を値切りました。
売る方も、さすがにあんまり言われないらしく大喜び。
「お客さん。ここJRでっせ。大したもんでんな」
「ほんまか、知らなんだ」

困るのが関西以外の人。
値切ったら、そのまま真に受けていやーな顔をする。
まけられない理由を一生懸命考えようとする。
「いやいや、すぐに断ってもろていいんやけど」

まけることの意味
とはいえ、全国の人からすると何かよく分からん。なんでそんなことするの。
実は私自身、この本当の意味に1年ほど前にようやく気付きました。
遅っ。今頃かいな。

値切る。売る方からすると「まける」
「まけてーな」「ええいっ、おおまけにまけて」

いつも使っている言葉ながら、漢字を意識したことがなかった。
漢字で書くと「負ける」
この「負ける」なんですわ。

関西は、商売人の町。
相手=お客さんを勝たさんといけません。
「もう、勘弁しとおくんなはれや」
完敗ですと、あんたはんの勝ちですと、気持ちよくなってもらわんといかんのです。

おれがおれが
関西人はほとんどの人が「おれがおれが」の性格。
となったら、ジコチューなんかなと思われがちです。
でも、実は、わろうてもらうための「おれがおれが」
自虐ネタを使い、自分は「負ける」ことによって、気持ちよく「笑ってもらえる」かを常に考えている
自分でも無意識のうちに、出ると引くをバランスしているのかもしれません。

おれがおれがのくせして、いざ自分が中心になるとむず痒くなってくるから、あんまり政治の中心にはなれん。
むちゃくちゃちょっとの差で、大阪都にならんっちゅうのは、大阪人の判断としてはある意味大阪人らしいのかも知らん。
久々に政治がおもろかった。ええんちゃう?。
橋下ッさん、あんたのおかげや。賛成派も反対派もそう思ってるんちゃうやろか

関西人、その不可思議なるもの

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