源信は、地獄の案内人

名僧シリーズです。

源信
げんしん 天台宗 942-1017

源信は、元三大師良源の弟子になります。
[名僧] おみくじは、良源が発案

源の字をもらったんでしょう

源信を一気に有名にしたのは、「往生要集(おうじょうようしゅう)」という本を書いたからです。

末法思想
釈迦が亡くなってから、1000年は、正法と言って、正しい教えが継続される
その次の1000年は、像法と言って、とても怪しくなってくる
そして、その次からは、末法と言ってぐちゃぐちゃの時代がやってくる
1052年がその始まりの年
源信の生存の時期あたりは、間近に迫っております。
平安時代です。

えらいこっちゃ
何とかせねば

唯一救われる方法は、極楽浄土へ行くこと
ファイト!

色んな人が極楽浄土へ行く方法を導き、人気を博する

その中でも、源信の書いた往生要集は大ヒット作

第二章が、欣求浄土(ごんぐじょうど)と言って、極楽浄土への手引き

往生要集が大ヒットした要因は、第一章の、厭離穢土(おんりえど)の方にある
この中では、詳しく地獄の事が解説してある。

みんなは二つ三つ心当たりがあって、自分は地獄行きだろう。
今から、悔い改めて、欣求浄土やっても間に合わないんじゃないか

地獄を詳しく勉強して抜け道を探ろう

かくして、往生要集は地獄の手引き書として親しまれることになります。

地獄
地獄にはこんな種類があります
等活(とうかつ)地獄
黒縄(こくじょう)地獄
衆合(しゅごう)地獄
叫喚(きょうかん)地獄
大叫喚(だいきょうかん)地獄
焦熱(しょうねつ)地獄
大焦熱(だいしょうねつ)地獄
阿鼻(あび)地獄

一番ましなのが、等活地獄

ましと言っても
1.煮え立ったうんこや尿を無理やりのまされ
がんばって食べたら、その中には特殊なギョウ虫がいてはらわたから食われる
2.刃になった葉が生い茂った山を駆け上らないといけない
3.皮をはぎとられたあとに熱してとけた鉄のかまで煮られる
どういう風にましなんでございましょう。

黒縄(こくじょう)地獄

体中に、何千本も線を引かれる
何のための線かというと、その線に沿ってノコギリで切られる
薄切りスライスハム状態

書くこと自体耐えられないので、どっと飛ばして一番キツい
阿鼻地獄

それ以外の地獄の全てを含む、オールバージョン
そもそも、地獄に着くまでが長い。
阿鼻地獄行きが決まると、穴にほおり込まれるんだけど
地獄につくまで落ち続け、2000年もかかる

84,000のくちばしを持つ虫が5億匹も飛んでいる
というから、もう何がなんだか分からん状態

ああ、書いていて気持ち悪くなって来た

でも大丈夫。
このあとの法然が、
どんなに悪いことした人でも
地獄に行かなくて済む方法を発見してくれました。

南無阿弥陀仏と言いさえすればOK

空也の口から出ていたあれですね。

空也の南無阿弥陀仏、
源信の往生要集は、
次の鎌倉時代の、法然の大きなヒントとなります。

極楽浄土への方法、念仏の革命的変化に繋がり
浄土宗へと発展していくのです。

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