[龍馬と女性]楢崎お龍。誠におもしろい女

平井加尾
千葉佐那
に続いて3人目
正妻の楢崎お龍です

お龍
龍馬伝では、真木よう子さんでした

例によってお姉さんの乙女に宛てた手紙の内容を、物語仕立てといたしましょう。

花を活け、香をきき、茶の湯をしたりして豊かな家で暮らしていたお龍の楢崎家

23歳の時、お父さんが病気で亡くなる

私がお母さんや妹弟たちの面倒を見ねば
家屋敷をはじめ道具、自分で着るものなどを売って何とかまかなっていた

しかし、ついにどうしようもなくなり、家族別々に奉公することになった

13歳の妹は器量良し
悪者がこの子をおだてて島原の里へ舞妓として売り、
16歳の妹はだまされて大阪に遊女として売られてしまった。

お龍が気づき、自分の着る物を売り、そのお金を持って大阪へ乗り込む

悪者二人を相手に、刃物を懐にして喧嘩をし、とうとう大口論

悪者は腕の刺青の彫り物を見せながら、乱暴な口調で脅しをかけてきた。
おうおうおう

お龍は飛び掛って悪者の胸倉をつかみ、顔を思い切り殴りつけた
お前がだまして大阪に連れてきた妹を返さなければ、命をもらうぞ。

何だと。女め殺すぞ。

殺すか殺されるかではるばる大阪へ来たんだ。
それは面白い。殺せ殺せ。

さすがにその場で殺す訳にもいかず
とうとう妹を受け出して京都へ帰った

龍馬は乙女姉さんに自慢したかったのでしょう
講談の如く書かれています。
手紙は、こう続きます。

今言った女は誠に面白い女で月琴を弾きます。
私の危うきときに助けてくれたいきさつもあるので、もし命があれば何とかして、
そちらに行かせたいと思っています。

どうぞ、帯か着物かひとつこの女にやって下さいませんか。
この女も内々お願いできればと言っております。

今の女の名は龍といい、私に似ています

「私の危うきときに助けてくれたいきさつ」は、例の寺田屋事件でしょうか

寺田屋事件
今度は、お龍自身の回顧談を元に、寺田屋事件

私は、ちょっといっぱい、とお風呂に入っていました

コツンコツンという音
変だなあ

風呂の外から肩先へ槍が突き出されました
片手で槍を捕らえ、わざと二階へ聞こえるような大声で

女が風呂に入っているのに、槍で突くのは誰だ誰だ

静かにせい。騒ぐと殺すぞ

お前さんに殺される私じゃない

庭へ飛び降りて濡れた肌に袷を一枚ひっかけ
帯をする暇もないから裸足で駆け出す

行く手を塞いだ男が

二階に客がいるに違いない、名前を言え

薩摩の西郷小次郎さんと、一人は今来たので名前は知りません。

裏から二階へ上がれるか

表からお上がりなさい

バタバタと駆けていく男たち
お龍は秘密の裏はしごを上る

捕り手が来ました、ご油断はなりません

よし心得た

命拾いした龍馬。
お龍は命の恩人
なかなかの武勇伝
誠におもしろい女、になるのも分かります。

次回は続き、新婚旅行のエピソードと参りましょう

[歴史]シリーズはこちら(少し下げてね)

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