[首相]31-2 幣原喜重郎。象徴天皇制と戦争放棄のセット

[首相]31 幣原喜重郎 まあ、そう言わずに
の続きです。

首相になった幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)
マッカーサーに会いに行きました。
ポツダム宣言受諾から、まだ2ヶ月

ハロー、マッカーサー

オー、シデハラ、ナイストゥミーチュー

ワンツースリーフォーファイブ
わかる?ゴダイカイカクね

幣原に言い渡された指令が、戦後復興に向けた、社会的基盤と諸制度を根本的に変える政策でした。

婦人の解放、労働組合結成の奨励、学校教育の自由主義化、警察・ 司法制度の改革、経済制度の民主化の5項目です。

今思えば、よくもこんなにも根本的なものばかり、一気にと思います。

マッカーサーにとってこの5つの改革は 憲法改正が前提だったので、幣原にはあえ 憲法の自由主義化をも命じました。
婦人の解放
いよいよ、婦人に参政権を与えられることになりました。
加藤高明首相の時に「普通選挙」が実現しましたが
それでも、女性には参政権が与えられていなかったんです。
男女平等
新選挙法下で行なわれた最初の総選挙で39名の女性国会議員が誕生しました。

労働組合育成
新憲法にも 「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」と規定され、これにより1947年(昭和2) 4月7日に労働基準法が公布されました。

教育の自由化
教育の自由化は、1947年3月3日に教育基本法が公布され、
男女共学で義務教育が9年となり、同日、六・三・三・四の新学制の学校教育法が公布されました。

警察・司法制度の改革
警察・司法制度の改革によって、政治犯の釈放をはじめ、
秘密審問司法制度の禁止、特別高等警察廃止、治安維持法廃止など、
戦前からの悪弊を絶ったのです。

経済制度の民主化
経済制度の民主化は、財閥解体と農地改革

GHQには財閥が「日本軍国主義を制度的に支援した」という認識があり、
地主制度もまた軍国主義の一端であるとして、
軍国主義の基盤であった社会構造とそれを支えた経済体制を
根本的に改造するのが目的だったのです。

そして、これらの改革のベースになるのが憲法です

シデハラ、悪いけど、憲法考えてくれる?

憲法
幣原には、実現したい二つの事があった

天皇制の維持と戦争の放棄
天皇制は、彼の頭の中ではもともと「象徴」天皇だった
人間宣言が前提であった

マッカーサーは天皇制の維持に理解を示すが、
国際的にはかなり厳しい状況にあった

そこで、戦争の放棄とのセットにした。
もともと平和主義者ではあったが
戦争放棄なんて、戦前にはとても実現できるとは
彼自身考えていなかった。

ただ、日本は戦争に負けた
戦争に負けた国だからこそ出来ることがあるのではないか

世界に類を見ない「戦争放棄」という考え方

日本国憲法はアメリカから押し付けられたもの、という見方は強いようだ

ただ、どうもそうではない
条文を作ったのはアメリカかもしれないけど

象徴天皇制、と、戦争放棄という考え方は
幣原からマッカーサーに提案されたものだった。

マッカーサーとしては「渡りに船」と
その考え方をベースにしつつ、憲法をくみ上げて行った

[首相]シリーズはこちら(少し下げてね)

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