国宝の鶴林寺に魅せられて、続編

昨日の鶴林寺の話の続きになります。

太子堂
出ました二つ目の国宝
兵庫県で最古の木造建築
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この太子堂ちょっと変な屋根の形をしています。

元々の目的は修行堂
真ん中にある釈迦如来像の回りで長い期間をかけて修行する
僧のためだけの建物だった

でも、聖徳太子信仰の広がりと共に
中に聖徳太子絵伝とかがある太子堂が大人気に。
そこで、一般参拝者用の扉を増築した。

変な屋根の形はそこが増築した部分だからです。

ここの壁にある絵がすごいんです。
今は煤がくっついて真っ黒け
raigeizu

こんな感じ

あるとき和尚さんが、ひょっとして
元はここに何かが書かれていたんじゃないか
当時の最先端技術、赤外線写真を撮ってみる
やはり壁画があるぞ

さらに技術の進歩を待って
最新の技術で解析
あら不思議
こんな絵が現れたのです。

ちょちょちょっと
なんで色まで分かったの?

Mさんはちゃんと答えを知っておりました。
だてに鶴林寺ガイドと刺繍されたうわっぱりを着てはいません

それはね
顔料の成分を分析する技術なんです。
有機系の顔料はとんでいて判らないので
一部は推測も入っているんですけどね。

見事っ
パチパチパチ

鐘楼
この建物、格好いいなあ

何度か写生会に来ているけど
一回はここの絵を書いた気がする。

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韓国の技法による鐘。
聞きなれた鐘の音よりは高い音がします
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おそらく、近くに住んでいたときは
除夜の鐘はここの鐘が聞こえていたんじゃないかな

宝物殿
色んなお宝がいっぱい展示されている宝物殿へ
ここでも、Mさんのスペシャル解説を聞けました。

先程、話した壁画
どどーんと。
き、綺麗!

九品来迎図
人は死ぬとき生前の行いにより9ランクに分かれます。
上品、中品、下品で
さらにその中が3つに分かれる

上品、下品という言葉はここから来ている
というのは、九品仏に行ったとき勉強しました。

それぞれお迎えの来方が違うという説明がこの絵。

悪いことはしちゃいかん
良いことをしなきゃいかん
じゃあ、悪いことって何?
良いことって何?
質問が来そうですね

ご安心ください
この絵にはそれも説明されています。
放火している人とか
建物を壊している人とか
逆にそれをたしなめている人とか
一生懸命に仕事にせいを出している人とか

いやあ、有難い。良い絵ですね。
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仏涅槃図 鶴林寺宝物館プロマイドより

仏涅槃図
一般的な仏涅槃図と比べながら
じっくりと解説を聞けました。

お釈迦様が亡くなるときの絵です。
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仏涅槃図 鶴林寺宝物館プロマイドより

右上に描かれているのが、既に亡くなっているお釈迦様のお母さん
息子の危篤の知らせを聞いて
あの世から、不老不死の薬を携えて
大急ぎで駆けつけます。

間に合うのか?
ハラハラドキドキ

もう無理か

と、その時
お母さんは力を振り絞り薬の袋を投げ下ろします。

残念!
袋は木に引っ掛かってしまいます。
左の木の上の緑の袋です。

薬を与えることを投薬というのは
ここから来ているそうです。

聖徳太子絵伝
Mさんが
聖徳太子は2歳の時に
南無仏、と言いました

えっ?
私は

さっき12歳の時に恵便さんのところに通って
仏教の勉強をした訳だから
2歳で南無仏はどうなんでしょう

それはね

えっ?
答あるんですか?

8枚の聖徳太子関連の物語を書いた
聖徳太子絵伝というものがありました。
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説明がものすごくうまかったので
感心しきりのうちに最後の大化の改新まで

その中で
聖徳太子のお母さんの口から仏さんが入って
聖徳太子が厩(うまや)で産まれるくだりがある

仏様の生まれ変わりかは分からないけど
元々仏様的要素を持って産まれている。

それならば、2歳で、南無仏と言っても不思議ではない。

恐れ入りました。

観音像
にわか仏像ファンの私としては
感嘆の声をあげるものがいっぱいあったのですがろ
紙面の関係上、どどっと省略して
観音像

見事なお顔の素晴らしい観音様でした。
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かつて
この像は盗まれた事がありました。
泥棒は当時金箔で覆われていた仏像を
全部金だと思い
火で溶かそうと思った
いくつかに割ろうと思って
腰の辺りをガーン

ところが割れるどころか

あいたたた
と、言った

腰を抜かした泥棒たちは
薄気味悪いと、仏像を返しに来た

ということで
あいたた観音と言われています。
ちょっと腰の辺りが曲がってますね。

鶴林寺終了
むちゃくちゃ楽しかった。
9時過ぎに始まって、終わると12時回っていました。
全てMさんのおかげ。

私もイベントは30回を越えるので
色々ガイドを聞く機会がありますが
ここまで素晴らしいガイドはそうそう聞けるもんじゃありません

改めて
Mさん、ありがとうございました。

鶴林寺だけで、まるまる2回分使っちゃいました。

ここから、Mさんとはお別れし
以前住んでいたところ探検の旅が始まります。

その様子は明日ね。

どこ行こう、そうだ!おでかけマップ

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