ソメイヨシノの原木はこれだ

今日、ラジオでソメイヨシノの開花宣言の話に関連して
ソメイヨシノのルーツ、ついに解明みたいな話題があったので
追加で調べてみました。

ソメイヨシノは、クローンだという話は去年しました。
染井吉野はクローン

ソメイヨシノは全て同じ木から、接ぎ木で増えていったもの
これは以前から遺伝子の調査で分かっておりました。

となると、その最初の一本が気になります。

なんとその1本が現存していて、特定出来たという調査結果

ただ、えっひょっとして今年そんなすごい大発見があったの?
とラジオにしがみつきましたが
説自体は数年前に発表されたもののようです。

千葉大のチーム
千葉大のチームが全国のソメイヨシノやその他の桜の遺伝子を調べまくって
「その一本」をようやく特定

そのありかは、なんと

上野公園

これだっ

あっ。これなら知っている
小松宮像の横にコマツオトメという種類の希少な桜の種類がある

そのコマツオトメがソメイヨシノのお母さん
ソメイヨシノはお父さんがオオシマザクラ、お母さんがエドヒガンなんだけど
コマツオトメはエドヒガン系

コマツオトメと同じ並びの管理No.136こそがソメイヨシノの原木!

「これらの木は等間隔で一列に生えているので、
両親から得られた実生(種)を植えた可能性があります。
また、これらの樹木が“相反交雑”によって生じた兄弟であると仮定すると、
ソメイヨシノの両親は【エドヒガン】および【エドヒガンとオオシマザクラの雑種】
と考えられます」

相反交雑とは、両親の間でオスとメスを逆にした2通りの交配を行うことで、
植物の品種改良にはよく行われる手法です。
管理番号136がソメイヨシノの原木?

中村さんがさらに大胆な仮説を提唱します。
「小松宮像の一角は、江戸時代に寛永寺の鐘楼堂がありました。
ソメイヨシノは染井村(東京都豊島区)の伊藤伊兵衛政武(1667〜1757年)が作出したという説が有力ですが、
ある事情で自宅の畑ではなく、寛永寺の境内で原木を育成したと考えられます」

“ある事情”を簡単に言うと、
園芸家として知られた伊藤家が時の権力者ににらまれたくなかったからだそうです。

小松宮像の一角にはソメイヨシノが4本ありますが、
兄弟のエドヒガンなどと一列に並ぶ管理番号136のソメイヨシノが原木ではないかと
中村さんは推理します。
それが伊藤伊兵衛政武の作出したソメイヨシノだとすると、
樹齢は約270年ということになりますが、樹木医の見立てでは70〜100年です。
中村さんが語ります。

「ソメイヨシノの原木候補がある場所は、
寛永寺の鐘楼堂を建立するための基礎工事が施されているので、
根が伸びられない盆栽状態の可能性があります。
一般的に盆栽は長生きで、手入れを怠らなければ500年持つものがあります。
私の仮説の真偽は原木候補の樹齢が鍵を握っているので、
解明されるのを待つほかありません」

なかなかです。
ソメイヨシノって、短命ではなく長寿って話も以前しました
染井吉野は短命?いえいえ
原木がまだ生きて残っているというのはあり得る話ではあります。
この木が270年経っているのかというのはどうにも分かりませんが。

結局のところ、この説その後も色々あって
今は一旦保留的らしいけど
可能性は消えていない。

このソメイヨシノが原木だとすると、
日本国内ばかりか海外のソメイヨシノが、この1本を起源にしていることになります。
壮大なロマンじゃないですか

[植物]シリーズはこちら(少し下げてね)

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