三越の前身「越後屋」の商売革命

今日は、江戸の文化シリーズ、商売です。

江戸の商店で、まず名前があがるのは三越の前身、越後屋ですね

越後屋の何がすごいって、商売のやり方をガラッと変えちゃった

商売方法
まずは店先売り(たなさきうり)
そもそもが、それまでは行商や御用聞きがメイン
お客さんのところへ行って商売する

それをお店に来てもらう方式に変えた

今からすると、えっそうなの?そりゃまた基本的な、だけど
本格的には越後屋が最初

それも、日本橋の一等地に、どでかい店を作っちゃう
いきなり、思いきったよね

イオンモールかコストコか、っちゅうくらい

買いに来てもらう方式に変えると、ことごとく色んな事が変わっちゃう

現金商売

当時は、今日もニコニコ現金払い、ではなかった
大店(おおだな)と言われる大型店では、盆暮れ2回のつけ払いが原則
そうなんだ、いいじゃん、と思うでしょ

でもね
逆に、そうなると信用のない一見(いちげん)のお客さんは
そもそも売ってくれないことになる
いくら現金持っててもね

誰にでも門戸を開放した越後屋は大人気を博する訳です

掛け値なし

それまでのお客さんのところに出向く商売だと、売り買いの場には当事者だけ
誰も見てる訳じゃないから、
値段なんて、売り手が言いたい放題
そこから、交渉が始まり、もうちょっとまけてくれ
これを掛け値と言うんだけど
越後屋はそれをなくした

値段は決めてありますよ
オープンですから、あこぎな商売はいたしません。

みんなニコニコ、明朗会計

看板に「現金掛け値なし」と大々的にうたった

すごい革命家
でも、それだけじゃないんだなあ

次の話に入る前に
江戸検定の過去問にある問題を出してみましょう

【問題】越後屋では天井から紙の短冊のようなものが下げてあり
    お客様に良く分かるようにしてあります
    さて、何が書かれているでしょう
  (い)商品分類 (ろ)生産地 (は)値段 (に)担当者名

この次の次の話を読むと自然と答が分かっちゃうので
後ろを隠して考えてね

広告戦略
今では当たり前の広告戦略
越後屋が最初だったんだなあ

引札(ひきふだ)
チラシ、兼、商品カタログです

いわゆるポスティングも行われます

こんなもの、みんな初めて見るので、この引札自体が大人気
丸の中に井桁と「三」の文字
さらに地方から来た旅行者にも大人気

ちょっとちょっとこれなに?
一枚持って帰って良い?

田舎で自慢しまくりますので
越後屋マークは全国に知らない人がいないくらい

なんと、ちゃんとマーケティングも行っていた
どこに何枚引札を撒いたらどれだけの効果が上がるのか
翌月、なんと6割も売上があがったという記録が残っている

そして、ポスターというか、便乗作戦というか
当時、大人気の錦絵
美人の絵や、人気の力士、歌舞伎俳優なんかの絵がバンバン売れる訳ですが
人気の絵師が錦絵を書くとき、
その背景に越後屋の店や、マークをさりげなく入れさせる
マークは全部は書かず、必ず一部隠れるようにするというから
いやあ、にくいね!

もっとすごいのが、あるものの貸出しサービス

あっ、急な雨だ、困ったなあ

良かったら、傘をお貸ししますよ
ご都合の良いときに返していただければ
もちろんお代はいただきません

当然、越後屋の名前がどーん、マークがどーん

返しに来たときには、まあ、店の中を見ていきますかね

傘には、大きく通し番号
1500番くらいまであった
さすがは、大店、すごい数作ってんだなあ

実は番号は飛び飛びで、そこまで作ってなかったそうですが
すごいなあ、と思わせる

人材育成
今までのあれやこれや、すごいことばっかりだけど
私は、実はこれが一番すごいと思ってるんです。

店員たちをチームに分けて売上を集計
成績の良いチームにはどーんとごほうびと出世の道

もう分かりましたね

◆◆◆答◆◆◆
(に)担当者

分かりました?

私は以前、この問題を解いたとき
見事に不正解
現金掛け値なしなわけだから
値段に決まっとるよね
いや、ちょっと引っかけかも
商品分類か
スーパーで、鮮魚、とかベジタブルとか書いてあるし
はたまた、生産地?
京都の西陣織とか分かりやすくか?
まあ、担当者は無いよね、意味分かんない

正直、答見ても
ああ、そうなんだ、変なの

今回、円楽の大江戸なんでも番付というこの本を読むまでは
その趣旨が理解できていなかった

要は、成績でメリットをいっぱい与えることで
思いっきり意欲を増す
そうすると、その店員は接客技術を極上にすべく
磨きをかけていく

すごいのは、それにお客さんがちゃんと反応してくれるような仕組み
札を下げて
ここにまる〇〇さんがおりますよと
お客さんは、その人目当てで店にいく
人気の人の前には行列ができたという
物を買いにというより、応援しに行く

そんな事ありますかね
キャバクラじゃない
ものを売っている店で行列にまでなる

スーパーのレジだと間違いなく短い方に並ぶけど
長い方に並ぶわけよ

いわゆるカリスマ店員ですね
それを何人も育てるための仕組み

さらにすごいのは、チームにしていること
個人だけの力じゃなく、チーム内で協力させて
次のリーダーを育てる

いつかは越後屋の天井から自分の名前が下がる日を夢見て

三越の前身「越後屋」の商売革命」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 伊藤宇多。松坂屋を作った女性 | でーこんのあちこちコラム

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