[桜]世界に広がる関山

「桜の科学」からこの時期だけの桜の話題

関山(かんざん)
桜と言えば染井吉野ですが
それ以外にも、色んな桜があります。

前回は緑色の桜を紹介しました。
[桜]緑色した桜の花

ウォーキングしていてひときわ目を引くのが関山
思わず
うおおっ、綺麗

染井吉野はうすーいピンクですが
こちらは濃いピンクでさらに八重なのでハデハデ

染井吉野は群れて咲いていて「すごいっ」てことになりますが
こちらは一本でも見応え十分です

花見のウォーキングってとても難しい
うわっと咲いてうわっと散るから
時期を外してしまうこともしばしば

以前やった千鳥が淵でのイベントでも、染井吉野はいまいちになっちゃっていたのですが
救われたのが関山

関山には感謝の気持ちしかありません

世界へ
関山は染井吉野同様、日本で開発された品種

染井吉野もニューヨークで観光スポットになったりしていますが
関山はそれ以上に欧米で大人気

染井吉野がそれまでの山桜と違って画期的だったのは
花の咲くときに葉っぱが出ないので
花の色だけになるから

そういう意味では、関山も染井吉野ほどではありませんが
花の時期に葉っぱがあるにはあるけど目立たない

サクラとしては比較的丈夫な種類で、病害虫の被害が少なく、
少々悪い環境の場所に植えてもすぐに枯死することはありません。

また、ふつう樹高4~6mほどまでしか成長しませんので、
剪定などの管理が難しくありません。
こうしたことから、管理する立場から見ると、
きわめて扱いやすい栽培品種です。

したがって、もともと東京では公園などによく植えられていますが、
近年では東京以外でも広く植栽されるようになっています。

特に寒冷地では、元気に育つことに加え、
暖地よりも鮮やかな色合いの花が咲くので、よく植えられています。

この関山が欧米の寒冷地ではとても人気で、広く植えられています。
染井吉野は日本でも札幌以北ではうまく育たないように、
寒さや乾燥が厳しい環境ではうまく育ちません。

一方、関山は寒冷地でも元気に育つことに加え、
あまり大きく育たないところも、個人の庭に植える樹木としては都合がよいようです。

さらに、欧米人の園芸的な趣向から考えると、
鮮やかな赤紫色でサイズが大きな八重咲きの花は、わかりやすいアピールポイントです。

さらに関山を植えるだけではなく、
関山から新しい栽培品種が欧米で生まれていす。
PinkPerfectionは関山を片親にもつと考えられている栽培品種で、
淡紅色の八重咲きの花をつけます。

また、RoyalBurgundyは、関山の枝変わりの栽培品種です。
花の形態はほぼ変わりませんが、
開花期だけではなくその後も葉が紅紫色のままです。
カエデの栽培品種の「野村」のように
夏でも赤い葉をつけるようになった突然変異だと考えられます。

こうした栽培品種が生まれているのも、
関山が欧米で愛されている結果でしょう。

[植物]シリーズはこちら(少し下げてね)

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