[三十六歌仙]3 猿丸大夫。ファンタジーの世界

三十六歌仙シリーズ第三弾

歌は須賀神社の三十六歌仙絵図に出ている歌にしています。
猿丸大夫

真ん中から歌が書かれていて、右軍左軍に分かれた行司役でしょうか

いかんっ
百人一首と同じ歌
ということは解説済み
奥山に もみぢふみわけ 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋はかなしき

そういう時は、猿丸太夫の他の歌で

いかん
他の歌も無いんだった。

なぜなら、猿丸太夫って本当はいないから。
いないくせに、三十六歌仙に選ばれ、百人一首にも選ばれ、
さらに、六歌仙にまで選ばれている。

猿丸太夫って人がいることにしましょ。
その人は、とっても歌がうまいんだよ。
ねっ、分かってるよね

いわゆるお約束
架空の人をでっち上げて楽しんでいる

サンタクロースや、初音ミクや、ウルトラマンみたいな感じ
絶対にいないって言っちゃダメ

奥山の~は、何なのよ
本当は読み人知らずの歌

でも、猿丸集という歌集まである
誰が作ったのか
本当は、万葉集とか古今集とかにある、読み人知らずの歌を集めただけなんだけど
ここはひとつ、乗っかりましょう

猿丸集にある、猿丸太夫の作った、奥山の~以外の歌

をちこちの たづきもしらぬ 山中に おぼつかなくも 呼子鳥かな

(どこがどことも見当のつかない山中で、心もとないさまで人を呼ぶ、呼子鳥であるよ)

これ好きだなあ
どこがどことも見当のつかない山中で、不安げに鳥が啼くって
なんて発想力
さすが、猿丸太夫。三十六歌仙の名に恥じません。

時鳥 なが鳴く里の あまたあれば なほ疎うとまれぬ 思ふものから

(ほととぎすよ、おまえが鳴く里はあちこちにたくさんあるので、やはり疎ましい思いがしてしまうのだ。心は寄せているのだけれども。)

ひぐらしの 鳴きつるなへに 日は暮れぬと 思ふは山の かげにぞありける

(ひぐらしが鳴きはじめたのと同時に日は暮れてしまった――そう思ったのは、実は山の陰だったからなのだ)

良いですね、これ
日暮らしが鳴いている、と思ったとたんに、一瞬にして日が暮れちゃった
オーマイガー、なんて不思議
と思ったら、山の陰になっただけだった
そりゃそうだわな、大爆笑
という歌

さすがは猿丸太夫
どうやってもこんな斬新な歌は作れないでしょう

奥山に、を含め
鳴く、歌4連チャンでいってみました。

[短歌]シリーズはこちら(少し下げてね)

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