[龍馬と女性]お龍。逆鉾は戻したのか

平井加尾
千葉佐那
楢崎お龍その1
の続きです。

霧島登山
お龍のお陰で命拾いした龍馬
傷を負っていましたので、薩摩藩に世話になります。
小松帯刀に誘われて、傷の療養も兼ねた鹿児島旅行に出かけます。

傍らにはお龍
日本初の新婚旅行では?とも言われています。

例によってお姉さんの乙女に、イラスト入りで手紙が出されています。

山深く入って霧島温泉へ行き、
(中略)
ついに頂上まで登って、あの天の逆鉾を見ました。
その形はこんなふうに(図解入り)、確かに天狗の面の形をして両方とも顔がつくり付けてありました。
この逆鉾を動かしてみたらよく動くもので、
またあまりにも両方へ鼻が高く飛び出ているので、そのまま両人が鼻を押さえて「エイヤ」と引き抜いてみたら、わずか四、五尺のものでしたので、また元の通り収めてきました。

ここの部分が、お龍の回顧録「千里駒後日譚」ではちょっと違う

(天の逆鉾について)
私が抜いてみとうございますと言うと、
龍馬は、やってみろ、むつかしかったら手伝ってやると笑っていましたが
田中さんは真っ青になって、そ、それを抜けば火が降ると昔から言っています、
どうぞやめてくださいと言います。
私はなに大丈夫と鉾の根の石をさっさと掻きのけて、一息に引き抜いて倒したままで帰りました。

天孫降臨の地、霧島で日本神話のニニギノミコトが高千穂の峰に降り立ったとき、鉾を山頂に突き刺し、稲穂を撒き散らして霧を払い、この世に光をもたらしたという

この逆鉾を抜いた1年7ヵ月後に暗殺されるのは、果たして何らかの影響を与えているのだろうか

抜いたところまでは一致しているので実際に抜いたのだろうが
さすがにそのままにして帰ったというのはどうだろう。
お龍が話を面白くしてやろうとそう言ったのか

あるいは、その場はそうしておいて、
話に出てくる田中さん(田中吉兵衛)に引き返して直してくれと頼んだか

吉井勇の文章
歌人吉井勇は、子供の頃、父に連れだって鹿児島で
坂本龍馬とお龍と数日間過ごしている

子供心にもお龍は一風変わった女性に見えたようだ
龍馬はピストルの射撃の腕は相当なもので
枝に止まっている鳥ならば十中八九撃ち落とせたらしい

ある日
坂本夫婦と、いつもの森に行った
何か気まずい事でもあったらしく、二人とも妙に沈んでいた。

「お龍さん」
龍馬はお龍の名を呼んだあと、突然森の奥の方をめがけて
突然ピストルを続けざまに2、3発撃った
そして大きな声で笑い出した

はははは、もういいよ、もういいよ、お龍さん。さあ仲直りをしよう

お龍さんの手を握り、龍馬の目から涙が落ちた。

原因は分からないけど龍馬が涙を流すというのはかなりの喧嘩だろう

勝手に原因を憶測するとすると
まず、最初に思い付くのは、お龍が龍馬の身を案じ
もう、危険な事に首を突っ込まないで下さい、と言った。

でもちょっと、もういいよ、の表現に合わない気がする
そういう言い方をする女性に思えないし、龍馬がそこを譲るとは思えない。

とするとあれかなあ
乙女姉さんへの嫉妬
龍馬のシスコンは相当なものですから

お姉さんに毎日手紙を書くのはやめてください、くらいの事を言ったのか。
それ言われると激怒するでしょうね。

いずれにしてもさすがは龍馬
気の強い女性との仲直りの仕方が良く分かってらっしゃる
若干喋らない期間を置くとしても1日以上はダメ
向こうが反省するなんてあり得ませんので、
それ以上は時間の無駄であり、事態を悪化させるだけ。
原因や正しいのがどっちかなんてどうでもよく
ひたすらに自分が折れる。

森に八つ当たりして気持ちを落ち着かせるのも必要です。

さすがに、長い間シスコンやっていただけの事はあります。
女性には絶対服従
基本が分かってらっしゃる。

[歴史]シリーズはこちら(少し下げてね)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です