[歳時記]12/21 日本初のデパート開店

12/24
デパートが日本ではじめて開店したのは、 1904(明治37)年のこの日。
東京の日本橋駿河町の三井呉服店と隣接する越後屋呉服店が合併し、
両者の頭文字を取って株式会社三越呉服店と改称した。
ここに日本初の欧米デパートメント・ストアの誕生である。

越後屋に関しては、江戸時代、当時の小売業になかった
「現金掛け値なし」という販売方法を取りいれた革命児
そのあたりの事はこっちを読んでね
三越の前身「越後屋」の商売革命

これをきっかけに、同店は商品の飾りつけをアメリカ風に切り替えたり、
店内に一種のアミューズメントパークのような雰囲気を漂わせ、
楽しく買物ができるような工夫をこらした。

とくに、客と店員が座って商談する「座売り」販売から、
商品を並べて置く陳列販売に転換したことは、
日本の小売業にとって画期的なことだった。

また、自動車による配達や鉄道馬車に広告を出すといったPR戦略にも、
積極的に取り組んでいた。

ところが、建物そのものは昔ながらの日本の商家の雰囲気を残していたうえに、
店内は畳敷きで客は下駄を脱いであがるしくみだった。

そのうちに 下足番を置いて、靴カバーのようなものを客に渡して入店してもらうようにしたが、
それでも現在の百貨店から見れば奇妙な光景に変わりない。

こうしたしくみはしばらく続き、
三越に続いて開店したほかの百貨店とも同じようなスタイルをとっていた。

結局、客が土足で入店できるようになったのは、
大正時代末に白木屋呉服店が神戸に出張所を開いて、床をタイル張りにしたのが最初だった。

開店から数年後に、三越は西洋風ルネッサンス式の建物にリニューアル。
玄関にはライオン2頭の像を置いて話題を集めた。店内もユニークな装飾やBGM、
呉服に加えて洋品小物などを店頭に並べるようになった。
こうして、現在のデパートの基礎にともいえるスタイルが次々に導入されていった。

三越の開店は大評判を呼び、これをきっかけに、大丸、白木屋、高島屋などの大規模な呉服店が、
次々にデパートに変身。
どのデパートにもたくさんの人が詰めかけ、デパートの黄金時代が到来したのである。

ちなみに、現在のデパートでは、客にわからないように店員同士で隠語をよく使うが、
こうした習慣は開店当時からあったものらしく、店員がトイレへ行くことを
「遠方に行く」と言ったりしていたようだ。

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