[百人一首]48 風をいたみ~、良いの?ほんとに良いの?

風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ
くだけてものを 思ふころかな

風が激しくて、岩に当たる波が砕けるように
私だけが心も砕け散るほどに
思い悩んでいる今日このごろだなあ

源重之
源重之(みなもとのしげゆき)
清和天皇の皇子である貞元親王のひ孫にあたる
清和源氏と言われる家系
転勤族で、九州から東北まで色んなところに行っている
友達も多くて
あの平兼盛や
ソタンこと曾禰好忠もお友達。

三十六歌仙にも選ばれて、定評がある

鑑賞
風をいたみ、は、いたく感動したと現代でも言うように
いたしが激しく。み、は ~なので
風が激しいので、岩に当たる波のように、までが序詞。
この歌のポイントは
くだけてものを 思ふころかな

平安時代の人は「くだけてものを 思ふころかな」好き
なにかっちゅうと「くだけてものを 思ふころかな」

流行語大賞みたいなもの。

またかい、って感じなんだけど
使いたいよね。
流行っているんだから。

三十六歌仙は考えたね。
よし、「くだけてものを 思ふころかな」界の最高峰の歌を作ってやろう。
最も激しく砕ける感じでどうだっ

後に東映映画のオープニングに使われるあれ
スケール感で、ドドドドドーン

さすがは三十六歌仙!

と思いたいんだけど
ほんとはね
元ネタがある

百人一首、第19首
難波潟(なにわがた) 短き葦の ふしのまも
あはでこの世を すぐしてよとや
の作者 伊勢が作った歌

風ふけば 岩うつ波の おのれのみ
くだけてものを 思ふころかな

あれ?
もう一回、今回のね

風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ
くだけてものを 思ふころかな

あれれ?
あかんのんちゃう。重之ちゃん

確かに、風ふけば、は
ドドーン、だけど
激しい風にしたら
ドドドドドーン

ここを変えれば良い歌になりますよと
赤ペン先生が添削した感じ

今の世の中なら、大騒ぎで
これはミスチルでしょう、三善英史さん、ってな感じですが
和歌の世界じゃ結構ある。

ちょっと変えただけでも歌ってぐんと良くなるんですよ
って例で
藤原定歌が百人一首にわざわざ選んだんだとすると
定歌さん、なるほどです。

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