仏像の見分け方。阿弥陀如来。

仏像の見分け方シリーズ。

阿弥陀如来
阿弥陀如来(あみだにょらい)は
如来の中では一番人気です。

南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)と言いますね
南無とは帰依(きえ)します。すなわち、信じてその力にすがりますということ。
略して、なんまいだ

仏像でも一番多く作られています。

阿弥陀
阿弥陀も実は、釈迦と同様に実物の人物
ある国の国王でした

一念発起して、地位を捨てて修行僧になります。

結果、悟りを開いて仏になるのですが
その時に48個の誓いをたてます。

その中の18個目がすごい

誰でも、ひたすら信じて「南無阿弥陀仏」と唱えるなら
親を殺すなどの極めて重罪(五逆罪)を犯していない限り
私が責任をもって、極楽浄土に導きましょう

もしこの誓いが叶えられないなら、
私は仏になりません。

阿弥陀は阿弥陀如来というくらいですから
如来=仏になっているわけです。
ということは、
南無阿弥陀仏と唱えさえすれば
極楽浄土に行ける、すなわち仏になれるという
公約は実現できているということです。

ええこと聞いた。

誰しもそう思いますね

お釈迦様の時は
成仏するには
自分で何とかして悟りを開く必要がありました。

今度はキーワードさえ言えば
何とかしてくれるというわけです。

仏教の門戸が一気に広がり
飛躍的に普及していく大きな転換点となったわけです。

一番人気になるのも分かりますね。

極楽浄土って何?
早い話が天国なんですけど
浄土と言うのは、仏の世界で言う「国」みたいな意味です。
日本国、フランス国みたいにいろんな国がありますね
浄土にも〇〇浄土、□□浄土みたいに色んな浄土があります
それぞれの浄土には治めている仏様がいます。

阿弥陀如来が治めている浄土を
極楽浄土と言います。
極楽というのは、日本、みたいな固有名詞だったんですね
ちなみに、薬師如来は瑠璃光(るりこう)浄土
観音菩薩は菩薩であるにもかかわらず、浄土を持っていて、
補陀落(ふだらく)浄土と言います。

見分け方
これが実に難しい。
釈迦如来との違いがね
はっきりいってほとんど一緒
元が別の人なんだから
姿形を変えてくれれば分かりやすいのに
髪型も服装も百毫(びゃくごう)も如来統一パターン

持物(じぶつ)という持ち物も
釈迦如来も阿弥陀如来も何も持っていないという点で一緒

さあ困った。

印相
ではここで、印相(いんぞう)の話をしましょう。
印相ないしは印というのは手の形の事です。

仏像って当たり前ですがしゃべれません。

昔の人は考えた
何とか言いたいことを伝える手段はあるまいか

手話だっ

こういう手の形しているときはこういうことを言おうとしています。

仏像の見分け方の中では重要な要素なので、
今後、少しずつ色んな時に触れていくとして
今日は、阿弥陀如来に関しての印

この手の形なら絶対に阿弥陀如来っていうのが
3つほどあります。
残念ながら、それ以外の印相をしている阿弥陀如来もおられるので
この3つ以外なら阿弥陀如来じゃないって訳じゃないので注意。

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鶴林寺の時にも話しましたが
死ぬと極楽浄土に行くために阿弥陀如来が迎えに来てくれるわけですが
生前の行いによって、上品、中品、下品。
さらにその中が3つに分かれた9ランクに分かれます。

万人を救ってくれるんなら
全員上の上でお願いします
と言いたいところですが
上の上にはキャパがあるんでしょか
こっちはお願いする立場ですから贅沢は言えませんね

阿弥陀如来さんとしても
なかなか口では言いにくいのか
あなたはこのランクですよと
印相でサインを作って教えてくれます。

阿弥陀定印というのは
上の上ですよというサインです。

阿弥陀如来の仏像をお買い求めになる場合は
やっぱり、この上の上がよろしいんじゃないでしょうか

ちなみに、
鎌倉の大仏さんは
阿弥陀如来なんですが
この上の上の印です。

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仲良しトリオ
水戸黄門に、助さん角さんがいるように
各如来にも脇侍(わきじ)というのが、左右に二人ずつついているケースが結構あります。
釈迦如来の場合は、右(釈迦如来の右手側)に普賢菩薩(ふげんぼさつ)。象に乗ってます
左に、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)。獅子に乗っています。
阿弥陀如来は、右に、勢至菩薩(せいしぼさつ)
左に、聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)

本人が分かりにくいので脇侍で見分けるというのも手ですね
象と獅子に乗っている仏様が左右にいたら
これは間違いなく釈迦如来で、阿弥陀如来ではあり得ません。

索引はこちら
[仏像の見分け方]シリーズはこちら(少し下げてね)

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