[首相]32 吉田茂。嫌になったらいつでも投げ出す。

出ましたっ、超大物
あまりに大物なので、何回かに分けてお話していこうと思います。

初選挙
戦後初めての選挙

鳩山一郎が結成した日本自由党が第一党
幣原喜重郎率いる日本進歩党は第二党
日本社会党が第三党

幣原喜一郎は日本自由党に負けちゃったので、首相を辞任させられた。

という事なので、普通に考えれば鳩山首相

ところが
吉田茂のいる外務大臣官邸に、鳩山が訪ねてきた

「吉田さん。日本自由党を引き受けてくれまいか」

即答で「嫌だ」

鳩山には、首相になれない事情があった
GHQから公職追放を言い渡されてしまった。
それが解かれない限り、一切の政治活動ができない。

鳩山と吉田は古くからオレオマエの仲
ただ、吉田はこの時点でどこの党にも所属していない。
戦前、結局は国家主義に変貌し、軍部のお先棒を担いだ形になった政党とずいぶんぶつかったので
政党に大して強い不信感がある

どうしてもか

ダメなものはダメだ

でも、非常事態であることは分かるので助けてやろうとは思った

これと思った人に首相を引き受けてもらえるよう
一生懸命奔走した

でも行く先々で、君がやるべきだ、と逆説得を受ける始末

どんどん周りを固められてしまい
とうとう受けざるを得なくなってしまった

鳩山に会った。
仕方がないとは思うが、受けるには条件がある

「おれは、ご存じのように、金はないし、金づくりもできない。
金の心配は、きみのほうでやってくれなきゃ困る」

「おれは、政党のことはまったく関係がなくてわからん。
政党の人事については、一切きみがやってくれなきゃ困る。政党は、一切きみの力で押さえてくれ。
ただし…
内閣の人事については、干渉してくれるな」

「それから、嫌になったら、いつでも投げ出す」

何ともわがままな条件だが、鳩山は呑んだ

「きみのパージが解けたら、すぐにきみにやってもらう」

この最後の一言が、後に大きな問題になる

3つの条件なのか、4つの条件なのか

丁寧な事に、この4つを巻き紙に書いてしまっていた。
でも実際にその紙が出てきたことはない

歴史の謎。

大命
一生懸命選挙活動を頑張って、よそ者に首相を持っていかれてたまるか
日本自由党のメンバーたちは「吉田茂」という名に騒然となる

自分も公職追放になっちゃっている日本自由党の大幹部、三木武吉はある作戦を立てた。
いいか、吉田が既に承知しているなんて絶対言うなよ
3つの条件なんてもっての他
散々反対論を言わせて、時間稼ぎをしておけばいい。

三木武吉は党大会で一言もしゃべらない

ようやく、天皇から吉田に組閣の大命が下ったとの報せがもたらせられた

三木武吉がおもむろに

みんなの気持ちはよく分かる
だがこうなってしまった以上仕方がない
吉田を日本自由党に引き入れ、首相とする説得役を
ワシがかってでる事にしよう。

このあと、組閣ですが
ここもすんなりはいきません。
続きはシリーズの次回ね

[首相]シリーズはこちら(少し下げてね)

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