[仏像の見分け方]愛染明王

仏像の見分け方シリーズ
如来、菩薩、明王と来ましたが、今日で明王はおしまい。
次回からは、最後のグループ、天に入っていきます。

明王の最後は、愛染明王

固定観念をぶち破る魅力的な明王です。

愛染明王
あの愛染かつらの愛染です。
♪花も嵐も~踏み越えて~

愛染はサンスクリット語で「ラーガ・ラージャ」
赤、愛情、情欲、を意味します。

何がすごいって、
煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)という考え方をとること

仏教って、修行をして、悟りを拓こうとすると
全ての欲を捨て去るというイメージがありますよね

もちろん愛欲もしかり

歴史的にも、
夢破れて出家し、一生独身で暮らす、って話はよくあります。

でも、結婚したっていいんじゃないってお坊さんがいたりもします。

ところが、まあいいんじゃないとか、そういうレベルではなく
全く逆に、積極的に、愛欲こそが悟りとイコールなんだという
極めて斬新な考えが、煩悩即菩提

そして、その象徴が愛染明王。

とても良いと思います。
よくぞ言った。
愛染明王に一票!

思えば、愛情ほど崇高なものが他に有りますかって

それをわざわざ押さえるなんて訳分かりません。
それじゃロボットと人間の違いが分からなくなります。

而二不二
もうちょっと仏教的な言葉で補足すると
而二不二(ににふに)と言います。

二つのようで二つでない。
色即是空、ってそうですね。
色と空って、別物、だから二つ?
いえ色は即空だから、一つ。

同じく、煩悩は即菩醍。表と裏だから一つ。
風呂敷だって裏があって表があって一つ。

元々、私の考えはこれそのもの

欲を悪者にするのは、「〇〇過ぎて押さえられなくなる」ケースがあるからで
コントロールできさえすれば振り幅は大きい方が良い。
喜怒哀楽や欲は、コントロールできればあった方が良い

恋せよ乙女。

見分け方
恋してる訳だから
ニコニコ笑っているかと思いきや
そこは明王。

怒ってるんですね。

ある意味、すごいですね
どうやったら、怒りながら愛せるんだろう。

顔は真っ赤です。
私が小学校の時、女の子の前でついつい真っ赤になっちゃったのと一緒ですね
ここは怒っているからではなく、恥ずかしがりやさんだからですね。

頭には獅子が乗っています。

ご利益
当然ご利益としては恋愛成就です。

ということは、あの東京大神宮のように
愛染明王の要るところ、若くて綺麗な女の子だらけですね
良いじゃないですか。
とても良い。
顔が真っ赤なのも分かります。

恋する娘を持つ父としては
愛染明王様、何とか見守ってやって下さい。

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