関西人、その不可思議なるもの(納豆)

多くの関西人にとって、納豆は未知なるもの。
今でこそ、関西でも納豆が食べられるようですが
私の小さい頃は納豆は遠い世界の存在でした。

東京に行く前の納豆について知っていた情報は。

1.甘納豆ではない。
2.豆が腐っている。
3.箸を回しながら食べるらしい。

これだけの情報を引っ提げ、いざ東京へ。

おばさん
大学で東京に出てきてすぐは、親戚のおばさんのところにご厄介になることに。

何か食べたいもんある?
なっとーっ
そんなんでいいの?遠慮せんでええんよ。
なっとーというものを、食べてみたかったんよ。

一番高い、藁につつまれたやつを買ってきてくれました。
うわあっ。なにその臭い。豆が腐ったような。

その情報は分かっているはず。

これ、食べなあかんのん?
あんたのリクエストでしょうに。

失礼極まりない、甥っ子は、近づくことができずに、撃沈。

挑戦
その後、独り暮らしを始めることになりました。
男子学生のビンボーな独り暮らし。
安くて、調理不要で、栄養がある。
納豆は何としても克服すべき大きな課題です。

よしっ、今日は体調もいいし挑戦してみるか
やっぱり臭いだけで、ひと粒も食べられず断念。

よしっ、今日は体調もいいし挑戦してみるか
えいっ。
やったー、一粒食べれたぞ。
ああ、でもだめ。息が続かん。

よしっ、今日は体調もいいし挑戦してみるか
3粒だっ。
ぷはーっ。息苦しい。

という事を1ヶ月くらいごとに繰り返し。

いよいよその日が
挑戦を始めて6ヶ月くらい経ったと思います。
なんだろ、このひきわり納豆っというのは。
たれつきと書いてあるぞ。
よしっ、今日は体調もいいし挑戦してみるか

こ、これはっ。
うまいやん。

神様、今まで見守ってくれてありがとう。
私は納豆が食べられるようになりました。

好物
それから、急に好物へと変化します。
ひきわりでなくても大丈夫。

食事時でなくても、寝る前とかに、デザートとして食べます。
欠かさず毎日です。
せっかく苦労して食べられるようになった納豆。
飽きてしまっては困ります。
付いてくる小袋のからしは、基本入れないようにして、
このままでは飽きてしまうかもという危機感迫るときのみに入れるようにします。

しかし、なんでこんなに納豆っておいしいんでしょうね。
安いからこの位置に甘んじているけど、
もし高かったら、世界三大珍味の一角を担ってもおかしくないと思います。

里帰りした時
ねえねえ、お母さん。
納豆やけど、
子供の時、なんで納豆が出てこないか聞いたとき、
一回買ってきたけど、あんたらが食べんかったからやってゆうてたやん。
うん。
東京で、納豆食べられるようになったで。
もう食卓に出してもええで。
ああ、あれな。
ふん。
うそや。
えっ。
うそて。
私が嫌いやから買わへんねん。
自分の子供をだましたんかいな。
そうや。あんなもん、食べられるかいな。

なんと素直であっさりした告白。
反論のしようがありませんでした。

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