[三十六歌仙]29 小大君

小大君(こおおきみ)
大井河そま山かぜのさむけきに岩うつ波を雪がとぞみる

残念!
いくら探しても、現代語訳が見つかりませんでした。
まあ、そういうこともありますね
「そま山」というのは、木材を切り出すための山です。

小大君
小さいのか大きいのか

はじめ円融天皇の中宮藤原媓子に女房として仕え、
のち三条天皇(居貞親王)の東宮時代に下級の女房である女蔵人(にょくろうど)として仕え、
東宮左近とも称された。
藤原朝光と恋愛関係があったほか、平兼盛・藤原実方・藤原公任などとの贈答歌がある。

『拾遺和歌集』以下の勅撰和歌集に20首が入集し、
特に『後拾遺和歌集』では巻頭歌として採られている。
トップバッターですね
大変な名誉です。

小大君で他の歌をいくつか

七夕に かしつと思ひし 逢ふことの その夜無き名の 立ちにけるかな
(織姫星に貸したと思った、逢うことが、七夕の夜、あらぬ噂が立ったことよ・君と言葉を交わしただけなのに…)

今日は七夕、こういう日は、自分があいたいひとと会うのを織姫に貸しましょう
自分はがまんがまん

そう思っていたのに、なぜ今日に限って、あのお方との事が噂になっちゃったのかしら

この歌には続きがあります。

たなばたに 脱ぎて貸しつる 唐衣 いとど涙に 袖やぬるらむ
(織姫星に脱いで貸した唐衣、いよいよ嬉し涙で、袖は濡れているだろう・今ごろ彦星に逢って)

貸したのは着物だったんですね
会えて良かったね、と言いながらもこんな歌

ちぎりけむ 心ぞつらき たなばたの 年にひとたび 逢ふはあふかな
(約束したのだろう、心ぞ辛い、織姫星が、年に一度逢うのは、逢うと言えるだろうか)

一年に一度なんて、そんなの会ったって言えるのかしら

この歌も良いとおもう
散るをこそ あはれと見しか 梅のはな 花やことしは 人をしのばむ
(今までは人の方が花の散るのを見てあわれと思っていたが、梅の花よ、
今年は花の方が亡き人を慕っているのではないか)

相次いで、知人が亡くなった
今までは、花が散るのを見て、あはれと思っていたのになあ
今日ばかりは、あなたが、人の事をあはれと思ってくれるのかい?

[短歌]シリーズはこちら(少し下げてね)

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